まわりで起こっていること

since2004.12「糠漬け初心者」

笑うぬか床

2009年07月21日 | 糠漬け
恒例の、日本経済新聞の日曜版。

ぬか床のごきげん、と題して、川上弘美という芥川賞作家が、書いていた。

四種類の機嫌がある、という。

笑うぬか床。

慇懃なぬか床。

怒るぬか床。

淋しがるぬか床。

実家を出たときに分ちもってきたぬか床は、5年で、死にたえてしまったらしい。

 世にも恐ろしい青黒い物象が表面を覆い、乳酸菌は死に絶え、

と、彼女は書く。

そのあとが、さすが、芥川賞作家。

 静まりかえった真夜中の沼のようになり果てる。

これ、ぼくも、にがりを大量にいれてしまったときの、あのぬか床を、思い出した。

静まりかえった、真夜中の沼、です。

四番目の淋しがるぬか床。

これ、あんまり、養生しすぎると、うんともすんとも、変化なし。

一見、元気そうなんだけど、漬かることは漬かるんだけど、なんだか、違う。

で、キャベツの芯を入れてみた。

次は、キャベツの外葉。

すると、においがよくなり、ぬかの明度が、よくなった。

ぬか床を、元気にさせるものは、ぬかや塩や空気といった仲間うちのものじゃないことに、気がついた、と。

きゅうり、なす、大根など、異質の野菜どもが混じりこんで、元気になる。

 『ぬか床は淋しく依怙地で心結ばれる場所から、脱出するのであった。

 破顔してくれるのであった。』

彼女の小説は、読んだことないんだけど。

暇なときに、一冊くらい、読んでみようかな、という気になった小文でした。



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