昨日のここにトレッドミルと地や床と、やっと同じ走り方が出来るようになったと書いた。20年前にランナーになった今年80の老人が、慣れ親しんだ我流トレッドミル走法から合理的な走法へと切り替える努力を積んできて、1年かかってやっと成功したと実感できるようになったのである。後者の走り方でトレッドミルでも走れるようになったから、そう思うのだ。そしてもちろん、後者の走り方の方が良い記録が出るもの。というこの1年の変化の内容を、ちょっと細かく書きとめておきたい。年を取ってどこかが弱くなっていく自分の今後の走りをきちんと自覚しているためにも。
長距離も短距離も原理は同じで、前脚で地面をつついたその反発力で走る。違いは、ストライドの大きさだが、短距離も長距離も前脚を伸ばして地面をつついて前に移動した腰の真下に後ろ脚を持ってくるというやり方は同じ。
ところが、トレッドミルで走ると、「前脚の地面ツツキによって生じる腰の移動以上に後ろ脚を前に持ってくる走り方」が生まれやすい。地をつついて走るのではなく跨いで走るようになって、前脚の膝が前に出て曲がっている形になるわけだ。この走り方で地面なり床なりを走ると、こうなる。前に来た脚の膝を伸ばす分、着地時間が長くなって、ピッチも上がらないことに。
さて、この「跨いで進む」走り方を、1年かかって僕はやっと換えられた。最近やっと変えられたと分かったのは、マシンで走っても前脚が腰の真下に来て、両膝が同じように伸び、なによりも最短の両脚着地時間のリズムが取れるようになったからだ。走法改善の途中には、両脚の膝の伸び、着地時間、ストライドがまるでバラバラという、今振り返ればそう感じた時期も長かったのに。これに伴って、前はできなかったピッチ200さえ可能になったのである。この年末年始までは前脚、膝が無意識に前に出過ぎてリズムがおかしくなることもあったのだが、今はマシンでも外走りと同じリズムでちゃんと走れるようになった。今年に入ってつい最近感じているこの実感に伴って、タイムも急に上がった。ウオームアップ走20分以上の後3~4キロ頑張って走るときに、キロ当たり15秒は速くなって、6分15秒ほどになった(昨日は6分10秒と書いたが、今はこう慎んでおく)。
同じ事でこうも言える。ちゃんとした外走りの走り方でマシンでも走れない間は、むしろマシン走りはしない方が良い。フォームも崩れるし、そもそも違う筋肉部分を鍛えていることになるからだ。地面で正しいフォームができても、マシンでこれを崩していればまともな練習、鍛錬にはならないということである。
ちなみに、僕は腿が強かったから、余計に以上のことに気づきにくかった。これは若い頃のバレーボールとサイクリングの成果なのであるが。