浅原健三の『溶鉱炉の火は消えたり』は1930年に刊行された。昭和初期の大ベストセラーで、「二十二年」「溶鉱炉の火は消えたり」「仁丹先生」「地底」「炭田を衝く」「香月村血記」「反動狂舞」「屍を野に焼く」「西部戦線乱る」「驟雨一過」「出発」「戦火燃ゆ」の12作品が収録されている。とりあえず、「前書き」を読んでいただこう。これだけでも、1930年当時の雰囲気が伝わってくる。
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今年3月に、岩崎書店から小学生向けの『大研究! 日本の歴史人物図鑑』(全5巻)が発行された。友人から「この本に強制連行のことが書かれている。小学生にどのような解説をしているのだろうか、興味がある」と言われて、石川県内の図書館に検索をかけると、金沢市立図書館が蔵書していた。 . . . 本文を読む
帝国主義の時代に世界に拡大した文化コロニアリズムによって、学術的に貴重な古文献、美術品などが植民地から帝国主義国に流出し、未だに欧米や日本の博物館を満たしている。そして、日帝は韓国(朝鮮)から略奪してきた膨大な文化財の返還を今も渋っている。侵略と植民地支配は進行形であり、アジア人民の告発・糾弾に応えて、終止符を打つ責任が私たちにこそある。 . . . 本文を読む
キューバ革命と言えば、カストロとゲバラのゲリラ戦争に注目が集まるが、実は1959年キューバ革命はゲリラ戦争に加えて労働者農民の決起(ゼネストと街頭制圧)が一体となって進行し、成功を収めたのである。
そこで、1959年キューバ革命に至るまでの労働者決起に焦点をあててみたいと考えている。勉強不足で不十分な展開になると思うが、容赦願いたい。
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『チリの闘い』という映画が全国で上映されている。第1部『ブルジョワジーの叛乱』、第2部『クーデター』、第3部『民衆の力』の三部作で、約4時間半の大作である。(写真は劇場用パンフレット) . . . 本文を読む
本書の発行は2010年だが、ほとんどの論文はソ連崩壊以前の1970~80年代に執筆されたものである。したがって、キューバ革命と社会主義政策については肯定的に見ていて、「一国社会主義」批判はない。キューバ革命に困難をもたらしたアメリカ帝国主義の介入についてもほとんど考察されていない。しかし、キューバ革命がマルティ主義からマルクス主義へ、「社会主義」政策がどのようにして進められたのかを知る上では参考になる諸論文である。 . . . 本文を読む
前回は『現代キューバ経済史』(新藤通弘著2000年)のレポートだったが、今回のレポートは2016年発行の『キューバ―超大国を屈服させたラテンの魂』(伊藤千尋著)を読んで、1991年ソ連崩壊以降のキューバ情勢について考察したい。(カッコ内の数字はページ数) . . . 本文を読む
11月25日カストロが死んだ。50年前、20歳の時に、岩波新書『キューバ』を読んで、心が動いた。キューバに関する書籍を図書館から何冊か借り出したので、読書ノートとして投稿していく予定だ。
まずは、『キューバ共和国憲法―解釈と全訳』(吉田稔/インターネット上)、『現代キューバ経済史』(新藤通弘著 2000年)、『近代日本総合年表』(岩波書店)をチェックした。 . . . 本文を読む
『学校に思想・良心の自由を―君が代不起立、運動・歴史・思想』が届いた。不二越強制連行訴訟に取り組んでいた頃から、「学校にたいする君が代斉唱、日の丸掲揚の強制を憂慮する会」と細々と繋がっていたからだ。毎回送られてくる『たみがよ通信』は文字が小さくて、なかなかちゃんとは読めなかったが、その時どきの状況を知らせてくれた。
目次から注目すべき項目を選んで読みはじめた。「教科書・副教材叙述の問題と歴史教育への政治介入」(田中正敬)、「特別の教科道徳と私たちの課題」(藤田昌士)、「日の丸・君が代強制と良心的不服従」(安川寿之輔)、「戦前戦後の学校教育と日の丸・君が代」(藤田昌士)を読んだ。そのなかから3つについて感想を述べたい。 . . . 本文を読む
解説者は戦時下の金子の生き方について、「詩人と生活者の分離」という言葉を使ったが、同時代に小林多喜二がおり、鶴彬がおり、尹東柱がおり、鈴木安蔵がいたように、その文学や論文が治安維持法にかかって死と直面した人々がたくさんいるなかで、むなしくひびかないだろうか。 . . . 本文を読む