20220814 梯川洪水は、人災か神災か?
今年の梯川洪水について、思うところがあります。私が梯川の左岸50mの泉町に住んでいた頃(1998年~)、梯川洪水対策で、天満宮を移転するか、しないかが問題になっていました。
梯川の既往洪水を見ると、
1933 年台風で、本川 1 箇所、支川 2 箇所堤防決壊、浸水家屋 1549 戸、橋梁流出 32 橋
1934 年梅雨前線で、支川等で堤防決壊、浸水家屋 188 戸、橋梁流出 26 橋
1959 年台風で、本川 1 箇所、支川 4 箇所で堤防決壊、浸水家屋 390 戸、橋梁流出 9 橋
1968 年秋雨前線で、 支川 3 箇所(八丁川、鍋谷川等)で堤防決壊、浸水家屋 100 戸以上
1998 年台風で、水田冠水19.9ha、河岸決壊等 3 箇所
2004 年台風で、 浸水面積 238.1ha、護岸破損等 4 箇所
2006 年梅雨前線で、浸水面積 108ha、護岸破損等 15 箇所
2013 年梅雨前線で、浸水面積 177ha、堤防破損等 4 箇所
(資料:「梯川水系河川整備計画」2016年3月 国土交通省北陸地方整備局)
分水路方式選択
1971年に、梯川が一級河川に指定され、川幅を80mから120mに拡幅する「工事実施基本計画」(1971年)が策定され、小松天満宮を北に数十メートル移転させる計画で、河口から滓上(かすかみ)川の合流点あたりまでの改良工事に着手しました。しかし1996年、移転よりもお金も時間もかかる、現位置に天満宮を残す「分水路(輪中)」方式が追加されました。

2008年には、「梯川水系河川整備基本方針」が策定され、白江地区より上流の河川整備は2016年から「梯川水系河川整備計画」として20年間の予定で、牧~白江~佐々木~古府~遊泉寺~軽海までの引堤(ひきてい)・河道掘削などの工事が始まりました。
為政者たちの失政か
梯川河川改修(河口~滓上)は、1971年に開始されてから、すでに50年も経っており、分水路方式をとらなければ、白江地区より上流(佐々木地区)の河川改修工事も相当進んでいたと思われますが、2021年度以降に取り残されてしまい、今回の8・4大雨で佐々木地区上流の古府町、中海町で水害が発生し、天満宮の「分水路方式」の完成までに時間がかかり、梯川改修工事を遅らせた原因のひとつとして挙げられるのではないでしょうか。
天満宮のための分水路工事は2000年からはじまり、17年もかけて、2017年に完成しましたが、梯川洪水対策の全体的な工事は大幅に遅れることになりました。天満宮が一肌脱いで、梯川沿岸の住民の命と生活のために移転を決意すれば、梯川上流域の河川整備も速やかに進められ、今回の被害を招かなかったかも知れません。そういう意味で、人よりも、神を大事にした為政者たちの失政なのではないでしょうか。
今年の梯川洪水について、思うところがあります。私が梯川の左岸50mの泉町に住んでいた頃(1998年~)、梯川洪水対策で、天満宮を移転するか、しないかが問題になっていました。
梯川の既往洪水を見ると、
1933 年台風で、本川 1 箇所、支川 2 箇所堤防決壊、浸水家屋 1549 戸、橋梁流出 32 橋
1934 年梅雨前線で、支川等で堤防決壊、浸水家屋 188 戸、橋梁流出 26 橋
1959 年台風で、本川 1 箇所、支川 4 箇所で堤防決壊、浸水家屋 390 戸、橋梁流出 9 橋
1968 年秋雨前線で、 支川 3 箇所(八丁川、鍋谷川等)で堤防決壊、浸水家屋 100 戸以上
1998 年台風で、水田冠水19.9ha、河岸決壊等 3 箇所
2004 年台風で、 浸水面積 238.1ha、護岸破損等 4 箇所
2006 年梅雨前線で、浸水面積 108ha、護岸破損等 15 箇所
2013 年梅雨前線で、浸水面積 177ha、堤防破損等 4 箇所
(資料:「梯川水系河川整備計画」2016年3月 国土交通省北陸地方整備局)
分水路方式選択
1971年に、梯川が一級河川に指定され、川幅を80mから120mに拡幅する「工事実施基本計画」(1971年)が策定され、小松天満宮を北に数十メートル移転させる計画で、河口から滓上(かすかみ)川の合流点あたりまでの改良工事に着手しました。しかし1996年、移転よりもお金も時間もかかる、現位置に天満宮を残す「分水路(輪中)」方式が追加されました。

2008年には、「梯川水系河川整備基本方針」が策定され、白江地区より上流の河川整備は2016年から「梯川水系河川整備計画」として20年間の予定で、牧~白江~佐々木~古府~遊泉寺~軽海までの引堤(ひきてい)・河道掘削などの工事が始まりました。
為政者たちの失政か
梯川河川改修(河口~滓上)は、1971年に開始されてから、すでに50年も経っており、分水路方式をとらなければ、白江地区より上流(佐々木地区)の河川改修工事も相当進んでいたと思われますが、2021年度以降に取り残されてしまい、今回の8・4大雨で佐々木地区上流の古府町、中海町で水害が発生し、天満宮の「分水路方式」の完成までに時間がかかり、梯川改修工事を遅らせた原因のひとつとして挙げられるのではないでしょうか。
天満宮のための分水路工事は2000年からはじまり、17年もかけて、2017年に完成しましたが、梯川洪水対策の全体的な工事は大幅に遅れることになりました。天満宮が一肌脱いで、梯川沿岸の住民の命と生活のために移転を決意すれば、梯川上流域の河川整備も速やかに進められ、今回の被害を招かなかったかも知れません。そういう意味で、人よりも、神を大事にした為政者たちの失政なのではないでしょうか。