というわけで、先日ネタにしたとおり、前橋市のフジ模型さんが今月いっぱいで70年ほどという長年の歴史にピリオドを打つ。
お店というのは突然閉店されることもあるので、お別れできるだけまだ幸せというもの。ましてや閉店セールを行っていただけているので、欲しいものがあればお得に手に入れることもできる。フジ模型はその歴史の終盤を鉄道模型のお店として経営を行ってきたわけで、ぬたりも先日、SLのNゲージを購入させていただいた。
んで、本日、最後のお別れとして買い物をさせていただいたわけだが、今回ぬたりが購入したのは鉄道模型ではない。
というか、鉄道模型はもうおおかた売れちゃっててな。ほとんど残ってない。鉄道模型のジオラマ作るのならまだ使えそうなものが結構残っているが、車両に関しては、特に自走できるものはもうあんまり残ってないね。客車とか増結セットならまだそこそこあるが。
ぬたりが今回購入したのはミニカー。といってもトミカとか買った訳ではなく、ビンテージミニカーと言われるもの。製造年とかは詳しく調べてないけど、多分ぬたりと同じか年上のミニカーになるんじゃないかな? フジ模型さんは鉄道模型とビンテージミニカーのショップ、と看板を抱えているので、珍しいミニカーも結構な在庫を持っていて、これも閉店セールになってる。
別にぬたりはビンテージミニカーに興味があるわけでもなくてね。実際、閉店セールには過去2度ほどもう来ていて、棚も眺めていたが、反射的に「このミニカー欲しい!」と思えるようなものはなかった。
が、1週間前に訪れた際に、常連さんが1個ミニカーを購入する時に居合わせ、細かく拝見させていただく機会を得たのだが、作りこみの細かさや、ビンテージならではの味に、なかなかそそられる気持ちをおぼえたのよね。
なので、その時に改めて棚をチェック。気になる車種をいくつか憶えておいて、家に帰って、ミニカーの製造会社や車種についてネットで検索。ビンテージミニカーについて詳しくはないから、どちらかというと車種で絞っていって、最終的に2台ほど欲しいと思えるものがあったので、今日お店にお邪魔して購入してみた。まずはこちら。
DINKY社製 ジェンセン FF
この車の兄弟車に「インターセプター」と言う車があり、こちらはイギリスのそれなりの高年齢の車好きには、国産ハイパフォーマンスカーとしてそれなりの認知度がある。日本でも有名なイギリスの自動車番組「トップギア」「名車再生クラシックディーラーズ」と言ったあたりでも取り上げられていて、ぬたりも見た。一方のFFは右ハンドル専用設計のためアメリカで販売できず、車とすると若干地味ではある。とは言え、当時としては革新的だった4輪駆動を実現するなど、今から見ればなかなかに頑張っていた車とも言えますな。
車自体は1966年から1971年までの5年間生産され販売台数は320台というから、商業的には失敗でしょうな。製造元のジェンセン・モーターズも1976年廃業している。
さて、ぬたりがこのミニカーを買った理由はといえば、やっぱり雰囲気ですかね。ちょっと前のイギリス車って、かっこいいんだかカッコ悪いんだかさっぱり分からないんだよね。
真横から。明らかに前が長くてバランスが悪いだろこれ。
正面。バッサリ縦に切られたようなフロント部が、何ともいえず不格好な感じ。
で、そんな感じでいやあ、カッコ悪いだろこれ、とかとしばらくバカにしながら見てると、1か月もすると不思議と魅力的に見えてくるんだよなこれ。ブリティッシュデザインってホント良く分からん。車じゃないけどBACライトニングとかホントデザイナーを小一時間問い詰めたいわ。
そしてもう一つはこれ。
MEBETOYS ISO S4
そもそもこのMEBETOYS(メーベトーイ)のミニカーを買ってる常連さんを見たことが、ぬたりがここでミニカーを買うきっかけになった。仕事が細かいとか塗装が良いとか話してたのよね。ちなみにその人はフェラーリ買ってたけど。
