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小松基地問題研究会

20200727 小松基地 緊急着陸報告書より

2020年07月27日 | 小松基地(事故、緊急着陸)
20200727 小松基地 緊急着陸報告書より

 2017年度以前の小松基地緊急着陸報告はすでに当ブログ上に投稿してあるが、2018,2019年度の緊急着陸報告書が開示されたので、概略を記す。緊急着陸報告書には、8件の緊急着陸の記載があるが、新聞報道(北陸中日新聞)には、いずれも報道されていない。以前は新聞報道で、ある程度は緊急着陸については知り得たが(2017年4/4、7/5、7/27、10/7、10/24はマスコミ報道あり)、この2年間は、上空で起きている「危険」を一切知ることができないままである。また、2019年3月12日の百里基地所属のF4の緊急着陸は、報告書にはないが、マスコミ報道がおこなわれている。

 緊急着陸報告書記載の8件の報告のなかには、極めて危険な、重大事故一歩手前の報告がある。

 2020年3月2日の件は、3ページにわたって報告されており、その概要を記すと、日本海G空域で訓練後、「××訓練を実施した」と伏せ字にされているが、前後関係から見ると、「タッチアンドゴー」訓練だと推測される。ところが、3回目の着陸操作後、「××が点灯したまま」で、操縦士は脚系統の不具合と判断し、訓練を中止した。同僚機からは、「脚が下りているが、…××が××に比して縮んだ状態」との報告があった。これはおそらく、片方の脚が他方の脚と比べて縮んでいて、このまま着陸すれば重大事故に発展しかねない状況と思われる。滑走路に直接進入し、着陸拘束装置を使って着陸を強行した(操縦士の命が危ない!)。

 「原因・欠陥」の項には、「機体運用時等に伴う××の回転時に、××が不規則に追随することにより、切り欠き部分が××取付孔の延長線上に移動し、××収縮時に××のセンシング面端部の隙間に接触し、切り欠き部が変形した。変形した××の切り欠き部が××内径に押しつけられ、摩耗が拡大し、××に乗り上げ、3回目の着陸操作時の××伸張時にかみ込みが発生したため、最大伸張できなかったと推定する。」と記されている。

 2019年12月11日には、脚関係の不具合が原因の緊急状態だと推測される。G空域での訓練後、帰投時、接地直前に左から風圧を受け、左主脚から接地し、その後右主脚が接地した。MOBO(主要作戦基地)から「××が変形」が伝えられ、操縦者は着陸復行を実施し、洋上に出た後緊急状態を宣言した。小松飛行場に着陸後、××が根元ヒンジ部から左に70度偏向していた。

 原因として、「着陸時に風上(左)側に向いたまま(クラブ状態)に接地したことにより、××方向の外力が加わり、××が××との結合部を支点にして左方向に大きく振られた。××の振れ幅が可動範囲の限界に達し、××が折損、脱落した際に××と××が接触して固着した」と推測している。

 そのほか、操縦系統の不具合、燃料移送系統の不具合、接合部分の破断・油漏れ、油圧系統の不具合などで緊急着陸宣言が出されている。


2018.5.24│離陸10分後、意図しない機首上げ問題の発生、××に異常→緊急状態宣言→直線進入(原因)操縦系統の不具合
2018.9.19│離陸3分後、××の燃料が移送されていない→緊急状態宣言→待機空域→直線進入→××を使用し着陸(原因)燃料移送系統不具合
2018.12.4│離陸5分後、××の点灯→訓練中止→緊急状態宣言→緊急脚下げ→直線進入→拘束停止(原因)接合部破断→油漏れ
2019.8.1│G空域で、ピッチ方向に上下の振れ→××の瞬時点灯→緊急状態宣言→直線進入(原因) 油圧系統の不具合
2019.10.10│離陸30分後の帰投中、ピッチ方向への不意な機首上げ→緊急状態宣言→燃料調整→直線進入(原因)操縦系統の不具合
2019.11.28│離陸上昇中、××の点灯→緊急状態宣言→直線進入 (原因)油圧系統の不具合
2019.12.11│G空域訓練後、接地直前に、落着気味に左主脚から接地→着陸復行→緊急状態宣言→直線進入 (原因)××が折損、脱落
2020.3.2│G空域訓練後、3回目の着陸操作後、××が点灯→緊急状態宣言→直線進入→着陸拘束装置で停止(原因)脚系統の不具合

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