アメリカシロヒトリの観察記録
アメリカシロヒトリの季節がめぐってきた。
「ミツバチ大量死、EU-ネオニコチノイド系農薬を使用禁止」という新聞記事を見て、アメリカシロヒトリの駆除に使われているスミチオンについて調べた。スミチオンの成分はフェニトロチオンで、有機リン系殺虫剤で、ヒトや水中生物に有害なので、EUではすでに使用が自粛されている。
過去には千葉県でフェニトロチオン複合剤散布直後に水田に入った農夫が死亡した事例や、茨城県で住宅のダニ駆除にフェニトロチオン製剤を使用したところ一家全員に中毒症状が生じ、5歳の女児が死亡した事例がある(インターネット情報)。
金沢市のホームページでは、アメシロの駆除については、幼虫・巣網を物理的に除去するとしているが、実際には業者に委託して薬剤(おそらくスミチオン)散布をしている。今年は街路樹を剪定して、高ばさみを使っての駆除が可能な、4~5メートルの樹高にしたので、期待している。
ここ数年、5月から9月にかけて、アメシロを観察してきたので、何か参考になるかもしれないので、観察記録を投稿する。
2010年
9月上旬、転居した集合住宅の街路樹(クルミ、アメリカ楓、桜などで、樹高が10メートル近く)がアメリカシロヒトリの幼虫によって蚕食され、見るも無惨な状態で、たくさんの幼虫が住宅の壁面を這い上がり、室内にまで侵入してきた。
アメシロについては、聞いてはいたがここではじめて対象化することになった。

2011年
アメリカシロヒトリについて情報を収集し、発生の様子を観察することにした。8月13日、街路樹(クルミ)に巣網を発見し、メールで市役所に写真を送った。8月28日には、建物の壁面を這い上がる3~4センチの幼虫を発見した。(街路樹には、1.5センチほどの幼虫も混在)。手の届くところにいる幼虫は棒で落とし、押しつぶし、手の届かないところは石けん水入りの水鉄砲で、毎日100匹ほど駆除しつづけた。(石けん水はできるだけ草花にはかからないように配慮した)
9月1日に周辺を調査したところ、54本の街路樹に巣網があった。9月6,8日に、市役所が「薬剤散布」をおこなって、ようやく幼虫の発見は1日あたり10匹程度にまで減少し、ほぼ終息した。(市役所には、「薬剤散布」ではなく、高ばさみによる枝ごとの除去を要請したが、「薬剤散布」がおこなわれた)

2012年
今年は、早期に巣網を発見しようと思い、5月ごろから街路樹のチェックを始めた。6月23日に巣網を発見し、市役所にメールで写真を送った。6月25日、街路樹(クルミ)の葉の裏に産みつけられたアメシロの卵を発見した。2回の「薬剤散布」がおこなわれた。
8月12日にふたたび巣網を発見し、手が届くところにあった巣網を採取した。巣網には2~3ミリの幼虫が多数あり、写真を写し、メールに添付して市役所に送った。
19日には、幼虫は1~2センチに成長していた。8月20日に「薬剤散布」がおこなわれ、翌日数匹の幼虫を発見したが、この時点でほぼ終息した。9月6日に、アメシロの成虫(蛾)を発見した。

2013年
今冬、市役所は高さ10メートルほどの街路樹を4~5メートルに剪定した。剪定のセンスが悪く、街路樹としての見栄えは最悪である。5月から、アメシロの観察を開始した。5月23日アメシロの成虫(蛾)を発見したが、巣網・幼虫はまだ見つかっていない。29日には、アメシロが毎年発生するクルミの樹に、ハトが小枝をくわえてきては、葉陰に潜り込み、営巣し始めた。抱卵から巣立ちまでどれくらいかかるのだろうか。
一昨年、昨年の物理的除去と「薬剤散布」によって、成虫の残存率はかなり低下しているはずだから、今年のアメシロ幼虫の発生は小規模になると予想しているが、果たして…。
6月22日、近くの66本のアメリカ楓のうち、24本にアメシロの巣網を発見した。前日の新聞では、「金沢市と金沢大学が共同して、薬剤散布を極力抑えた対策」を検討していると報道されている。

