アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

C6120 復活の頃

2014-03-30 17:00:00 | 鉄道写真(SL)

C61が復活して今年で丸3年を迎える。JR東日本では高崎のD51、そして新潟のC57に次いで3番目の復活蒸気機関車。もっともこれに秩父鉄道のC58や、真岡鉄道のC11・C12を加えると6番目ということになるのか。さらに今年からは、盛岡にC58が配属されて益々活況を呈している。大変喜ばしく思っているが、その一方で、これらSLに牽引させる客車にも、我々ファン心理を突く魅力的なものを復活させてほしい。今年から釜石線での運転時には、専用のPCではなく、DC(気動車)があてがわれた。実物では、元50系客車からの改造DCということもあり、幸いあまり違和感がないように思ったが、ひとつ間違えれば、遊園地のおとぎ列車に成りかねない。機関車は、現役当時を再現と大変こだわっているようだから、ひとつお客様の乗車する客車にも「こだわり」を持って取り組んでほしい。

写真は、復活の年に撮影したC6120の「C61復活号」。「ゆうづる」を彷彿とさせるHMを掲げ、大きな機関車が復活したものだと興奮したもの。しかし冷静に見るとやはり王者C62との差は歴然としている。

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2011(H23)-06-11  9738レ  C6120      JR東日本/上越線:八木原


愛聴盤「展覧会の絵」

2014-03-28 20:00:00 | 音楽/芸術

この曲の原曲がピアノ曲であることを知ったのは、少しあとからだった・・・

アントンKが、初めて渋谷の道玄坂にある日本楽器でレコードを買った思い出の楽曲。もちろんLPレコード、中学生の頃だ。同級生から勧められて聴いた思い出が甦る。TPのソロの軽快なメロディが心地よく、色々な場面を経て、終曲のあの巨大な「キエフの大門」の到達した時の何とも言えない充実感を今でも忘れてはいない。管弦楽曲に編曲されたものには、いくつかの種類があるが、やはり一番ポピュラーなラベル版を取りたい。今もってこのオーケストレーションは、原曲を聴くとなおさら素晴らしいものがあると感じる。

さて、どの演奏がお好みか?かつては、30~40種類のLPレコードを持っていたが、今では全てCDに置き換えて一部を除きほとんど処分してしまった。こんな中、今も思い出に残る愛聴盤は・・・

カルロ・マリア・ジュリーニ指揮シカゴ交響楽団

をとりたい。オーソドックスな内容だが、曲の本質を明確に示したような演奏とでもいうか、初心者にはお勧めな演奏と言える。何しろ、オケがあのシカゴ響だ。どの声部も完璧にトーンが揃い鳴り切っている。しかも、ジュリーニだから、力づくではなく、丁寧で、そしてスケールが大きい。録音も当時としてはかなり良い方ではないか(76年)。

そして、その後少し経ってから、度肝を抜かれた演奏はというと・・・

セルジュ・チェリビダッケ指揮 ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団

今でこそ、何種類かのCDが発売されているようだが、最初の衝撃は、80年前後の当時のNHK-FMのライブ放送まで遡る。ちょうど夏休みの期間中、海外から送られてくる放送音源をFMで放送する番組があった。気に入った楽曲はよくエアチェックをして楽しんだもの。特に、金子建志氏の解説は、大変わかりやすく、面白くて楽しみにしていた。チェリにかかると、この曲がこうも違って聴こえるのかというお手本のような演奏であり、先ほど言った出だしのTPそのものの音色からして今までと全く違っていることに、まずは驚くのである。いくつかのプロムナードを経て、ビドロという牛車を表現した楽曲では、まさに牛が牽くような場面が想像でき、その表現力の濃さに圧倒される。そして何といっても終曲に向かって高揚する様は、まだチェリビダッケをよく知らなかったアントンKにとっては、まだ味わったことにない衝撃だったように思う。あの時以来、ますますチェリに興味をもっていくことになる訳で、そのきっかけとも言える出来事だった。もちろん、当時録音したものも残っているが、今では、簡単にCDで聴けるので、演奏日は違っているものの愛聴盤になっている。

 


小泉和裕のブルックナー演奏

2014-03-25 21:00:00 | 音楽/芸術

都響の定期を聴いてきた。

偶然のことだが、最近は都響を聴く機会が多くなった。あの生涯語り続けることができるマーラーの第8を聴いたのも今月のこと。そしてオケも今晩と同じ都響なのだ。まだ興奮冷めやらん状況で、またホールに足を向けられることに感謝したい。

さて今晩の指揮者は、これまた都響には縁の深い小泉和裕氏。彼の演奏は、過去に数回接する機会を持ったが、今思い返しても、差し詰めどうこう思い出す内容は残っていない。つまり良くも悪くも感じない、最もアントンKが恐れる無難な演奏ということになるのか。まあ聴いてから随分時間も経っているから、良い方向へ変わっていることに期待しつつ、本当に久しぶりになってしまった上野の文化会館へ。一度改装工事か何かで使えない時期があり、リニューアルしてから数回来たはずだが、それでも何年も経ってしまった感がある。改札を出て、そのまま上野の森の入口にあるホールへ向かう雰囲気は昔と変わらず好きな空間だ。かつては、オケを聴くと言えば、必ずこの文化会館であり、36年前初めて朝比奈隆の洗礼を受けたのもこの大ホールだった。他にホールがなかった時代だから仕方がないが、飽和状態になった現在でも、この文化会館は特別な存在、好きなホールである。

