アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

全てが新鮮に思えた「北の王者シロクニ」~C62 3

2021-10-29 19:00:00 | 鉄道写真(SL)

長年鉄道撮影を続けてきた中で、思い出深い撮影旅行や被写体、あるいはお気に入りのカットは、大分積み上がってきた。好きな車輛にカメラを向けて始まった鉄道撮影という分野だが、アントンK自身の趣向も年齢とともに変化して、車輛中心から後からその場面が蘇ってくるような味が染みた写真を目指すようになってきた。味が染みるとは、当時の自分の想いが立ち返ってくるような画像で、むろん自己満足、他人様に見て頂く事をしない画像のことだ。このブログで、自分の撮影した画像と向き合うことで、懐かしさとともに、自分自身の心境や想いも蘇ることを知り、今ではそれが日常の楽しみの一つになりつつある。前向きではない自分を反省しつつ、当時を振り返り悦に入っているのだ。

この画像にも思い出がたくさんある。民営化後、全国的に蒸気機関車が復活を遂げ、そして遂に北の大地北海道にC62が復活する。このニュースを聞いた時、流石に撮影してみたいと心が躍ったものだった。それもあの、函館山線だというのだから気持ちを抑えることは無理だった。掲載画像は渡道6回目の旅行で撮影したもの。いつものように朝方は室蘭本線でブルートレインを狙い、5列車「北斗星」のみ諦めて海側から山を越え、蒸機C62に集中する。この日は、朝から快晴でやる気マックスとなり、羊蹄山バックに撮影後、この場所蘭島ストレートへ向かった。列車に対して背後から射し込む夕日が美しく、終わりかけの紅葉も手伝って、最高の舞台だったことが思い出される。そんな場面にゆっくりファインダーに飛び込んできたC62 3ニセコ号。そこに現われたC62のスケールの大きさ、迫力は、まさにアントンKの五感を震わせた。黒い巨体にくっきり写し出たC62のナンバープレートが凛々しく無心でシャッターを切ったことが昨日のことのよう。現役蒸機を堪能した世代の方々からは、笑われてしまうかもしれないが、復活組の中では全てにおいて最高だったと今でも思っている。31年前の今日、山線の中に自分がいたと思うと、何だか涙が出てくる。

1990-10-29    9163ㇾ  C62ニセコ号     JR北海道/函館本線:蘭島-塩谷

 


ブルトレ撮影のための無謀な挑戦~EF58

2021-10-28 19:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)

この写真を見ると思い出す・・・

当時、憧れの撮影名所だった根府川駅の至近距離にある白糸川橋梁。ここで上り夜行列車の撮影をしたかった。それも急行「銀河」から始まるブルトレ・タイム第2弾ではなく、朝5時過ぎから開始される第1弾の方をこの鉄橋で仕留めたかったのだ。始発で自宅を出ても、普通列車を乗り継いで根府川にはギリギリ急行「銀河」の間に合うタイミングだったと思う。当時ブルトレはまだEF65P型の時代で、ゴハチも上下列車ともバンバン来ていたし、このパターンは何度となく実行していた。しかし夏の時期なら、ここで特急「いなば・紀伊」から撮影可能ということが判り、何としても撮影してみたかった。今なら、未明に自家用車で出発すれば難なくこなせる案件だろうが、当時は学生の分際でもあり、もちろん車の免許など考えもしない未知の世界だったのだ。で、当時の浅知恵で考えついたのが、前日から駅で泊まり込むという作戦だった。鉄仲間と二人、どうせなら夕方の下りブルトレまで頂こうとなり、結局その前に下る荷35列車から橋の向こう側のミカン山に陣取って撮影を楽しむことになった。

いくら夏至の時期とはいえ、19時を回ると撮影は困難となり、改札を入ってホームにある待合室で長い夜を明かすことになったのだった。友人の持ってきたポケットラジオから流れていたナイター中継が、なぜか懐かしく思い出される。そんな放送も終わり、夜も更けてくると、今度は引っ切り無しに通過する貨物列車の騒音と振動が、我が身を襲うのだった。こうして何とかふらふらになりながら夜明けを迎え、念願の朝5時から鉄橋のたもとでカメラを構えることができたのだった。しかし残された画像は、露出が足りずなかなか厳しい状況であり、掲載出来ないことが悔やまれる。

掲載画像は、東京を5時台に発車してきた下り列車の宗教臨。この8343列車は、逆に都内では時間が早過ぎて撮りづらい列車だったと記憶している。「いなば・紀伊」「出雲」「瀬戸」「あさかぜ」と撮影した後、下ってきた列車だった。相模灘に朝日が輝き、気だるい朝に活を入れられたように感じたことを今でもはっきり思い出せるのだ。こんな苦行に付き合ってくれた友人は今どうしているだろう?何十年も会っていないが、この画像を観るといつも思い出している。

