昔は、都内で桜と鉄道を写そうと思い、真っ先に思いつくのは東中野だった。ちょうど今の時期、テレビの桜開花予想を見ながら出かけたのは、青梅線沿線、地元私鉄京王井の頭線、そして今回掲載する中央線の東中野くらいか。
あの時代は、まだ鉄道写真撮影も、現状よりもはるかに世間での認知度は低く、電車にカメラを向けるなんて奇異に見られていた時代だった。アントンKも模型作りが目的だとは言え、最初は人前では多少のためらいは正直あったと思う。しかし模型よりも、純粋に写真の方へ傾倒していくと、記録に留まらない写真の奥深さに気づき、周りのことなど気にならなくなっていった。当時を思い出すと、被写体は出来るだけ大きく撮りたかったから、たとえ季節感漂う草花があろうとも、気にならなかったことも多い。しかし繰り返していくうちに、自分なりの個性を試したくなり、下手なりに独自の世界を探したものだった。その材料の一つが、季節感のある草花だったかもしれない。
そんな話題から、また大昔の画像を掲載しておく。国鉄時代には、新宿からも貨物列車が何本も設定されていて、日中でもよく沿線で遭遇したものだが、八王子区のEF13やEF15の他、EF64の運用も存在し、当時のアントンKはよく撮影の中心に置いていたのだ。運用までもう把握していないが、都内からそのまま高尾以西へ向かっていったのだろう。デッキ付き機関車にはない、通過する時の独特なブロア音が当時から好きだった。
1978-04-09 487ㇾ EF6414 中央本線:東中野-中野