アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

次々姿を消す国鉄型車両たち~キハ183系

2023-03-29 20:00:00 | 鉄道写真(EC)
早いもので3月も残すところ数日となり、桜満開の便りが相次ぐ季節となった。毎年行ってきた桜絡みの撮影紀行は、今年に限っては中々大掛かりには出られず、ちょこまかとスポット的撮影に終始している現状だ。今年も今の時期安定した天気に恵まれず、晴天至上主義のアントンKには辛い日々なのだが、予報と自分のスケジュールをにらめっこして、無理して作った合間にカメラを構える際どさも快感に変わりつつある。
全国的なダイヤ改正を迎え、旧い車両たちの引退や廃止が止まらない。北海道では、ついにキハ183系特急気動車が引退すると聞く。国鉄末期に登場して以来30年以上、厳しい環境の中走り続けた訳だから、後継に譲ることも当然だろうが、道内の路線そのものの存続をも含めて危惧しているファンは、アントンKのみならず数多く存在しているはずだ。東日本では、185系「踊り子」廃止の時点では、相当話題を呼んでいたと思うが、それに比べて今回の651系電車の定期列車廃止はあまり人気がないようである。それより細々と残留していた和田岬線の103系電車引退の方がお若いファンにはインパクトがあるようで、SNSが賑やかだったように感じた。
ここでは、在りし日のキハ183系特急車を掲載しておく。この時は、SLニセコ号撮影のため、遠征を繰り返していた時代で、撮影の合間に現われた修学旅行臨であり、特急車でそれも長編成の列車が目の前に現れた時、絶句した覚えが蘇るのだ。
1989-06-04     9010D    臨時 キハ183系   函館本線:然別-銀山


上岡敏之 入魂のブルックナー演奏!

2023-03-25 20:00:00 | 音楽/芸術
ついにこの日がやってきた。コロナ感染症により延期を止む無くされていた新日本フィル創立50周年記念演奏会の当日を迎えることができたのだ。
 楽曲はブルックナーの交響曲第8番という、記念演奏会にはとても相応しい大曲で、何と聴衆からのリクエスト第一位の楽曲だとか・・・これにはアントンKも驚きを隠せなかった。もちろんブル8については、大好きな楽曲であることには間違いないが、朝比奈時代からこの大曲に可能な限り触れ、その壮大な世界感に憧れ、それこそ演奏会の前日には楽しみで夜も眠れないこともあったくらい。あの当時からすれば、世の中も様変わりして、クラシックファンにとってもかなりメジャーな楽曲に成長したという事かもしれない。大変喜ばしく思えるのである。
さて、この特別な演奏会は、アントンKにとってやはり近年稀に見ると言えるくらいの感動を呼び、一生涯心に残る演奏となった。自分史上で言えば、1980年9月に目白のカテドラル教会で聴いた朝比奈/大フィルの第8、そして1990年のチェリビダッケ/MPO、同じく1990年のヴァント/NDR、93年のマゼール/バイエルン放送響、そして2016年のスクロヴァチャフスキ/読響に匹敵する演奏内容だったと記載すれば、その凄さがお判り頂けるはずだ。
マエストロ上岡のブルックナーと言うと、「上岡マジック」とかと誇張され、今までに体験のない響きを享受し、時には違和感すら持ってしまった経験もあるが、今回の第8の演奏は、今まで新日本フィルで鑑賞してきた第3、第4,第6,第7、第9あたりとは同一線上には語れない。そこにそびえる楽譜に愚直に向き合うことで、まさにブルックナーが天から舞い降りてきた感覚だった。1mov.の出の弦のトレモロは、極端にppだが、柔らかくおぼろげな印象を持ち、そのテンポも相まって、この演奏ただ事では済まないと直感できたくらい。やはりこの感は的中し、音楽が大きく近づいてくるとオケの各声部の雄弁なことと言ったら想像を遥かに超えていったのだ。特にHrn群の分厚い骨太の音色は印象的で、上岡氏の要求にも完璧に答えているかのようだった。楽曲全体に渡ったVLaの強調や、Timpのここぞの時の爆発は新鮮であり、新しい発見が次々と現れ、我を忘れて夢中になっている自分に後で気づかされた。
掲載写真は、終演後の撮影が許可された演奏会だったため撮影できた、カーテンコールで登場した、ブル8の総譜の背後で聴衆に応えるマエストロ上岡氏とコンマス崔文洙氏。もちろん、こんな歴史的名演を成し遂げられたのは、崔氏のリーダーシップあればこそだが、マエストロとともに安堵の表情で現れた時、そんなお二人の表情に感激してしまい目頭が熱くなってしまった。

