気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

桜桃

2006-06-17 00:45:47 | おいしい歌
桜桃の二十あまりを食ひあげて夜の食卓を立ち去るわれは
(小池光 時のめぐりに)

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桜桃と漢字で書いてあるから、日本産のサクランボのことだろう。ちゃんと数えたわけでなくて、大雑把に二十数個。きっと食後のデザートで、結構満腹感がある。食ひあげて・・・というところに、一仕事をしたという達成感がある。しかし、あと片付けはしないで、さっと立ち去るんですね。以前、『草の庭』の「そこに出てゐるごはんをたべよといふこゑすゆふべの闇のふかき奥より」を読んだときにも感じたことだが、家にだれか家事をする人がいる人の感覚なのだ。この辺りに引っかかった読みをしてしまった。