気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

椿の館 稲葉京子歌集

2006-06-07 20:26:22 | つれづれ
ビル群の涯底(そこひ)に仰ぐ紺青の切り絵のごとき夏の夜の空

旅宿なるあかりの下に身を低くして書きてゐる歌の虜囚よ

ひつたりと背に貼りつきて私を歩ます刑吏のごとき歳月

父の胡坐にゐしわれいつか子を生みつその子の胡坐に抱かれゐる子よ

来年の花を約すとふかぶかと土に降ろさるる乙女椿は

(稲葉京子 椿の館 短歌研究社)

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府立図書館で見つけたので、『椿の館』を読む。
第十二歌集。・・・となんの感想にもなっていないが。