アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

国鉄特急カラーの消滅

2018-04-29 18:00:00 | 国鉄時代(カラー)

大型連休を前にして、ついに国鉄特急カラーが消滅との知らせが届いた。それは以前にも記事にしたことのある豊田区にいた189系(M52)が引退したことによる。よくぞここまで生き延びてきたというのが率直な感想だが、編成が短くなり、週末にだけ細々と動いていた姿からは、往年の輝かしい光景はとてもダブらない。しかし電車の形式を問わず親しんだこの特急色の消滅は、いささかショックが大きい。583系の新幹線を思わせる外観色とは違い、全国で見られた赤とクリームの配色は、日本国全ての国土に、どの季節をも問わずマッチしていて素晴らしいと思ってきたもの。とても残念だ。また一つ鉄道史のページが変わってしまった。

掲載写真は、最後まで残ったのが189系ということで、碓氷を越える189系「あさま」の正調編成を載せておく。本来189系は、ここ碓氷峠をロクサンとの協調で登るための電車だった。

1991-05-05    信越本線:軽井沢(矢ケ崎)付近

こちらは、1982年11月ダイヤ改正目前の上野駅。我々はこの改正(57-11)ほど衝撃を受けたダイヤ改正を経験していないだろう。多くの特急色を纏った特急が消えていった改正だった。

1982-11-14    1025M   ひばり   Tc481       上野駅


コーガンによるロシアプロの全貌

2018-04-28 18:00:00 | 音楽/芸術

新日本フィルの定演トパーズへ向かうためトリフォニーへと急ぐ。都内は大型連休を前にどことなく休みに向かった空気を感じることができたが、アントンKも長い休みに入る前に今一度集中力を高めようと気合が入っていた。演奏会は、人それぞれ何を求めるのかで心持がまるで違うもの。アントンKは、指揮者の音楽解釈を主に耳を傾けているが、自分が好きな楽曲、経験の多い楽曲であればあるほど、一つの理想形が出来上がっていて、今まではそれとの比較に終始してしまっていた。しかし年齢を重ね、それなりに演奏会に通った体験から、最近では過去に固執することなく、新たな発見を求めて、それを楽しみに通っている。

今回は、パヴェル・コーガン指揮するロシア作品が並ぶプログラム。前半は小品が3曲あり、後半が展覧会の絵という内容だった。総じてどの楽曲も演奏は、大幅な起伏を伴った豪快なものであり、まず受ける印象は、いつも聴いている新日本フィルなのかと疑ってしまうくらいな響きの世界であったこと。もちろんそれは、音楽監督の上岡敏之氏との音楽作りの差によるものだが、ロシア出身のコーガンならでわの音色作りでオケを絶叫させクライマックスを築き上げていた。絶叫といっても下品にはならず、分厚い金管群や弦楽器群の音圧はすさまじいものだった。同じ新日本フィルでこんな演奏を聴くと、上岡氏のチャイコフスキーやプロコフィエフなど、大人しく感じてしまうから不思議なものだが、そもそも音楽作りが初めから相違しているだろうから比較しても意味がない。絵画に例えるのなら、上岡氏は響き重視の水彩画だろうし、今回のコーガンは、各声部を塗り重ねていく油絵と言えるだろう。低音から高音までしっかり鳴らし、野太い重戦車のような響きはまさにロシアの音であり、昔聴いたレニングラード・フィルのいぶし銀の音色を思い出していた。

今回、新日本フィルの定演での鑑賞だが、これほどオーケストラの音色の変化を感じた演奏会は珍しい。いつもの上岡色の強いオケの響きに自分が慣れ親しんだ証拠のようなものだろうが、指揮者の相違ここまで変化を感じたことは稀で、プロオケとは言え、オケのメンバーの懐の広さ、音楽性の高さを改めて味わった。これには、コンマスの崔文珠氏のロシアで鍛えられた思想が反映された結果なのだろう。指揮者の言いたいことをオーケストラ全体に散りばめるだけに留まらない崔文珠氏の采配にはただただ脱帽である。

新日本フィルハーモニー交響楽団 第588回 定期演奏会 トパーズ

ボロディン 歌劇「イーゴリ公より」だったん人の踊り

グラズノフ 演奏会用ワルツ第1番 二長調 OP47

チャイコフスキー  スラブ行進曲 変ロ短調 OP31

ムソルグスキー(ラヴェル編曲) 組曲「展覧会の絵」

指揮  パヴェル・コーガン

コンマス 崔 文珠

2018-04-27  すみだトリフォニーホール


リバイバル「つばめ」

2018-04-25 17:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)

国鉄時代もいよいよ終盤に差し掛かった80年代は、東海道本線にリバイバル特急が限定で走ったことがあった。新幹線の開通前を想定し、当時の特急列車を偲ぶ企画だったのだろう。「つばめ」「はと」「平和」など、東海道線を行き来した往年の特急が甦った訳である。言ってみれば、これがイベント列車の走りとなったのかもしれないが、今にして思えば、かなり大胆な企画列車だったように思う。中間車にオシ14を組み込んだ14客車13両編成(?)は、それなりにインパクトがあったが、その後88年には、かのオリエントエクスプレスが日本中を駆け巡った訳だから、このリバイバル列車のこともアントンKの中ではかすんでしまっていた。

掲載写真は、運転2年目の82年の夏に運転されたリバイバル「つばめ」号。当日は、一日中雨模様となり、撮影するにはかなり厳しい状況だったことを思い出す。バケペン手持ち1台で、列車に動きを合わせて撮影したが、ろくな結果は残せていない。ただロクイチに蒼いつばめマークは似合っていて、嬉しかったことが今でも懐かしい。

1982-07-25    9002ㇾ  EF5861 東海道本線:保土ヶ谷付近にて


EF58~美しきサイドビュー

2018-04-24 16:00:00 | 国鉄時代(カラー)

通称根府川鉄橋をいくEF58サイドビュー

EF58というと前面形態にこだわってしまいがちだが、側面から見た姿も綺麗で美しかった。れっきとした旧型電機に分類されるが、流線形に伸び、運転席に向かって裾がつぼまっていくスタイルは現代においてもカッコいいデザインだと思う。いわゆる個性が極まっており、写真にした時、ゴハチにだけしか味わえない情景が生まれるのだ。

掲載写真は、そんな想いでゴハチのサイドをシルエットにして狙ったシーン。来宮までのお座敷列車が頻繁に走った時期があり、東京区持ちの運用であったためか、たえず虎の子EF5861が充当されたことがあった。朝焼けの相模灘をバックに横切るロクイチのサイドビューは、まさしく神々しく見えた。

1983-10-29    回9821ㇾ  EF5861   シナ座   東海道本線:根府川付近


EF58重連のイベント列車

2018-04-23 19:00:00 | 鉄道写真(EL)

撮影地つながりで今回はEF58のイベント列車を掲載。

夏休みも終わりに近づき、まだ残暑厳しい頃に走ったEF5861とEF5889の茶色ペアの重連による団体列車。一見ゴハチ重連、それも茶ガマとくればマニアは喜びそうだが、この手の列車は、客寄せの目的で企画された作られた列車だから重連も必然性がなく、かつてここであったEF16達による重連総括運転に比較すれば、だいぶグレードは落ちる。

それでも撮影から30年以上の歳月が経ち、あらためて画像を見ると忘れていた思いが甦ってくるから不思議なものだ。

1987-08-27   9734ㇾ  EF5889+61   JR東日本/上越線:越後中里付近