１・２・３・４ ＧＯ・ＨＡ・Ｎ！（「映画 けいおん！」）

さてさて、そんな具合で見てきました「映画　けいおん！」。

ただし、事前の条件として、ぬたりはこの映画に関しては非常にドライだった。見に行くにせよ見に行かないにせよ、まあどっちでもいいかな、という感じ。
勘違いしないで欲しいのだが、ぬたりは今でもこの「けいおん！」という作品が好きである。いずれ発売されるであろうこの映画のBDも、映画館に見に行くかどうかを問わず買おうと思っていたし、それは見た後でも変わらない。
ただし、映画化、というものに関しては以下の理由で冷めていたのが正直。

理由そのいち　そもそも映画に向いた作品じゃないのでは？
原作からして4コマ漫画で、それほど重厚なネタなんかない。アニメになって少しはそういうシーンも増えたが、それにしても30分枠の中で、という話でしかない。まあ、4コマ原作の独特の緩い空気ってのがこの作品の魅力ではあるけど、それは気楽に見られる自宅のテレビ視聴というスタイルにこそ合っていたんであって、わざわざ映画館に足を運んでお金を払うという手続きのいる映画として見る場合にはどうなんだろう、という疑問。

そのに　映画化するネタなんかないぞ
はっきり原作には映画化するようなネタは残っていないし、アニメにしても通算3クールもやった訳で、高校生活のほとんどのネタは既に網羅されている。第2期の最後まで見て、もはや物足りなさは全くないわけで、あそこで完結と言われても全く不都合はないわけだ。だから映画で大どんでん返しとかはありえず、必ずアニメの最終回に行きつく流れは変わりようがない。オチの見えてる話では、まあ盛り上がらないわな。

そんな感じで、期待はあまりなく、まあ好きな作品の映画化ではあるよなあ、という、割と中途半端な気持ちのまま公開を迎えたわけだ。でまあ、偉大なるシャオさんが公開日当日に見に行くという実にらしいことをなさったために、まあぬたりもその流れにのって確認には行っておくべか、と思ったわけで。
具合のいいことに平日休みも取れたしな。大きな会社はこういう時便利だ。空気に味を付けかねん連中と劇場カンヅメは御免蒙りたいものな。風呂入れボケが。
なお前日の帰りしな、直属の係長と「休暇取って何するん？」と聞かれて一瞬詰まったのは小さな前日譚。「ああ、デエトです」と取り繕ったら、「ああ、はいはい」と棒読み最高潮に心底どうでもよさそうに手をヒラヒラされたのも小さな前日譚か畜生め(過日の失恋は職場の方々も知ってます)


さて、では感想を先に言ってしまおう。
これはちゃんと「けいおん！」という作品の映画であります。
うん、良くも悪くも。

上記のぬたりが思っていたことはほぼそのままの感じ。
極論言えばこの映画、30分のぶつ切りのテレビ番組にしても全く問題ない感じ。
「涼宮ハルヒの消失」の時の様に、確かにこれはぶつ切りで見たくないよ、と思わせるものはやっぱりなかった。映画館で見てよかった、という感じがあんまり得られないのね。
もちろん映画化するから予算がついてロンドンロケ(しかもシナハン、ロケハンの２回)なんかできたわけだし、作画のクオリティにしたってテレビの放送枠ではここまではできなかったろう。だけどそもそもテレビ放送時でもクオリティに文句言う人はいなかったでしょ。舞台のロンドンにしたって、今までの作中で触れられていた場所でもなく、伏線なんかあったもんじゃない。要するに付け足し感がどうしても最後までぬぐえなかったんだよね。
あとは商法がすこーしだけあざとくなってきてるかね。BD/DVD収録の「番外編3」にてあからさまに映画へのネタ振りっぱなしをしてるし、何種類も乱発された前売り券も、あーあ・・・、という気持ちで見ていた。一部で話題のリピートキャンペーンもちょっとね。まあ24回鑑賞まで対応のシートはどうとも思わないけど(別にシートコンプリートしても何ももらえないんだし)、特典ゲットが3回目ごと、というのはちょっとね。リピートっつうんだから2回目で特典付けようよ。ハルヒもそうだったし。ぬたりはこの作品を高く買っているし、ぬたりと同じ、もしくはそれ以上に熱心なファンが多くいる。だからこんなことしなくていいんだよ。そんなことしなくても、多くのファンが既についてきているんだから。


さてさて、ここまで書いてきてなんだが、ぬたりはこの映画には及第点はつけたいとは思う。ロンドンに行ったこともなく、音楽というものに対する思い入れも少ないぬたりは、シャオさんよりは高評価。メンズディ割引で1000円で見られた、ってのも大きいかな？

最初に言ったが、この映画は間違いなくテレビで見たあの「けいおん！」である。悪い点もそのままだが、良い点もそのまんま。とりあえずは登場人物の面々はテレビの時のままそこにいた。「この映画見て、なんかもう台無し」という感じは見られない。ご都合主義とかは散見されるけれども、まあ、この作品でそれを言いすぎるのも野暮ってもんだろう。
簡単に言えばテレビシリーズで一話一話を、１+１+１+・・・と番外編も含め41回地道に積み上げてきて、ここで2時間の映画で順当に4(四話分)足しました、という感じ。これで満足するか否かは、まあその人の映画感とか作品への接し方にも左右されるんじゃないかな？　ぬたりは、まあこんなもんかなって感じ。ハルヒの時の様に3時間半だから7くらい足されるかと思ったらその倍くらいは軽く足された、みたいな衝撃はないけど、まあこれは比べる方が間違ってます。

ファンならとりあえず見に行って損はないのは間違いない。ただまあレンタルで済ますならそれはそれで損はない、というのが正直なところかな。ぬたりはBD買いますけどね。


なお、以下はネタばれちっくなので、見えないようにしております。ま、ひっじょーに細かく重箱の隅つついてますし、我ながら鬼姑か、って感じなので、皆様は無理に読まなくてもいいです。見たい方はドラッグしてお読みください。ただし自己責任ね。
(22:40追記　携帯及びスマホだと下見えちゃうみたいです。ご注意ください)






バレー部の子がハワイ行くのを聞いたり、あずにゃんへのプレゼントの話を誤魔化しているうちに卒業旅行が決まった感じだったけれども、あなたたちBD/DVD収録の「番外編3」であんなに卒業旅行を5人一緒に海外行く気満々だったじゃん。どこに消えたのあの時の気持ち。特に梓。今更「ご一緒してもいいんですか？」みたいな感じはないでしょうに。
あとさわちゃん。あなた海外旅行初めてじゃなくて？(同じく番外編3のセリフより)。それでよくまああんな風に動けたな。