アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

EF66の今後を占う・・・

2020-01-31 12:00:00 | 鉄道写真(EL)

明日から早2月、春のダイヤ改正も徐々に迫ってきた。以前の記事にもダイヤ改正は話題にしているが、華やかな電車に比べて、機関車はというと、あまり明るい噂は聞こえて来ず、反比例していると思わざるを得ない状況が寂しいところだ。

車齢から考えると、国鉄型機関車であるEF65、EF66、DD51、DE10あたりに動きがあると考えやすいが、今回の改正でどう変化するのかが注目に値するだろう。現在稼働しているEF66について、今や絶大なる人気を誇る27号機は、動いているだけで奇跡的な事象の範疇となってきた。すでに誕生してから47年という歳月の経過に驚くばかり。いつパンタを下ろしてもおかしくはない状況を再確認できる。また厳密にはJR時代の電機になるEF66100番台に至っても、三十路を過ぎる機体が現実にあり、これまた予断を許さないはず。実際に稼働していない機体がちらほら現れているらしい。機関車ファンには、人気が今一つな100番台、通称サメだが、静かに数を減らしていくことだろう。現代の新鋭機EF210も、これらEF66に代わって活躍の幅を広げてくるだろうが、更新による外観にバリエーションが増えてきて、ファンの間では密かな人気があると聞いている。喜ばしいことだ。

話題にしたEF66から1枚。アントンKにとって、EF66というとフレートライナーの先頭で驀進するイメージが強い。特急貨物機として誕生し、日本の物流の担い手として活躍している代表的な電機の1台だろう。意外にもブルートレインけん引という大役を果たし、それも歴代で一番長期にわたって務めたことは、それだけ安定した性能があり、信頼ある電機という証だろうか。掲載画像は、速達便特急貨物列車として登場した「スーパーライナー」。EF66が最もそれらしい姿を見せる列車だったと思っている。EF6628号機が、誇らしげに専用マークを掲げて東上してきたシーン。いまだ現役の27号機とは、1番違い。ニーナがいかに長命かが理解できるはずだ。

1988-06-05 52ㇾ  EF6628 スーパーライナー JR東日本/東海道本線:根府川付近


磐越西線に進出したED75

2020-01-30 20:00:00 | 鉄道写真(EL)

この冬は、毎年の暖冬の中でもとりわけ異常気象を体感している。このところの関東の暖かさは1月としては経験がない。上着も付けず半袖シャツで走り回る少年を目撃できた。近所の白梅は満開となり良い香りがしてくる。日差しは暖かいというよりは、すでに暑いくらい強く感じた。スキー場には雪が無くスキーヤーも激減と聞く。このまま春になるとは考えにくいが、それにしても今の時代何事も極端に偏るのはどうしてなのか。温暖化と片付けてしまう前に、やはり日本人に生まれた以上、日本の四季を肌で体感したいものだ。これからは、いよいよ花の季節。いやその前に真冬の澄んだ空気を味わいたい。久しぶりに雪景色を見たくなった今日この頃・・

亜幹線用に開発されたED77が引退となり、その後は分け隔てなくED75が入線した磐越西線。客車列車時代ではないが、数往復の貨物列車と臨時列車は、何年かED75が活躍していた。ED77時代には、よく出向いていた磐越西線だが、ED75が入線することには違和感を感じ積極的にはなれなかった。ナナゴ自体は好きな機関車だが、国鉄時代の約束が破られてしまうように感じていたのかもしれない。まあ、それも遠い思い出に代わり、こうして残された画像を綴っている。

掲載写真は、朝の専用貨物列車を牽くED75重連。山深い中山峠には、まだ朝日が列車には射さず、背後が明るくなっていっそう空気がピンと張りつめた雰囲気を醸し出した。スイッチバックの中山宿まであと少し。重連のナナゴは全力で駆け上る。

1995-02-04    5295ㇾ  ED7595+140       JR東日本/磐越西線:中山宿付近

 


ゴハチの荷物列車晩年の雄姿から・・

2020-01-29 20:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)

博物館で見たEF58150号機の現役時代を探してみた。

関東在住のアントンKにとっては、宮原区のEF58は、当時ある意味憧れの機関車だったことには違いない。人気の高かった53号機や47号機は大窓機でありスター的存在だったが、150号機を始めとする原型小窓機も多数所属されていて、上京してくるゴハチにはいつも熱い視線を送っていたことを思い出している。肝心な時に48号機や56号機といったク〇ガマを食らったことも多々あるが、こんな些細なことも良い思い出に代わっている。

掲載写真は、いよいよEF58が山から下りてくるEF62にバトンを渡す直前の時期に撮影した荷物列車。ちょうど機関車置き換え準備の最中で下関区に集中配置された時期かも思われる。パレット式客車が多いのは晩年の荷物列車の証。見違えるほど綺麗にお化粧した博物館のゴハチからは、あの頃は想像も出来ないが、これからいつでも会えることを思えば、喜ばしいことなのかもしれない。

