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南無煩悩大菩薩

今日是好日也

怖れずに前を見据える少女の像

2017-03-25 | 世界の写窓から
(photo/source

像はイコンであり、導くものである。

例えば、クヌーヒーの「イスラム帝国夜話」にはこんなふうな話が出てくる。

ある男が莫大な財を失い心を取り乱し呆然自失の時、友人が来て言った、

「友よ、お金の行く先は分からないものだ。

だがお前も知っていよう。魂や知性や信仰というものは代わりのないものだ。それが大丈夫であれば、まだお前に余得はあろう。

お前の悩みは、貧乏や物乞いを怖れ、食べたり飲んだり着たりするといった類の習慣が保たれなくなるのではと心配し、あるいは面目を失うのではと不安を抱く人の悩みと同じものだ。

そんな悩みは耐えよ」

「そうでした、本当に自分は考えに乱れて、それらすべてのものが自分の所有物であることを忘れ、失くしたものに比べて取るに足らないものだと思い違いをしておりました。そしてますますいたずらな考えに走るところでした」

そして男は急にお腹がすいてきた。三日間何も食べていなかったことに気付くと友を誘い食事を共にする。

その男もまた怖れることなく前を見据えるだろう。
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