20220618 事故原因が「空間識失調」なら、戦闘機は廃棄処分に
6月2日、小松基地司令が小松市を訪問し、事故調査報告をおこなったが、そのときに提出された報告レポートはたったの3枚であり、小松基地は事故の原因について、うやむやにしようとしているようだ。
最終事故報告書
航空幕僚監部が発表した報道発表資料「小松基地所属F-15戦闘機の墜落に係る事故調査結果について」(2022/6/2)はわずか3ページであり、本文<1、事故の概要/2、事故の経過/4、事故の原因/5、再発防止対策等>と<画像>で構成されている。
「4、事故の原因」について摘記すると、
本事故の原因は、離陸後の雲中における上昇旋回の途中において、事故機の右ロール(傾き)が過大となるとともに、徐々に機首下げ姿勢となり、その後高度が急速に下がっていることに対し、事故機の前席及び後席操縦者の認識が遅れ、回復操作をおこなったものの間に合わず、墜落に至ったものと推定。
事故機の前席及び後席操縦者の認識が遅れた主な要因として、次の事項(複合も含む)が挙げられる。
(1)事故当時の気象・天候条件及び離陸直後の姿勢や推力の変更操作等の影響を受け、自らの空間識に関する感覚が実状と異なる、空間識失調の状態にあった可能性が高い。
(2)編隊長機を捕捉するためのレーダー操作等に意識を集中させていたため、回復操作がおこなわれるまでは、事故機の姿勢を認識していなかった可能性がある。
事故報告書は事故の原因を操縦者の空間識失調だけにしており、戦闘機自体(スピード)が空間識失調をもたらしていることを無視している。音速の2・5倍、時速3000km(秒速850m)で飛行するという異常な状態に人間が対応できないという現実を無視している。小松基地司令は繰り返し「空間識失調による事故を二度と繰り返さない」と話しているが、人間という生物にとっては不可能な課題であり、その場しのぎの「対策的発言」以外の何ものでもない。
事故原因をパイロットの「空間識失調」で片を付け、早々と通常訓練に入った。
空間識失調とは
2020年2月27日の「時事通信社」の記事に、「1975年以降公表した13件の調査報告書(運輸安全委員会)で、…(空間識失調が)事故原因となった可能性」と指摘している。2019年の三沢基地沖、2022年の小松基地沖の墜落事故を加えると、45年間で合計15件となる。過去の空間識失調を原因とする航空機事故について、インターネット検索で調べたら、7件がヒットした(残り8件は不明)。
①2002年5月 松山空港沖で、ヘリ墜落事故…空間識失調
②2004年12月 佐賀空港の南西の有明海海上で、ヘリ墜落事故…空間識失調
③2008年7月 青森県大間町沖、取材ヘリ墜落事故…空間識失調
④2017年10月 浜松基地の南方洋上、浜松救難隊所属UH-60Jの墜落事故…空間識失調
⑤2018年8月 群馬県中之条町の山中に、防災ヘリ墜落事故…空間識失調
⑥2019年4月 三沢基地沖太平洋で、空自ステルス戦闘機F35Aが墜落…空間識失調
⑦2022年1月 小松基地沖日本海で、小松所属F15戦闘機墜落…空間識失調
「空間識失調は正常な感覚機能がある人が、飛行中の視界不良時に陥りやすい混乱状態。パイロットの視覚や平衡感覚で錯覚が起きるため、機首を下げたり、機体を傾けたりして異常姿勢となる」という。鳥のように空を飛ばない人間の三半規管は、雲中での急上昇、急旋回、急速度のアクロバティックな飛行には対応できないというのだ。
今次墜落事故の真の原因
F-15戦闘機の最高速度はマッハ2.5(時速3000km/秒速850m)、F-35戦闘機はマッハ1.6(時速1960km/秒速544m)であり、とうてい人間の三半規管の対応範囲内の速度ではない。しかも上下を認識できない雲中で急上昇、急旋回、急速度のアクロバティックな飛行を要求する戦闘機訓練飛行が空間識失調を招き、墜落事故は起こるべくして起きたのである。
戦争手段の高度化に生身の人間機能が適応できず(欠陥戦闘機だ!)、今回の空間識失調をもたらしたのであり、再発防止策としては、教育・訓練とか回避システムの開発などを挙げているが、まずは、このような戦闘機を使用しないことこそが最も重要な対策である。
小松基地のF15戦闘機を撤去し、F35ステルス戦闘機の配備をやめろ。自衛隊兵士は欠陥戦闘機の搭乗を拒否し、まずは自らの身を守れ。
