アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

好きやねん国鉄 ご愛顧感謝号

2018-11-30 18:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)

国鉄が解体される直前、アントンKは関西で最後の撮り納めをしていた。関東圏で暮らしていると、どうしても関西の地には一種の憧れを抱き、当時は年に何度かは足を運びたくなり、演奏会のスケジュールとともにカメラを持って線路端に出ていたのだ。今にして思えば、とても有意義な話、贅沢極まりない時間だった。その時は、微塵も感じなかったが、日中はどこかで鉄道撮影に没頭し、夜は好きな音楽に集中するといった時間は、最近ではなかなか持てなくなった。やはり自分も若く、好きなことに一心になれたからであり、そう思うと、自分も含めて世の中変わってしまい寂しい限りだ。

掲載写真は、EF58がけん引した「国鉄ご愛顧感謝」号。山崎付近で走りを撮影し、京都まで戻って停車中を近影している。関西のゴハチの虎の子150号機は、茶色になったばかりのお姿で、我々の前に鎮座しており、そのあまりに綺麗な車体にほれぼれしてしまったことを思い出す。ヘッドマークにも、「好きやねん」と記してしまう関西流のシャレが心憎くて好きだった。

1987-03-29     EF58150         東海道本線:京都駅にて

 


九州のEF81を狙った頃・・

2018-11-29 20:00:00 | 鉄道写真(EL)

今月は考えてみれば、色々と行事が重なり思うように動けないで過ごしてきた。そしてもう師走の足音がしてくる時期になってしまった。あっという間の1か月、1年なのだ。うかうかしていられない。なぜか気ばかり焦ってしまう今日この頃だ。

もう5年も経ってしまった九州遠征時の画像を掲載しておく。確か九州の485系のラストを撮影目的で出向いたはずだが定かではない。この時は日豊本線に残る貨物列車を狙いに動いていたが、EF81が来てしまいガックシした思いが蘇る。今にして思えば、パーイチでも関門用の300番台だからラッキーに思えるが、5年も経つと心の持ちようも変わってしまったようだ。久々に沿線を歩きたくなってきた。

2013-10    4075ㇾ  EF81302     JR九州/日豊本線:杵築付近にて

 


パスカル・ロフェの「火の鳥」

2018-11-24 22:00:00 | 音楽/芸術

新日本フィルのアフタヌーンコンサート・ルビーを聴いてきた。

普段はなかなか出向きづらい平日の午後のコンサート。祭日と運よく重なったので、午後のひと時錦糸町へと出向く。今回は、アントンKがいつも演奏会ではメインとしているドイツ系のプログラムではなく、メインプロはストラヴィンスキーの「火の鳥」だ。この楽曲を生演奏で鑑賞するのは、何年振りだろうか。調べないとわからないくらい時間が経ってしまっているが、朝比奈時代まで遡るかもしれない。朝比奈隆自身、ストラヴィンスキーは振っていないはずだが、その当時の来日オケで、何回か聴いた思い出がある。ショルティや、アバド、マゼールで聴いているが、「火の鳥」といってもどれも、演奏会用に圧縮された1919年版だったはずだ。また私的なことだが、身内でクラシックバレエを趣味としていたため、この手の音楽も昔から身近に感じていたが、若い頃この「火の鳥」もどこかで耳に残っていた記憶があった。また同時に、アントンKがまだクラシック音楽鑑賞駆け出しの中学時代、友人からのストラヴィンスキーを聴くのなら、「火の鳥」→「ペトルーシュカ」→「春の祭典」との意見を素直に聞き、こんな順番で当時から良く聴いていたことも蘇ってきた。時系列で考えれば、アントンKがまだブルックナーに出会ってはいない時代。大昔の出来事となってしまった。

今回の「火の鳥」は、1910年版での原典版で演奏されたが、当然原典版は初めての体験となる。CDでは、過去に色々と聴いてはきたが、やはり生演奏となるとまるで印象が異なっていた。指揮者ロフェの解釈なのだろうが、舞踊音楽としての意識が高く、全体を通して歌があり、喜怒哀楽を感じる音楽の深さがあった。舞台奥のパイプオルガンの両脇に配置された、バンダのワグナーチューバを含む金管楽器群の重厚な響き。各セクションのトップ奏者の気持ちのこもり切った音色の妙。特にアンコールでも演奏された終曲の部分の音楽の大きさは、この楽曲では味わったことがなかった。

