今でこそ鉄道撮影に自動車はセットで考えることが多くなったが、まだ自動車免許も持たない若き時代は、全て鉄道利用が当たり前、バス、タクシーも乗らず、ひたすら重いカメラバック(銀箱と呼んでいた)を担いで撮影ポイントで歩いたもの。こう思うと、何て今は体たらくなのかと感じるが、現代を生きる鉄チャンスタイルは、さっと車で乗り付けて、目的の列車をパチッとしたら、すぐに居なくなるスタイル。あるいは、目的の列車のみに固執して、今撮影した列車を自動車でさらに追いかけるようだ。
アントンKも、こんな撮影ももちろんこんな撮影スタイルを実行したことはあるが、本来自分が考える鉄道撮影の在り方からは、外れてしまっているといつも感じてしまうのだ。コマ単価という考え方があるそうで、目的画像にいくら費用を費やしたかと考えるらしい。確かに少しでも安価で旅行したいと思うのは、昔も今も同じだが、費用と時間をかけることで、新たな感動や発見が生まれると思うのだが、そんな考えは現代には通用しないのか、少し切なく感じてしまう。たまには、効率の悪いことでも進んで実行してみることも、あっていい。そう思うのである。
アントンKが若き時代、福島から板谷峠を越えるため奥羽線の普通列車に乗車。赤岩ー峠ー大沢と全てスイッチバックで駅に入る。一つ一つ進むことに時間がかかるが、まさにこの時間が、この場所での日常であり、時の流れがゆっくりに感じる。その輝かしい時間を持てたことが懐かしくもあり誇りでもある。
1980-03-24 427ㇾ EF71 9+ED7811 奥羽本線:関根にて
急行「大雪」に乗って早朝の網走駅へ到着。自分の乗車した編成には、憧れの客車「オロハネ10」が組成されていて感動。しばしの旅情を楽しんだ。
1978-08-25 517ㇾ 急行「大雪」 網走にて