今日は、前半がベートーヴェンの第1番。そして後半がブルックナーの第1番と、どちらも第1交響曲で合わせたプログラム。こういったそれぞれの作曲家の初期ものを並べたプログラムは珍しいのではないか。あまり経験がない気がしている。前半のベートーヴェンの第1番は、いわゆる基本を押さえたオーソドックスな内容。フルオーケストラで豪快に鳴らすわけではなく、あくまでもモーツァルトに通じる、どちらかというと、小編成での演奏であった。1mov.では、序奏部はたっぷり目にオケを鳴らし、主部からは快適に飛ばして心地よい。各声部も特に飛びぬけたところがなく安定しており、安心して聴くことができた。続く2~4mov.についても、解釈は同じようで第1番のお手本的演奏のように思う。何か面白く聞かそうとか、自己主張しようといった雰囲気はまるでなかった。アントンKとしては、やはりここが不満と言えば不満に感じるが、この譜面に忠実な演奏ほど逆に解釈としては難しいことなのかもしれない。

で、次は後半のブルックナーの第1番。ベートーヴェンと同じく譜面に忠実な演奏、誠実でまじめな演奏とでも言えるだろうか。奇てを狙わずあくまでのオーソドックスな解釈であったように思う。どちらかというと、スケールは小さくこじんまりまとまっているが、それがまた各声部が互いによく響き心地よかった。それにしても、今日の都響も、演奏自体は素晴らしく、特に弦楽器群、Vn~Vcまでの、ブルックナー特有の刻みが綺麗に揃っていて実に気分が良い。これは、指揮者小泉氏の支持なのかわからないところだが、全体を通して一貫していたので素晴らしく思った。ブルックナーの初期の交響曲は、洗練に欠け無骨な構成で、ゴツゴツした印象を持つ訳だが、特にこの第1では、後期交響曲には見られないような劇的な部分があり、今日の都響の弦楽器群の刻みの主張がマッチしていて印象に残った。またスケルツォのトリオ部は、主部から一転、グッとテンポを落とし、何とも素朴な田舎の音楽が広がり和ませる。この部分のVlaのBの何とも柔らかい音のこと!ここでこの種の音は今まで耳にしたことは無い。たったスコア2ページのことだが、この日の演奏の白眉といっても過言ではない。総じて今回の演奏会、重厚な大きなブルックナーを好むアントンKとしては、もう一歩の解釈であったことは確かなのだが、先日のマーラーといい、そしてこのブルックナーといい、オーケストラ、東京都交響楽団の躍進振りには目を見張るものがあると再認識させられた。

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東京都交響楽団第767回 定期演奏会

ベートーヴェン 交響曲第1番 ハ長調 OP21

ブルックナー 交響曲第1番 ハ短調

指揮 小泉和裕 

東京上野 文化会館 大ホール


東海道を行くEF641000番代

2014-03-23 21:00:00 | 鉄道写真(EL)

関東では、この三連休は良い天気に恵まれ撮影日和が続いた。春のお彼岸ということ、また年度末に当たることもあり、中々時間が思うように取れない中、この日和に誘われて東海道線へ出向いてきた。

この春のダイヤ改正で生まれた、東海道線を日中堂々と下るEF64を撮影するためである。今や、貨物機のロクヨンは、長野や新潟にはいない。少し前から、稲沢改め「愛知」区へ集中配置されている。愛知区は、東海道沿線にあるから、中京地区では、東海道線の日中走行は日常であったろう。もっともあくまでも、中央西線へと向かう列車が見られるだけで、後は、変運用で見ることができていた。しかしこの度、関東での仕業を終え愛知区へ帰区する際、午後東海道線を下る貨物列車のスジに充当された。(逆に上り列車は今まで通り深夜帯の列車に充当)

当然のことながら、定期運用であるから毎日昼間に湘南地区でロクヨンが見られる訳で、この話を聞いた時は、何だかミスマッチのような気がしてならなかった。海、湘南、温暖は、ロクヨンには最も似合わない言葉だ。そんな未だに国鉄を引きずっている固い頭のアントンKだが、今日は、そのロクヨンを見届けようと、久しぶりに早川のみかん山に入った。風が吹くとまだ肌寒く感じたものの、紅梅や白梅が咲き乱れ、この地もいつの間にか春真っ盛りの状況で、青い海に点在する漁船が光って眩しい。そんな中、定刻「ピッ!」と甲高いホイッスルが聞こえロクヨンがトンネルから姿を現した。特有のブロア音を響かせながら鉄橋を渡っていった時、昔ここで同じように撮影した、EF62の荷物列車のことを思い出していた。

どちらも、山を降りた電気機関車。時代は繰り返すということか・・・

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2014(H26)-03-23      3075レ  EF641028          JR東日本/東海道本線:早川-根府川

 


ED75のタンカートレイン

2014-03-21 20:00:00 | 10年前の足あと

そして10年前の3月。この時も東北線へ行っていた。

午前中の白河往復のオイル列車を狙って、何度か足を運んでいた時期。さらに遡れば、この区間にはED75三重連の貨物列車(1151レ)があり、それを思えば随分と被写体は大人しい。写真は、長いタキを牽引して単機で坂を上がってきたED75100号機。50~100号機の亜寒冷地型ツララ切り付きのラストナンバーということになる。晩年、このグループでは、最後まで稼働していた98号機が人気だったようだが、アントンKは、ナナゴはヒサシ無しが好み。1000番代に憧れていた。

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2004(H16)-03-11    5176レ       ED75100       JR東日本/東北本線:黒田原-豊原