アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

越後中里を後にする急行「よねやま」~165系

2023-02-25 09:00:00 | 国鉄時代(カラー)
花粉が本格的に飛散し始めた関東地方。この時期、アントンKもいつもの事とは言いながら、今一つ体調がすぐれないでいるのは毎度のことだ。今年は3月に入ると、一気に春めくらしいから嬉しさの反面、さらに体調管理には留意したいと気を引き締めている。
今年も雪中撮影は叶わないで終わりそうだ。今年こそは、と毎年思いながらも実現できず、いつも歯痒さを残しつつ季節が移りゆく。こういった悪循環は打破したいところ。いつも先を見て歩くのは、少し疲れてきたかな・・・

先日娘家族が、苗場へスキーに行った時の動画を見たが、連休にもかかわらずゲレンデが随分と空いていたことに驚いた。ニュースでは聞いていたが、スキー人口も昔に比べたら激減していて、列車の混雑や道路の渋滞も少なくなったのか。世の中の変化に取り残されていることをここでも思い知らされた。掲載写真は、スキーヤーで激込みの列車で新潟へと向かった時に撮影した上越線の急行「よねやま」号。上越線の急行と言えば、「佐渡」が定番だが、上野-新潟間の「佐渡」に対して、「よねやま」は上野-直江津を走破した急行電車。いずれにせよ、アントンKの中では存在感のある急行だった。特急乗車は高根の花であり、臨時を含めてよく乗った165系には、未だに愛着が湧いてしまうのだ。
越後中里を定時に出発して、徐々に抑速ブレーキを効かせながら下り勾配へと挑む165系急行「よねやま」。フル編成で山を走る姿は、今もっても鉄道撮影の原動力の一つに感じている。
1983-02-04     3601M   急行「よねやま」  上越線:越後中里付近




最期の国鉄型車両の聖地?~伯備線の381系

2023-02-22 22:00:00 | 鉄道写真(EC)
ついこの間、JR西日本の381系電車に国鉄特急色が返り咲いた話を聞いたと思ったら、今度は奇抜なスーパーやくも色が現れて地元ファンが盛り上がっていると聞こえてきた。この手のすでに古くなった国鉄型車両を利用した一連の動きは、やはり車両そのものの先行きが見えてきた証で、日本人が大好きな期間限定的な趣が漂っている。
かくいうアントンKも、機会を見つけて出向きたいとは思いながらも、なかなかチャンス到来とはいかないようだ。伯備線は昔から魅力的に思える路線で、電化前のキハ181形「やくも」に始まり、電化後のEF64の貨物列車や団臨入線など、思い出多き路線に感じている。古き良き時代の国鉄型車両の最期?の雄姿をこの目で再び見てみたいと想いを巡らしている昨今なのだ。
掲載写真は、当時ファンの間では話題となったスーパーやくも色の381系電車。個人的には、国鉄特急色に勝るものはないと思っているが、晩夏の光を浴びて駆け抜ける381系は、山郷の美しい光景にマッチしていて素敵だった。
1995-08-18  1027M   スーパーやくも  伯備線:岸本付近



越後の国から川崎界隈へ~E127系の投入

2023-02-17 15:00:00 | 鉄道写真(EC)
以前から噂が絶えなかった、南武支線の電車置き換えの話。正式な形で発表されたようなので書き留めておきたい。
最近こそご無沙汰しているが、ここ10年くらい新鶴見~川崎地区へと鉄道撮影にお邪魔させて頂き、ターゲットの電気機関車けん引の貨物列車以外に必ずといっていいほど目にする電車があった。それが今回話題にする南武支線を走る205系1000番台だ。南武線でも支線扱いだから、本線を走るE233系電車に比べて近代化が遅れていた様子で、新潟地区に入った新車(E129系)からの玉突きで遥々越後の国からやってくるということらしい。
 アントンKにとって、この地区ではクモハ11+クハ16や、大川支線のクモハ12のいわゆる茶色の17m電車を懐かしむことができ、その後のクリーム色の101系も印象的だった。現在活躍中の205系になってどこくらい時間が経ったのか判らないが、いよいよ次世代の電車が走り出すと思うと、また一つ歴史が動き、どこか儚さが心を支配してしまうのだ。
 この線区に入線するということは、早晩に鶴見線を走る205系電車も影響を受けることが明らかで、工場地帯に細かく張り巡らされた路線も新しい時代がやってくることは容易に想像がつく。あくまでこれら電車はアントンKにとってはわき役だが、長大な貨物列車が行き交う合間に、遠慮がちにコソコソ動き回る姿は、いつ見ても微笑ましいのだ。
 掲載写真は、鶴見駅150年のヘッドマークを掲げ、埠頭の突端に休む205系電車。直接南武支線には関係ないが、近い将来には影響を受けるであろう海芝浦駅の黄昏。いつまでも見ていたい光景だった。
2022-10            205系1000番台   海芝浦




