フィヨルドの変人 ~Odd person in fjord~

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渋川市道3号線の逆襲 一考察編

2022年11月04日 09時21分48秒 | 旅行&おでかけ
ぬたりが今回こだわった渋川市道3号線は、路線指定自体は国道353号線の小野子地区から県道35号線の祖母島地区に至る道になる。歩道になったり繋がっていなかったりで変則的な印象ではあるけど、経路的には実は始点から終点までを比較的に素直に結んでいる。
で、この道が昔「小野上村道3号線」だったことは間違いない。では現在の渋川市道3号線がすべてが小野上村道3号線だったかと言われれば、この可能性は低いんじゃないかと思う。小野上村道3号線の路線指定の目的が祖母島駅へ向かうための指定であるのはほぼ間違いないと思う。県道35号に至るための道として指定するなら県道35号線にそれなりの目的地がないと小野上村は渋川市内に村道を指定できないが、特にその必要性を感じられるものはない。終点のあたりにあったものはせいぜいバス停くらいなもんだが、市道3号線の始点は国道353号線であり、昔からバス路線も設置されているから吾妻川対岸に行く必要はない。しかも橋を渡ってたどり着いたバス停はこの体たらく。


一方小野子集落内でバスに乗るならこんな感じ。


で、段丘を上る部分の車が入れない部分の道の正体は、明らかに昔の集落道が今に残っているもの。祖母島集落の中心地は段丘上の平地にあり、ここは明治期に灌漑用水が引かれるまでは水利的には貧弱な土地。一方段丘下は吾妻川の川のレベルとなり、比較的平地で水利もよい。耕作には適しているが、大雨になると洪水のリスクも抱え込む。だから住居を段丘上において、田畑は段丘下に、という形式は理にかなっている。その行き来のために古くから使われていたのがあの歩道部分だったんだと思う。前回に「古道みたい」という言葉を何回か使ったが、掘り込まれ方とか見ても、一朝一日に作られる雰囲気じゃない。
そういう歴史のある道であっても、自動車全盛の時代になってしまえば、多少遠回りであっても自動車であれば変わらないし、地区の交通整備の中心となる祖母島駅ができてしまえば、そちらを中心に車道は整備されて、この道は使われなくなっちゃったんだろう。
ただ、モータリゼーションなんて所詮戦後しばらく経っての話。それ以前から道路行政は機能していたわけで、その頃は歩道の市道指定なんて珍しくもない。その頃の指定のままずっと公図上残り続けていた部分が、ほかに接続できる道と同一化されて今の小野子地区から祖母島地区をつなぐ渋川市道3号線としてつなげて指定された、という感じなんだと思う。道路としても、国道から県道を結ぶ、と一応形になるしな。それにしても何となくで訪れた道がこんな珍しい側面を持っていたとはねえ。だから道好きはやめられないんですわなあ。
・・・とまあ、語ってはみたものの、路線指定は所詮お役所の書類上の話。実際の道の姿は、
小野子地区から橋を渡って祖母島駅に向かう道
段丘の崖を登る、今はもうほとんど使う人のいなくなった道
祖母島地区を横断して県道にぶつかる道
の3つがあるに過ぎないんだけどね。現地にそれと分かる目印もない。歩道部分に市の管理の痕跡があれば面白いと思って探してみたんだけど、残念ながら何も見つからなかったな。だから詳しくない人に話しても何が面白いのかさっぱり分かんないんだろうけどね。

実際うちのおかあちゃんに話したら「だからそれが何?」とにべもなかったわ。
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