アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

J.レヴァインの訃報を受けて

2021-03-20 19:00:00 | 日記

近年あまり名前を聞く機会がなかった、アメリカの指揮者ジェームス・レヴァイン氏が亡くなった(享年77歳)。

生前何度かの来日も果たしているが、オペラ中心のプログラムに活躍し、オーケストラコンサートの指揮はほとんど無かったためか、生演奏に触れる機会は逸してしまっている。オペラ上演の合間に、もしかしたら管弦楽曲の指揮や室内楽でピアノも披露している演奏会があったかもしれないが、詳細は忘れてしまった。

アントンKが、指揮者ジェームス・レヴァインの名前を知ったのは、1970年代まで遡る。この時代、ブルックナーとともに聴いていた楽曲にマーラーがあり、新譜でマーラーの第6交響曲が発売され、その指揮者がレヴァインだった。当時はむろんLP2枚組のレコードで、それを繰り返し聴いていた思い出が昨日のことのようだ。あの時代のマーラー指揮者は、神のような存在だったバーンスタインが君臨していて、ニューヨーク・フィルを振った全集から通して鑑賞していたが、レヴァインのメリハリの利いた解釈と、明るくハツラツとしたストレートなオケの音色に一度に釘付けになった。容赦ない打楽器群の主張は、それまでのバーンスタインには無かったし、とても新鮮だったのだ。第6は、その他にもショルティやテンシュテット、バルビローリなど合わせて聴いていたはずだが、一時的に集中してレヴァイン盤を聴き込んだ思い出がある。CD時代になっても、マーラーのレヴァイン盤は、LP盤から買い直して、第1・第3・第4・第5・第6・第7・第9は今でも持っている。今となっては、録音が古く不明瞭に聴こえる物もあるが、アントンKの大切なライブラリーになっているのだ。

こんな世の中になり、世界中で大オーケストラの演奏など自粛傾向だろう。マーラーを始め、ブルックナーやR.シュトラウスなどのプログラムが減る中、こうしたお気に入りの指揮者が他界してしまうことは大変悲しい。再びマーラーの演奏会に、気兼ねなく出向けられる日が来ることを願いたい。