まわりで起こっていること

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象の霊

2009年07月26日 | あの世この世
以前、エレファントムというエントリーをした。

福岡伸一さんが、翻訳して、出版された。

実際には、高橋紀子さんという方との共訳なんだと思うんだけどね。

本を買うのが趣味なので、買ってしまいました。

という話なんだけど。

どうも、エレファントム、というのは、エレファント、象だね、それプラス、ファントム、亡霊とか霊とかを、足し合わせた造語みたいだ。

訳者は、幻の象、って、ルビをふっていたけどね。

こちらの好みでは、というか、直感的には、象の霊魂、とか、つらなる霊、とかだな。

ところで、よく見えない世界、なんていうけど。

人間て、一日に、4000万個の皮膚のかけらを、落としているんだってね。

垢、と言ったりするわけだけど。

それから、ビーグル犬などは、3億個の嗅覚細胞を持ってるのに対して、人間は、600万個なんだって。

だから、わたしは、なんの痕跡も残さずに、生きていると言っても、ビーグル犬からすれば、あちらこちらに、あんた、自分自身をふりまいてるよ。

ということになる。

著者のライアル・ワトソンは、ヨハネスブルグ動物園で、デライラという雌象と出会う。

仲良くなったころ、新入りがくる、ということで、隣の建物に移すことになった。

デライラは、嫌がった。

結局、移されたんだけど、その建物に入ったとき、緊張して、隅の一点を、見つめつづけた。

そして、そこへ、干草を積み重ねた。

その仕草が、わからなかったんだけど、古い世話係にきくと、20年前、そこで、重病の象が、獣医によって、射殺された、という。

デライラは、葬送の儀式を、干草で、執り行ったわけだ。

人間には、なんの痕跡もなく、みえないものが、デライラには、みえていた。

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