アメリカシロヒトリの季節がめぐってきた。
「ミツバチ大量死、EU-ネオニコチノイド系農薬を使用禁止」という新聞記事を見て、アメリカシロヒトリの駆除に使われているスミチオンについて調べた。スミチオンの成分はフェニトロチオンで、有機リン系殺虫剤で、ヒトや水中生物に有害なので、EUではすでに使用が自粛されている。
過去には千葉県でフェニトロチオン複合剤散布直後に水田に入った農夫が死亡した事例や、茨城県で住宅のダニ駆除にフェニトロチオン製剤を使用したところ一家全員に中毒症状が生じ、5歳の女児が死亡した事例がある(インターネット情報)。
金沢市のホームページでは、アメシロの駆除については、幼虫・巣網を物理的に除去するとしているが、実際には業者に委託して薬剤(おそらくスミチオン)散布をしている。今年は街路樹を剪定して、高ばさみを使っての駆除が可能な、4~5メートルの樹高にしたので、期待している。
ここ数年、5月から9月にかけて、アメシロを観察してきたので、何か参考になるかもしれないので、観察記録を投稿する。
2010年
9月上旬、転居した集合住宅の街路樹(クルミ、アメリカ楓、桜などで、樹高が10メートル近く)がアメリカシロヒトリの幼虫によって蚕食され、見るも無惨な状態で、たくさんの幼虫が住宅の壁面を這い上がり、室内にまで侵入してきた。
アメシロについては、聞いてはいたがここではじめて対象化することになった。

2011年
アメリカシロヒトリについて情報を収集し、発生の様子を観察することにした。8月13日、街路樹(クルミ)に巣網を発見し、メールで市役所に写真を送った。8月28日には、建物の壁面を這い上がる3~4センチの幼虫を発見した。(街路樹には、1.5センチほどの幼虫も混在)。手の届くところにいる幼虫は棒で落とし、押しつぶし、手の届かないところは石けん水入りの水鉄砲で、毎日100匹ほど駆除しつづけた。(石けん水はできるだけ草花にはかからないように配慮した)
9月1日に周辺を調査したところ、54本の街路樹に巣網があった。9月6,8日に、市役所が「薬剤散布」をおこなって、ようやく幼虫の発見は1日あたり10匹程度にまで減少し、ほぼ終息した。(市役所には、「薬剤散布」ではなく、高ばさみによる枝ごとの除去を要請したが、「薬剤散布」がおこなわれた)


2012年
今年は、早期に巣網を発見しようと思い、5月ごろから街路樹のチェックを始めた。6月23日に巣網を発見し、市役所にメールで写真を送った。6月25日、街路樹(クルミ)の葉の裏に産みつけられたアメシロの卵を発見した。2回の「薬剤散布」がおこなわれた。
8月12日にふたたび巣網を発見し、手が届くところにあった巣網を採取した。巣網には2~3ミリの幼虫が多数あり、写真を写し、メールに添付して市役所に送った。
19日には、幼虫は1~2センチに成長していた。8月20日に「薬剤散布」がおこなわれ、翌日数匹の幼虫を発見したが、この時点でほぼ終息した。9月6日に、アメシロの成虫(蛾)を発見した。


2013年
今冬、市役所は高さ10メートルほどの街路樹を4~5メートルに剪定した。剪定のセンスが悪く、街路樹としての見栄えは最悪である。5月から、アメシロの観察を開始した。5月23日アメシロの成虫(蛾)を発見したが、巣網・幼虫はまだ見つかっていない。29日には、アメシロが毎年発生するクルミの樹に、ハトが小枝をくわえてきては、葉陰に潜り込み、営巣し始めた。抱卵から巣立ちまでどれくらいかかるのだろうか。
一昨年、昨年の物理的除去と「薬剤散布」によって、成虫の残存率はかなり低下しているはずだから、今年のアメシロ幼虫の発生は小規模になると予想しているが、果たして…。
6月22日、近くの66本のアメリカ楓のうち、24本にアメシロの巣網を発見した。前日の新聞では、「金沢市と金沢大学が共同して、薬剤散布を極力抑えた対策」を検討していると報道されている。