いにしえの貨物線~EF12

2023-02-09 21:00:00 | 国鉄時代(カラー)
冬晴れの日、久しぶりに多摩川の土手を散歩してみた。ウォーキングやサイクリングに勤しむ多くの方々とすれ違いながらの散歩。風はまだ肌寒いが、やはり日差しは心地よく確実に春に向かっていると実感できる。
対岸を見渡すと、言わずと知れた武蔵小杉の高層ビル群。そしてもう少し南に目を向ければ、これまた見慣れた新川崎のツインタワービルが一望だ。河原でサッカーに夢中の子供たちの歓声を背に、自分の過ごした遠い日々を重ねてしまった。
40年以上も前の大昔、アントンKが鉄道写真に目覚めた時代にも、この付近にカメラハイクに来ていた。今回はその時の画像を掲載してみる。新幹線と並んで多摩川を渡るこの鉄橋は今でも存在しているが、当時の貨物線はそのお役目を終え、旅客線へと様変わり。実際に貨物列車も一部見られるが、遭遇するには運試しに近いものがある。当時は引っ切り無しに上下貨物列車が見られ、フィルムがいくらあっても足りないくらいだった。デッキ付きの茶色い電機の撮影に出向き、EF12/EF13/EF15が撮影ターゲットだったように記憶している。未熟な画像ながら、当時の必死さが伝わってしまう。何故か微笑ましく感じるのは、やはりそれだけ時間が経ってしまった証だろうか。まさに「青春」そのもの、全てが輝いていたことを思い出している。
1975-05-22   3691ㇾ  EF12 8         東海道貨物線:多摩川橋梁


心に突き刺さる弦楽の響き!~崔 文洙氏の真実

2023-02-03 20:00:00 | 音楽/芸術
関西4大オケスペシャルコンサートを聴いてきた。
これは、大阪駅にほど近いところにあるザ・シンフォニーホールが開館40周年にあたるということで企画開催された演奏会だった。アントンKにとって思い入れの深いホールは、やはり上野の文化会館だが、その後あちこちに素晴らしいホールが出来て影が薄くなってしまったことが少し寂しい。その素晴らしいホールの一つが、今回行った大阪のザ・シンフォニーホールだろうか。もちろん、都内在住だから、出向く回数は限られてしまうが、初めて聴いた時の響きの美しさ、残響の心地良さは未だに残っている。朝比奈隆晩年のブルックナーチクルスでの興奮は、このホールに足を踏み入れる度に蘇ってしまう。そして後のお別れ会での残像が目に焼き付いてしまっている。アントンKにとっては、ちょっと特別なホールに感じてしまうのだ。
さて今回来阪の目的は、もちろん2つのオケのソロ・コンサートマスターでおられる崔文洙氏の「英雄の生涯」の鑑賞にあった。昨年10月に演奏された新日本フィルとの「英雄の生涯」は、スケジュールが合わず配信での鑑賞に終わり、歯痒い思いを残してしまったから、その雪辱を果たすべく大阪まで乗り込んだ訳である。
 今回オケは大阪フィル、そして指揮者は尾高忠明マエストロであり、道中から良演がさらに期待されたが、今思い返してみても素晴らしい演奏だったと断言出来る。少なくともアントンKの体験上では、一番心に染みる深い演奏内容だったと書き留めておきたい。これまでにも、コンマス崔氏の「英雄の生涯」は実演で聴かせて頂いているが、間違いなくより深く表情豊かに変わり、崔氏でしか味わえない独特な音響空間、心の葛藤がそこにはあった。3部「英雄の伴侶」に入ってからの崔氏の独奏は、まさに神がかっていたのではないか。それはまるで人間の声そのものに聴こえたのだ。あの大きなホールに彼の音色だけが響き渡り、多くの聴衆を巻き込み虜にしている様は、オーケストラ音楽の醍醐味を存分に感じて、その一体感に深く感動してしまったのだ。崔氏の演奏にもさらに新しい発見が多発していて、アントンKの集中力も息切れしそうなくらい。特にマーラーのようなグリッサンドの強調は度肝を抜かれ、強弱緩急が絶妙で、ここだけ聴いても駆け付けた甲斐があったと言えるだろう。実演でしか味わえない感覚を今回も享受し、心に染みわたる鑑賞になったのである。
 2つのオケのソロ・コンマスでおられる崔分洙氏だが、最近彼の活動にも変化が見られ広がりを見せていることが、ファンであるアントンKにはとても嬉しく勇気づけられる。先月鑑賞したショスタコの弦楽チクルスの圧倒的な豪演や、コンチェルトやソロでの活躍は、今のアントンKの心の支えとなっている。今後も可能な限り実演に触れ、音楽の真実を味わいたいものだ。

The Symphony Hall  x 関西4オケスペシャルコンサート
大阪フィルハーモニー交響楽団
ベートーヴェン  交響曲第5番 ハ短調  OP.67 「運命」
R.シュトラウス  交響詩「英雄の生涯」  OP.40

指揮   尾高 忠明
コンマス 崔 文洙
2023年1月29日 ザ・シンフォニーホール
(掲載画像はこの演奏会には関係ありません)