おそらく演奏するのにも、かなりの難曲として扱われるストラヴィンスキーだろうが、今回の新日本フィルの演奏は、そのパート各人がまるで役者、演技者のごとく楽曲を楽しんで演奏しているように感じて嬉しく思った。コンマスの崔氏はもちろん、いつものようなパフォーマンスを発揮され、聴覚のみならず視覚的にも大満足だったが、それに加えて、他の弦楽器群や木管楽器群のソロパートの雄弁な響きと遊びは、独自性に富みそれぞれ印象的だったことも記しておきたい。

今回の演奏会、メインの「火の鳥」での感動は、プログラミングにも影響していたと思わされた。バッハから武満までの音楽の幅の中で、色彩感満点のストラヴィンスキーはさらに印象的に響いたと思わざるを得ないのだ。普段、ブルックナーの演奏会ばかりメインで出かけ、メインの前の前菜はいらないと思っていたアントンKだが、今回のような音楽の幅や大きさを身をもって体験すると、ちょっと心境の変化を感じた次第。やはり音楽は限りなく深いものだ。

新日本フィルハーモニー交響楽団 定期演奏会ルビー

J.S.バッハ  管弦楽組曲第1番 ハ長調 BWV1066

武満 徹   夢の時

ストラヴィンスキー  バレエ音楽「火の鳥」 1910年原典版

指揮    パスカル・ロフェ

コンマス  崔 文洙

21018年11月23日  すみだトリフォニーホール

 


初詣臨に活躍したEF65501

2018-11-22 19:00:00 | 鉄道写真(EL)

前出の記事の続きになるが、EF65500番台の話題。

現在EF65というと、その残存数から主に1000番台のPF型を指すが、しっかり500番台のP型機も残されている。言わずと知れたEF65501号機であり、お若いファンの間では「ピートップ」などと呼ばれ人気が高い。JR東日本の高崎支社に配属され、今や動態保存機の扱いのようで、一部の臨時列車や工事列車に使用されているようだ。そんな地味な列車には相応しくない機関車だと考えていたが、車齢も有に40年を越え、それでも未だに現役で、我々ファンを楽しませてくれることに感謝しなければならないだろう。今後の情勢を考えると安易には語れないが、末永い活躍を心から願いたい。

掲載写真は、お正月の成田臨を牽くEF65501。冬の夕日をいっぱいに受けて、光り輝くEF65501、それに12系客車は浮世絵のように暗黒から浮かび上がり美しかった。

2001-01-15   9848ㇾ  EF65501  12系x8     JR東日本/成田線:下総神崎付近

 


EF65P型の静かな余生

2018-11-21 19:00:00 | 国鉄時代(カラー)

アントンKが鉄道撮影を始めた頃、東海道線を走る九州ブルトレはまだEF65500番台がけん引していて、誰もが同じように憧れを抱き、まだ少年時代だったアントンKの目には、とても印象深かった思い出がある。特に20系客車をけん引している姿は今思い出しても鳥肌が立ちそうになる。まだ純粋で無垢な時代の印象は、音楽でもそうだが一生の宝物となるのだろう。

ここでは、あえてその後のEF65500番台の画像を掲載してみる。この65P型も、1980年を待たずして新製されたEF65PF型に道を譲り、特急列車運用から退いていった。そして今度は、一般形のEF65達に混ざって貨物列車の任務に就くことになるわけだ。もっとも当初から、外観は今までと変わらずの特急色で活躍していたから、最初は随分と奇異に見え、ヘッドマークを掲げて颯爽と飛ばしていた時代がダブり、目を覆いたくなる場面にも出くわした。しかしそれにも時間とともに慣れてしまい、国鉄民営化(1987年)を迎えたのだった。そして機関車更新に伴う外装色変更を受け、かつての栄光とは離脱した姿になってしまった。なかなかおなじ機関車には思えず、白っぽい厚化粧したお年寄りのイメージしか沸かず、撮影も自然と遠のいていった。今にして思えば、今日まで撮影を続けているのであれば、もう少し記録しておけば、との思いも過るが、本来のアントンKの趣味のスタンスではないから、こればかりは仕方がないところ。後の祭りなのである。

EF65504号機の牽くワム編成の貨物列車。ブルトレ時代は、下関に在住し東京区のEF65Pの助っ人だった504号機。この時はおそらく沼津区に転属し、黙々と地味に活躍している時代だと思われる。今でも同種のEF65501号機は現役であり、そう思うと我々と同じ時代を過ごしている機関車としてさらに愛着が沸いてきてしまう。

1983-01-29      EF65504    東海道本線:藤沢付近にて