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新日本フィルハーモニー交響楽団創立50周年記念 特別演奏会
上岡敏之のブルックナー

ブルックナー 交響曲第8番 ハ短調 (ハース版)
指揮   上岡 敏之
コンマス 崔 文洙
     伝田 正秀
2023年3月25日 すみだトリフォニーホール

ダイヤ改正日を迎えて・・

2023-03-18 09:00:00 | 鉄道写真(EC)
今年は雨降りの改正日となってしまった。
JR私鉄を問わず、今日から新たな時刻表によって動き出している鉄道各線。去りゆく車両たち、はたまた待ちに待ったニューフェイス車両、路線など1年で最も変化のある季節だろうか。鉄道に限らず、この時期は人間模様にも大きな動きのある時期だろう。幼少の頃から、近所で機関車や電車に夢中になっていた愛孫も、この春からランドセルを背負う歳になり、いつもの事ながら月日の非情な速度に呆れかえっている。
さて当のアントンKはというと、新年度を前に今後の身の振り方を考察している毎日だ。こうして文字にすると大袈裟に聞こえてしまうが、実際には現状の生活パターンは変わらないことだろう。鉄道撮影にも、いつも気を配っているし、演奏会スケジュールをにらめっこしながら日程調整、ネットで新譜のチェックは欠かしていない。最近では、沿線である東急線がこのダイヤ改正で新横浜線開業により大きく変化するので、カメラを持ち歩くことが多かった。近所に相鉄線の電車が走ることにも隔世の感だが、乗り換えなしで新横浜へ直行、新幹線に乗車できることに驚嘆しているのだ。
掲載画像は、やはりこの改正で動きのある651系電車。JR化当初にデビューした特急電車としてとても印象に残っている形式だった。近年は細々とした活躍だったと思うが、ここではデビュー間もないタキシードボディをまとった姿をご覧頂きたい。国鉄車両だったボンネット型と貫通型との融合した良いデザインに思って、当時はよく線路端に出向いた記憶がある。正面列車名表示板のない車両ばかりになった現代において、先般のE351系に続き消えていくのはとても残念に思えて仕方がない。
1989-08-13      1001M    スーパーひたち  常磐線:石岡付近

国鉄型電機の象徴EF65の落日

2023-03-03 21:00:00 | 鉄道写真(EL)
いつもこの時期、ダイヤ改正を前にどこか落ち着かなかった日々も、今では関心が薄れてしまったのか、あまりそんなソワソワ感は感じなくなってしまった。JR化されて旅客、貨物と分離され、それぞれの道を進んできた国鉄型電機は、いよいよ刻一刻とパンタを下ろす時が迫っているように感じている。現存機は優に車齢40年を越え、一世代前の旧型電機では考えられなかったからだ。同じ時間をともに過ごし、そのあまりにも早く過ぎていく時の流れの切なさを感じながら、これからフィールドに立つという情熱が、少しずつ冷めてしまったこともあるかもしれない。昨今の人気電機に群がる若者たちのフィーバーぶりに辟易してしまっていることもある。それほど魅力的に思える車両が枯渇してしまい、ファンが集中するとも言えるが、SNSやTV報道に煽られ、誰もが同じ被写体に集まり、同じような写真を残してもアントンKの場合は満足感は得られなくなったのだ。これも年齢からくるものなのだろうか。最近の心境に少し悲しさを覚える。
ダイヤ改正を前にしても、旅客のEF65PF型はほぼ壊滅状態、貨物機に至っても、これほど後継の機関車(EF210)が増備されている以上、益々肩身が狭くなるのは明白だろう。そんな現実を思いながら、EF65往年時代だったとも言える1988年のオリエントEXPの画像を掲載しておく。当時のことを思い起こせば、全国を走ったオリエントEXPも、平日運転がほとんどで、アントンKにとっては撮影も難易度が高かった思い出が蘇る。晴天日も選べず、撮影回数こそそこそこ残されてはいるが、どれも同じような貧弱な画像ばかりで、今更ながら悔いが残っているのは毎度のことだ。この時代、すでに東海道ブルトレからは引退していたEF65PFながら、本州を股にかけ活躍していた時代、最も輝いていた晴れ姿だろう。
1988-11-02   9704     EF651028 オリエントEXP 上越線:渋川付近