
これはかなり内容の濃いプログラムですので、企画はもちろん3月11日、大震災の前から進められていたということで、その中の講演会はチェルノブイリ事故が中心となる予定でしたが、福島第1原発事故についてに大幅に変更されたこともあり、2時の開演前から大ホールは満員で、私はちょっと家を出るのが遅くなってしまったため座席も無くなり、立ち見(座り見)となってしまい、これって消防法とかまずくないかなぁなんてお尻も痛くなりながら、話に聞き入っていました。
講師は、京都大学原子炉実験所・今中哲二さんと、環境エネルギー政策研究所・飯田哲也さん。
お二人とも原発事故以来お話されている映像が、沢山YouTubeにアップされています。
今中さんは反原発というより研究者として日本の原子力開発のあり方に疑問を持ち、原子力利用に伴うデメリットを明らかにする研究をしています。飯田さんも京大出身ですが、やはり国の原子力開発に問題を感じて持続可能な自然エネルギーをベースとする社会への転換を提言しています。
もう世界的には自然エネルギーへシフトしているのに、日本は特に自然エネルギーでは安定した電力需要ができないという刷り込みが、国と電力会社に国民の多くが信じ込まされているようです。
驚いたのが中国がこの5年間で風力発電を世界最大規模に拡大しているということで、日本はその間ずっと横ばい状態。他の自然エネルギーのシフトもほとんどされて来なかったという全くの無策。
なんだかやっと未来に希望が持てる話が聞けましたが、中でも飯田さんからは、もう新規の原発建設はない、エネルギーシフトをするしかない。「節電」がもっともコストがかからない『節電発電所』であることだと聞けたのは収穫でした。
それから6時間を超えるプログラムの中で、最後に会場から質問を受けた際、アンケートの質問にも書いて手を挙げても当てて貰えなかったが、もっとも聞きたかった高レベル放射性廃棄物の問題を別の男性が聞いてくれたのでホッとした。
お二人の答えは中間貯蔵しかない。細かく切ったり再処理しないで今ある原発のところに置いておくしかない。千年万年地中においておくとどうなるかわからないし、今現在、社会的合意のもと受け入れてくれる町が無い限り、原発が立地している地域で抱え込むしかないだろう。
また今中さんが、基本的に廃棄物のことは考えて来なかったというのが本当の話で、できちゃったものは我々が抱え込むしかなく、中間貯蔵もしくは東京電力(他の電力会社も同様)の地下に抱え込んでもらうしか…というところで拍手が起きました。
他にも質問時間ではちょっと個人的な話もあって、そういう人に限って話が長かったりして残念なんだけれど、大学生で環境を勉強しているという学生さんから「原子力は日本の電力の約4割を補っているのに、即廃止するというのは無理がある。太陽光はパネルを作るのに環境破壊があり、完全に綺麗なエネルギーとは言えない。風力も環境に対しては影響が小さいから良いんじゃないかっていうのは、ちょっと問題が違うって気がします」
という質問に私も、んんん~?と思ったのだけれど、これに対して飯田さん優しく「基本的には大学生ということですから、もうちょっと勉強して下さいっていう風に私は言いたいんですが」で~会場も遠慮がちに拍手と苦笑い。
私も学生さんには悪いけど、今まで講演聞いてた?って言いたかった。
飯田さん補足で、原発はもう事故後では20%ちょっと、原発を使い続けたため起きている事実をよく知る。人間がエネルギーを使う以上環境破壊をしてしまうが、世界の人が一定の文明社会を維持しようとすれば自然エネルギーしかないんです。とのこと。
長いイベントでしたが、真剣に取組んでいて会場には自然食やフェアトレードの食品が売られていて、それはいいんだけれど、講師のお二人への質問が終わってからドラムサークルをします!みんなで打楽器?を使って、つながろう♪ なんて説明があり、まだ質問したい人がいたのに最後にこれかぁとがっかり。
基本的にこういう活動、イベントでデモとか歌とかって嫌なんだよね。
廃棄物の質問した男性も、わざわざ岩内から来たって若い人もさっと帰っちゃったでしょうが。講師のお二人も勧められてたけど…私も席を立ちましたが、そんな時間があったら質問の時間にあてれば良いのにって、ホント残念なんだなあ。
しかし話を聞いて終わりじゃ~やっぱり変わらないんだよな。
動かないと。