妻と娘との買い物の途次、バローさんの喫煙スペースで。
目の前を見たら、うどんのげんき、大将が。
忙しく動き回っていて、近づくと、黒板に。
表題の「かきしお」、テイクアウトできます、なんて書いてあって。
思わず、それ、一丁!ってなもんでして。
買い求め、晩酌のアテにしたのでした。
かきしお?
早い話が、牡蠣の塩辛なんだけどね。
これ、進化しているね、とこの間、お店でコメントしたら。
そりゃもう、大将、満面の笑顔で、かの御仁の食にかける情熱は。
見ているこちらが嬉しくなるくらいのもので、基本、あれだな。
すべからく。
商売の要諦を体現しているようなもので、そりゃ、鄙でも行列のできる店。
なわけだ。
ほんのつかの間、いい時間となった。
こうしてみると、日常の中、どこにでも転がっているんだよね。
そうだ、昨日の日経、読書欄、「日本史ひと模様」と言うコラム担当の。
このところ、売れっ子歴史家、本郷和人さんが。
木曽義仲のこと、書いていた。
木曽の山の中から都へ駆け上った、誰よりも秀でた武人。
ところが、都では、それなりの貴族の、王城の文化があったようで。
ある時、猫間中納言とか言う貴族が来訪、その御仁をもてなそうと。
「ぶえんのヒラタケ」を振る舞ったらしい。
ぶえん、つまり、塩のない、と言うことらしいんだけど、義仲。
都では、すべての食材が今で言えば、加工食品で、素材のうまさを味わう、なんてことがなかったので。
と言うような心持ちで、わが故郷の味、みたいな感じで振る舞ったら、その猫間なにがし。
こんなもの、食えるか、くらいの調子で帰っていった、と「平家物語」には書かれている、と言う。
なんてことが、一事が万事で、結果、都育ちの頼朝に討たれた、って次第。
だそうで。
なんとも哀しい物語、ってことなんだけど、本郷さん、視点が面白くて、そりゃ、人気なわけだ。
と一人、合点がいっていたのだけどね。
さて、昨日は「かきしお」、今日は、何をゲットするのか。