道草、より道、まち歩き。

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原発と電子楽器(YMO)

2012年08月05日 23時53分47秒 | 環境
坂本龍一が7月16日の脱原発集会で「たかが電気のために、なんで命を危険にさらさなければいけないのか!」 と言うような発言をしたところ産経新聞などが反発し、その「電気」がどれほど人の命を救ってきたか。若い時には電気をふんだんに使ってコンサートをしていたくせに…。など実名を出して批判した。

坂本龍一だって医療で電気を使っていることぐらい知っているだろうし、電気を全く使うななんて言う気はなかったろう。
思うにたかが電気を作るために命を危険にさらすのか?ってことで、電気を作るためには原子力だけという選択はないだろうし、原子力発電ができたのなんて原爆を開発した9年後の1954年に原子力潜水艦が作られ、その原子炉を民間に転用し発電を始めたのが1951年。たかだか60年くらいのものである。

それからまた3年後の1954年にソ連が原子力発電所を始めて実用化し発電を行った。
それから58年の間に大きな原発事故が3件。
放射性廃棄物の完全な処理は未解決で溜まる一方。
この大きな問題を解決する方法を提案する人は誰もいない。

それは兎も角、坂本龍一が「電気を使ってコンサートをしてたくせに」という部分にちょっと引っかかって、YMOが全盛期って私もやっぱり電気は今の様になくてはならないもので、毎日ラジオやレコードを聴いて、夜はテレビを見て、電気をつけて一応勉強っぽい事もしていた。

でも、考えてみると泊原発が1989年の運転開始なので、1980年当時は北海道に原発は一基もなかったのだ。
日本全国で見ると、1963年に東海村の実験炉が最初の発電となっている。

関西電力のデータによると、1980年の全国9電力会社の販売電力量は3200億kWhで、発電で原子力発電の占める割合はすでに18%。
販売電力量での原発の占める割合とは一致しないとは思うけれど、ざっと計算すると576億kWhが原発からの電力とおおよそ考えられる。

データが2002年までなので、それを元に比較すると、販売電力量は8200億kWhで原発の割合は34.5%で、2829億kWhが原発からの発電量。
原発の発電量は22年でおよそ5倍にもなる計算。

電子楽器をふんだんに使って~と確かにそうだろうが、今程電気の使用量は多くなく、原発の依存度だって格段に少なかった。
それをなんだか鬼の首を取ったかの様に偉そうに上げ足を取るのはなんだか恥ずかしく感じる。
それより、電気をこれほど使って80年代以上の幸福感を感じている人がどれだけいるのだろうかと考えてしまう。

コメント
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