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南無煩悩大菩薩

今日是好日也

21世紀のタレント・スポッティング。

2015-04-17 | 古今北東西南の切抜
(切抜/Harvard Business Review 2015.5.日本語版より)

‘人材発掘の「最初の時代」は1000年続いた。

1000年の間、人間は肉体的特徴に基づいて選別された。ピラミッドを築き、運河を掘り、戦争し、穀物を収穫する。いずれの場合も可能な限り元気で健康で力持ちの人々を選んだ。

「第二の時代」は、人を選ぶのに知性と経験、そして過去の実績を重視する時代である。20世紀の大半の時代言語・分析・計算・理論の各方面で頭の回転の速さを測るIQ(知能指数)が当然ながら採用プロセス(とりわけホワイトカラー)で重視された。IQが不明の場合は学歴と筆記試験の成績が代用された。また多くの仕事は標準化され専門化され、多くの職種において、候補者がその仕事をこなせるかどうか、高い信頼度ではっきりと測れるようになった。

「第三の時代」の推進力となったのは、いまでもはびこる「コンピテンシー」主義である。その仕事に求められる役割でどれだけ優れた成果を発揮できるか予測するための具体的な特性とスキルによる評価の時代だ。この考えは時代に合っていた。というのも、技術革新および業界の垣根の消滅によって仕事内容の複雑さが増し、人材発掘において前職での経験と実績はそれほど当てにならなくなっていたからだ。そこで我々は仕事をコンピテンシーの各要素に分解し、適切な要素の組み合わせを持つ候補者を求めるようになった。またリーダー職に関してはIQよりもEQ(感情的知性)のほうを重視するようになり始めた。

そして現在、「第四の時代」が幕を開けようとしている。

この時代は「潜在能力」に着眼点を移さなければならない。激しく変動し、不確実で、複雑で、不明瞭な(各形容詞の頭字語VUCA-Volatile,Uncertain,Complex,Ambiguous-は軍事用語から転じてビジネス界の流行語となった)いまの環境において、コンピテンシーに頼った人材評価と人材登用は次第に不適切になりつつある。

ある人が今日は見事に特定の職務をこなせたとしても、その人に成功をもたらした要因は、明日になって競争環境が変わったり、会社の戦略が変更されたり、本人が管理または協力する社内のグループが変わったりしたら、もはや通用しなくなるかもしれない。

したがって問題となるのは、従業員やリーダー職が適切なスキルを持つかどうかではない。新しいスキルを学ぶ潜在能力があるかどうか、である。

-クラウディオ・フェルナンデス=アラオス-

コメント (2)
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