1976-07-05          8343ㇾ       EF58129  12系客車     東海道本線:根府川にて

 


信越線を走るEF65F型電機

2021-10-26 17:00:00 | 鉄道写真(EL)

日に日に秋も深まり、最近ではこんなにも夕暮れが早いものかと思うようになってきた。朝晩と日中との気温の差にも注意が必要で、昼間暖かいからと言って、着るもので調節しないとえらい事になる。日没が早まるとアントンKの場合は、音楽鑑賞の時間が増えてくる。普段テレビを見ない分、その時間が鑑賞時間に割り当てられる。演奏会にも出向き、一時でも集中できる時間が貴重であり、心の栄養として健全な生活を持続できているように思えてならないのだ。最近ではCD購入も減少し、実演の方に音楽鑑賞もシフトしているが、それでもCDを購入して未聴のものも増えつつある。世の中、少し出歩きやすくなったのならなお更だ。以前にかなり整理してしまったCDやDVDだが、データ化しながら、今後このブログでも書き留めていきたいと思っている。

信越線がまだ全通していた時代、あの碓氷峠にも貨物列車が行き来していた。もちろんけん引機はEF62と決まっていたが、碓氷を越えない貨物列車の設定はあったのだろうか。民営化後、10年して信越線は横川で寸断されてしまったが、安中まで入っていた貨物列車は走っていた。そして今でもEH500が入線を果たしている。今回は、そんな安中までをのんびり走っていたEF65F型がけん引する貨物列車の画像を掲載。おそらく高崎区に集中配置されていた時代だと思われ、当時のアントンKは、信越線にEF65は不釣り合いと思って撮影していたことが思い出される。信越線だとわかるように、遠く浅間の頂きを画面に入れて撮っているようだ。

1991-11-12      490ㇾ   EF65 532                                   JR東日本/信越本線:安中-群馬総社


懐かしい電車たちとのひと時~長電3500形(元営団地下鉄3000形)

2021-10-23 18:00:00 | 旅行

前日は最高気温が30℃に届かんとするくらい気温が上がり、ここは長野か?と思えるほどの天気に恵まれた。

しかし翌日は予報通り、未明から雨になり、朝は気温が一気に10℃以下まで下がる。山では初雪が降っているとか・・最近の天気の乱高下にはほとほと参ってしまう。近年は異常ともいえる気象が各地で継続しているが、やはりこれも温暖化の影響なのだろうか。ますます日本の四季を肌で感じることが気薄になってくる。本当に心配だ。

いつも本やビデオでしか見ていない懐かしの電車を見せようと、愛孫とともに長野まで行ってきた。住まいが東急沿線ということから、どうしても毎日見ている身近な東急線に愛着を感じているのは、アントンKも同じこと。大好きな機関車は、せいぜい週一が精一杯で、少々敷居が高いのだ。今回孫のお目当ての8500形が、間近で確実に見られる場所として須坂を選んだが、ホームから至近距離で何本もの8500形が見られ、孫の眼差しは真剣そのものだったことが印象深い。「なぜ、田園都市線からいなくなるのか?」という質問に対しての一つの答えとして、地方に来てこうやってまた元気に走っている姿を見せたかったのだ。編成は随分と短く乗車こそしなかったが、間近で到着から発車までを眺めて満足した様子。またまた電車好きにさせてしまった。

アントンKが思い入れ深い、長電3500形に手を振る愛孫に、ファインダー越しに感動してしまった時の画像を添えておく。

2021-10          長野電鉄:須坂駅にて

 


金色の東北路への憧れ~ED77

2021-10-21 19:00:00 | 国鉄時代(カラー)

今週から東京でも一気に気温が下がり、秋が深まってきた。朝晩こそ肌寒く感じるようになるが、日中では過ごしやすく何するのにも良い季節となった。アントンKにとっても一番好きな季節の到来となり、あれこれ出歩きたくなる気持ちがふつふつと湧いてきている。ここへきて今年は感染症も今は沈静化しているからなお更だ。

ここでは、秋になると良く足を向けていた磐越西線の画像を掲載しておく。この線区の話題は以前にも記述しているから、詳しく書かないでおくが、今から思うと、まだED77が存命だった頃をピークに、その後のD51の蒸機運転に繋がり、さらには今の磐越ものがたり号へと気持ちが引き継がれていった思い出深い線区となった。春夏秋冬、磐西は何処を切り取っても美しい線区だと今でも思っている。今年も新たなシーンを探しに線路端へと向かいたい。

斜光線が美しい中山峠を重連で降りるED77重連運転の貨物列車。今ならこういう撮り方はしないだろうが、金色に染まった背景から姿を現わしたED77の赤は、とても素敵に感じた。

1985-11-04      ED77 14     磐越西線:中山宿-磐梯熱海