で、このS4。ISO(イソまたはイーゾ)というあんまり知らない自動車メーカーだったので調べてみたんだが、イタリアの高級車だったようで、かのジョン・レノンが一目惚れして買った、なんてエピソードも出てきた。
実際言われてみれば、スラントしたボンネットやトランクリッドにイタリア車らしいデザインセンスが見える。なかなかに味のあるデザイン。古い車だから皆が皆、という訳にもいかないだろうが、多くの人が「かっこいいね」と思ってくれるデザインだと思うな。
そして作りが細かい点がエンジンルームに。S4のエンジンがアメリカのシボレーコルベットが使っていたエンジンを載せており、エンジンにちゃんと「CHEVROLET」「ISO」の両方の名前がある。こういうのは車好きにとっては憎い演出だよね。
ちなみに車自体は1967年から1974年まで生産され、販売台数は189台と、売れてなかったジェンセンFFのさらに半分程度。製造元のISOは1974年に倒産(だからS4の生産も1974年まで)という感じである。
ということで、奇しくも2台とももう40年も前に倒産した自動車メーカーのミニカーを買ってきたわけだがね。メーベトーイにせよディンキーにせよ、箱付美品ならそこそこのお値段がオークションあたりでもつくようで、ぬたりのも大事にしとけば将来寝が付くこともあり得るんだろうけど、そこはそれぬたりのマイナー好みが、こういう多くの日本人が会社すら聞いたことないような車のミニカーに興味を寄せるもんだから、価格はつきにくいんだろうなあ、というのが今の正直な考え。金に困ったら売る…となっても期待は出来んなこりゃ。
ともあれ、このお買い物はお別れの儀式みたいなもの。中学生のぬたりがなけなしの小遣い握りしめて訪れたあの日の楽しい経験の、せめてものお礼みたいなもんですね。広い店内のたくさんあるプラモデルを見上げた時の感覚は、今でも覚えてますからね。
お世話になりました。さようなら、フジ模型さん。
お店というのは突然閉店されることもあるので、お別れできるだけまだ幸せというもの。ましてや閉店セールを行っていただけているので、欲しいものがあればお得に手に入れることもできる。フジ模型はその歴史の終盤を鉄道模型のお店として経営を行ってきたわけで、ぬたりも先日、SLのNゲージを購入させていただいた。
んで、本日、最後のお別れとして買い物をさせていただいたわけだが、今回ぬたりが購入したのは鉄道模型ではない。
というか、鉄道模型はもうおおかた売れちゃっててな。ほとんど残ってない。鉄道模型のジオラマ作るのならまだ使えそうなものが結構残っているが、車両に関しては、特に自走できるものはもうあんまり残ってないね。客車とか増結セットならまだそこそこあるが。
ぬたりが今回購入したのはミニカー。といってもトミカとか買った訳ではなく、ビンテージミニカーと言われるもの。製造年とかは詳しく調べてないけど、多分ぬたりと同じか年上のミニカーになるんじゃないかな? フジ模型さんは鉄道模型とビンテージミニカーのショップ、と看板を抱えているので、珍しいミニカーも結構な在庫を持っていて、これも閉店セールになってる。
別にぬたりはビンテージミニカーに興味があるわけでもなくてね。実際、閉店セールには過去2度ほどもう来ていて、棚も眺めていたが、反射的に「このミニカー欲しい!」と思えるようなものはなかった。
が、1週間前に訪れた際に、常連さんが1個ミニカーを購入する時に居合わせ、細かく拝見させていただく機会を得たのだが、作りこみの細かさや、ビンテージならではの味に、なかなかそそられる気持ちをおぼえたのよね。
なので、その時に改めて棚をチェック。気になる車種をいくつか憶えておいて、家に帰って、ミニカーの製造会社や車種についてネットで検索。ビンテージミニカーについて詳しくはないから、どちらかというと車種で絞っていって、最終的に2台ほど欲しいと思えるものがあったので、今日お店にお邪魔して購入してみた。まずはこちら。