6月2日、小松基地司令が小松市を訪問し、事故調査報告をおこなったが、そのときに提出された報告レポートはたったの3枚であり、小松基地は事故の原因について、うやむやにしようとしているようだ。
最終事故報告書
航空幕僚監部が発表した報道発表資料「小松基地所属F-15戦闘機の墜落に係る事故調査結果について」(2022/6/2)はわずか3ページであり、本文<1、事故の概要/2、事故の経過/4、事故の原因/5、再発防止対策等>と<画像>で構成されている。
「4、事故の原因」について摘記すると、
本事故の原因は、離陸後の雲中における上昇旋回の途中において、事故機の右ロール(傾き)が過大となるとともに、徐々に機首下げ姿勢となり、その後高度が急速に下がっていることに対し、事故機の前席及び後席操縦者の認識が遅れ、回復操作をおこなったものの間に合わず、墜落に至ったものと推定。
事故機の前席及び後席操縦者の認識が遅れた主な要因として、次の事項(複合も含む)が挙げられる。
(1)事故当時の気象・天候条件及び離陸直後の姿勢や推力の変更操作等の影響を受け、自らの空間識に関する感覚が実状と異なる、空間識失調の状態にあった可能性が高い。
(2)編隊長機を捕捉するためのレーダー操作等に意識を集中させていたため、回復操作がおこなわれるまでは、事故機の姿勢を認識していなかった可能性がある。
事故報告書は事故の原因を操縦者の空間識失調だけにしており、戦闘機自体(スピード)が空間識失調をもたらしていることを無視している。音速の2・5倍、時速3000km(秒速850m)で飛行するという異常な状態に人間が対応できないという現実を無視している。小松基地司令は繰り返し「空間識失調による事故を二度と繰り返さない」と話しているが、人間という生物にとっては不可能な課題であり、その場しのぎの「対策的発言」以外の何ものでもない。
事故原因をパイロットの「空間識失調」で片を付け、早々と通常訓練に入った。
空間識失調とは
2020年2月27日の「時事通信社」の記事に、「1975年以降公表した13件の調査報告書(運輸安全委員会)で、…(空間識失調が)事故原因となった可能性」と指摘している。2019年の三沢基地沖、2022年の小松基地沖の墜落事故を加えると、45年間で合計15件となる。過去の空間識失調を原因とする航空機事故について、インターネット検索で調べたら、7件がヒットした(残り8件は不明)。
①2002年5月 松山空港沖で、ヘリ墜落事故…空間識失調
②2004年12月 佐賀空港の南西の有明海海上で、ヘリ墜落事故…空間識失調
③2008年7月 青森県大間町沖、取材ヘリ墜落事故…空間識失調
④2017年10月 浜松基地の南方洋上、浜松救難隊所属UH-60Jの墜落事故…空間識失調
⑤2018年8月 群馬県中之条町の山中に、防災ヘリ墜落事故…空間識失調
⑥2019年4月 三沢基地沖太平洋で、空自ステルス戦闘機F35Aが墜落…空間識失調
⑦2022年1月 小松基地沖日本海で、小松所属F15戦闘機墜落…空間識失調
「空間識失調は正常な感覚機能がある人が、飛行中の視界不良時に陥りやすい混乱状態。パイロットの視覚や平衡感覚で錯覚が起きるため、機首を下げたり、機体を傾けたりして異常姿勢となる」という。鳥のように空を飛ばない人間の三半規管は、雲中での急上昇、急旋回、急速度のアクロバティックな飛行には対応できないというのだ。
今次墜落事故の真の原因
F-15戦闘機の最高速度はマッハ2.5(時速3000km/秒速850m)、F-35戦闘機はマッハ1.6(時速1960km/秒速544m)であり、とうてい人間の三半規管の対応範囲内の速度ではない。しかも上下を認識できない雲中で急上昇、急旋回、急速度のアクロバティックな飛行を要求する戦闘機訓練飛行が空間識失調を招き、墜落事故は起こるべくして起きたのである。
戦争手段の高度化に生身の人間機能が適応できず(欠陥戦闘機だ!)、今回の空間識失調をもたらしたのであり、再発防止策としては、教育・訓練とか回避システムの開発などを挙げているが、まずは、このような戦闘機を使用しないことこそが最も重要な対策である。
小松基地のF15戦闘機を撤去し、F35ステルス戦闘機の配備をやめろ。自衛隊兵士は欠陥戦闘機の搭乗を拒否し、まずは自らの身を守れ。