アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

東海道を走った山の機関車の記録~EF62

2021-03-01 19:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)

かつて全国に走っていた荷物列車。そんな荷物列車が消滅して随分と時間が経ってしまった。当時のアントンKは、荷物か貨物かの違いも判らず、先輩方の言う「荷のサンゴー」とか、「荷のサブロク」等の呼び方を聞いて、このスジが荷物列車で、東海道線ではEF58が牽いてくると教わったものだった。確かに当時の1時間目ダイヤでも、列車番号の前に「荷」の記載があったし、時刻表の線区ごとの末尾に荷物列車のおおよその時刻が載っていたことを思い出す。今の鉄道ファン方に話しても、ピンと来ないかもしれない。それほど今では忘れ去られた列車になってしまった。

東海道線での荷物列車の活躍は、やはりEF58といっても過言ではないほど、当時は浸透していたはず。最も思い出深い列車は、汐留から名古屋までEF58重連で走った荷35列車だろう。その日の上り「銀河」で東上したEF58が、荷35ㇾの前機となるため、朝の「銀河」のゴハチの機番を確認してから狙って撮影していた強者たちも多いのではないか。アントンKはと言えば、当時そこまで機番への拘りが浅く、それより15両にも及ぶ長大編成をパンタグラフを4基とも上げて驀進するEF58の姿に憧れ、根府川橋梁(白糸川橋梁)での撮影を頂点としながらチャレンジしていたことを思い出す。

とても満足も出来ないまま、ゴハチ重連の荷物列車は、山陽本線へと移ってしまい(荷37列車)、そしてEF58自体の晩年を迎える時代がやってきたのである。ゴハチが先か、荷物列車廃止が先か、当時ファンの間では囁かれていたが、結局EF58が最後下関へ集められ、そして当時では縁もゆかりもないEF62という山の機関車が、荷物列車を牽いて東海道本線を爆走する時代へと変わってしまうのである。

ここでは、晩年のEF62がけん引する東海道本線を往く荷物列車を掲載しておく。奇しくもここで話題にした荷35ㇾを牽くEF62 23。昔に比べれば、編成も極端に短く、何せ荷物客車が新型やパレット式に代わり、とにかく味気ない被写体だった。そしてC__Cという独特の動輪配置の走行音を聞かせながら、すっ飛ばしていたロクニを見て、痛々しく思えたものだった。現代に話を置き換えれば、今でも山の機関車が東海道を闊歩している。EF64 1000番代の山男だ。思い出になる前にロクヨンにも会いに行かないと・・・

1985-06-16   荷35ㇾ  EF62 23            東海道本線:根府川-真鶴