DINKY社製 ジェンセン FF
この車の兄弟車に「インターセプター」と言う車があり、こちらはイギリスのそれなりの高年齢の車好きには、国産ハイパフォーマンスカーとしてそれなりの認知度がある。日本でも有名なイギリスの自動車番組「トップギア」「名車再生クラシックディーラーズ」と言ったあたりでも取り上げられていて、ぬたりも見た。一方のFFは右ハンドル専用設計のためアメリカで販売できず、車とすると若干地味ではある。とは言え、当時としては革新的だった4輪駆動を実現するなど、今から見ればなかなかに頑張っていた車とも言えますな。
車自体は1966年から1971年までの5年間生産され販売台数は320台というから、商業的には失敗でしょうな。製造元のジェンセン・モーターズも1976年廃業している。
さて、ぬたりがこのミニカーを買った理由はといえば、やっぱり雰囲気ですかね。ちょっと前のイギリス車って、かっこいいんだかカッコ悪いんだかさっぱり分からないんだよね。
真横から。明らかに前が長くてバランスが悪いだろこれ。
正面。バッサリ縦に切られたようなフロント部が、何ともいえず不格好な感じ。
で、そんな感じでいやあ、カッコ悪いだろこれ、とかとしばらくバカにしながら見てると、1か月もすると不思議と魅力的に見えてくるんだよなこれ。ブリティッシュデザインってホント良く分からん。車じゃないけどBACライトニングとかホントデザイナーを小一時間問い詰めたいわ。
そしてもう一つはこれ。
MEBETOYS ISO S4
そもそもこのMEBETOYS(メーベトーイ)のミニカーを買ってる常連さんを見たことが、ぬたりがここでミニカーを買うきっかけになった。仕事が細かいとか塗装が良いとか話してたのよね。ちなみにその人はフェラーリ買ってたけど。
で、このS4。ISO(イソまたはイーゾ)というあんまり知らない自動車メーカーだったので調べてみたんだが、イタリアの高級車だったようで、かのジョン・レノンが一目惚れして買った、なんてエピソードも出てきた。
実際言われてみれば、スラントしたボンネットやトランクリッドにイタリア車らしいデザインセンスが見える。なかなかに味のあるデザイン。古い車だから皆が皆、という訳にもいかないだろうが、多くの人が「かっこいいね」と思ってくれるデザインだと思うな。
そして作りが細かい点がエンジンルームに。S4のエンジンがアメリカのシボレーコルベットが使っていたエンジンを載せており、エンジンにちゃんと「CHEVROLET」「ISO」の両方の名前がある。こういうのは車好きにとっては憎い演出だよね。
ちなみに車自体は1967年から1974年まで生産され、販売台数は189台と、売れてなかったジェンセンFFのさらに半分程度。製造元のISOは1974年に倒産(だからS4の生産も1974年まで)という感じである。
ということで、奇しくも2台とももう40年も前に倒産した自動車メーカーのミニカーを買ってきたわけだがね。メーベトーイにせよディンキーにせよ、箱付美品ならそこそこのお値段がオークションあたりでもつくようで、ぬたりのも大事にしとけば将来寝が付くこともあり得るんだろうけど、そこはそれぬたりのマイナー好みが、こういう多くの日本人が会社すら聞いたことないような車のミニカーに興味を寄せるもんだから、価格はつきにくいんだろうなあ、というのが今の正直な考え。金に困ったら売る…となっても期待は出来んなこりゃ。
ともあれ、このお買い物はお別れの儀式みたいなもの。中学生のぬたりがなけなしの小遣い握りしめて訪れたあの日の楽しい経験の、せめてものお礼みたいなもんですね。広い店内のたくさんあるプラモデルを見上げた時の感覚は、今でも覚えてますからね。
お世話になりました。さようなら、フジ模型さん。