1984-01-28 荷2033ㇾ  EF58150   東海道本線:早川付近


失われた記憶の中から~京都鉄博にて

2020-01-28 20:00:00 | 鉄道写真(EL)

現役時代には、あり得ないくらい綺麗になったEF58とご対面。150号機とは、まさに宮原生え抜きのカマだろうか。このブルーのゴハチを前にすると、不思議と忘れかけていたシーンが目に浮かんでくる。ある意味、61号機よりもゴハチらしいEF58と言えるかもしれない。北のゴハチには無い美しさを放ち、スマートで華麗に走行する姿に魅了された当時の数々のシーンを思い出す。国鉄末期には茶色一色になったが、やはりこの色の方がしっくり来る。隣りに鎮座しているのは、トワイライト色を纏ったEF81だったから、ちょっと時系列を考えると妙なことになるが、このトワ色のパーイチも、今やJR西を代表する機関車の一台なのだから、細かい事には目をつむるべき。素直に楽しむべきなのだ。

今にも動き出しそうなカマを見て多々妄想が膨らむ。風光明媚な瀬戸内を往くブルーのゴハチが見てみたくなった。

2020-01 京都鉄道博物館にて


崔 文洙氏の「英雄の生涯」

2020-01-26 19:00:00 | 音楽/芸術

昔からクラシック音楽は大好きで、若い頃は時間さえ出来れば、レコードを掛けまくっていたアントンKだが、今ではそれもなかなか叶わず、音楽への向き合い方も随分と変わってしまった。しかしそんな状態ではあるが、何十年も前から好きで、今も好きで密かに大事にしている楽曲がいくつかある。その中の一つが、今回大阪まで聴きに行ってきたR.シュトラウスの「英雄の生涯」という交響詩なのだ。

この「英雄の生涯」にも、一時はハマりまくり、海賊盤まで含めて何十ものCDを買いあさり、徹底的に聴いていた時代がある。同じR.シュトラウスには、アルプス交響曲という楽曲があり、それとペアでいつも鳴らしていたが、どちらも独特の世界観があり今にして思えば一種の中毒症状だったのかもしれない。今ではその中毒症状も緩和されたが、聴き込めば聴き込むほどに奥が深く面白く、病みつきになるのは変わらない。今回の指揮者大植英次氏のアルペンを、何年か前に同じ大阪フィルで聴いた時の印象がとてもよく、いずれ機会を見つけて「英雄の生涯」も聴きたいと思い続けていた。ただ今回大阪まで聴きに行く最大の目的は、大阪フィルのソロ・コンサートマスターである崔文洙氏の「英雄の生涯」をどうしても聴きたかったからなのだ。コンマスが楽曲全体に渡ってソロで活躍する「英雄の生涯」を、是非とも崔氏のヴァイオリンで聴きたいと懇願していたことに他ならないのである。

ご本人曰く、「コンマスにとって特別な楽曲」と言わしめた「英雄の生涯」だが、やはりそれを裏付けるような、とてつもない感動的な演奏だった。それは過去に数回の実演体験や何百回と聴きまくった数知れない録音とは比較にならず、圧倒的に精神性の高い旋律が身体中を巡り、どこかへ連れて行かれるような錯覚を覚えた。最も活躍する第三曲「英雄の伴侶」では、まるで言葉を交わしているような旋律で、時にヒステリックになったかと思えば、優しく愛撫する音色に感じられ、アントンKの想像を遥かに超えていった。だが今回の演奏で最も印象的だったのは、第七曲「英雄の引退と成就」だった。作曲者自身を「英雄」とし、自らの生き様を音楽にしたこの楽曲で、人生のはかなさを語っているようなこの部分、安堵と安らぎを感じ取れるが、ここでのコンマス崔氏の枯れた切ない想いの表現は絶品であり、さすがのアントンKもわが身とダブってしまい感涙してしまった。旋律が上へ上へと高みを目指す部分は一生の宝となった。崔氏の演奏ではいつもそう感じるが、音色が深く濃く、思い入れの桁が半端ない。そう響かせるためなのか、フレーズの間を大切にしているように思えてならないのである。こんな色合いは、どんなに優秀な録音でも感じられず、目の前で生まれて、すぐに消えていく音楽芸術の醍醐味がここにあったのだ。

指揮者大植英次氏も、期待通りの演奏解釈で楽しめたが、コンマスの崔氏をはじめ、他の弦楽器群の健闘、もちろん管楽器の奮闘ぶりはさすが大フィルと讃えたいし、数日前のブルックナーの時に聴いた音色とはまた一味違い、その好調ぶりを目の当たりにした思いだ。

大植 英次x「英雄の生涯」

指揮者 大植 英次

大阪フィルハーモニー交響楽団

コンマス 崔 文洙

ベートーヴェン 交響曲第7番 イ長調 OP92

R.シュトラウス 交響詩「英雄の生涯」 OP40

2020年1月25日 大阪 ザ・シンフォニーホール