安倍政権の対応にも検証論
安倍晋三首相の対応が適切だったかどうかに関する検証論も政界で持ち上がった。民主党の岡田克也代表は「こうした事態が再び起きないように、(安倍政権の)対応策には検証作業が必要だ」と述べた。岡田代表が問題視したのは、後藤さんら自国民2人がイスラム国に拉致されているのを安倍政権が昨年末の段階で知っていたにもかかわらず、まともに対応してこなかった点だ。
人質がいるにもかかわらず中東を訪問し、公にテロとの戦争への参加を宣言したことがイスラム国を刺激したとの主張も聞かれる。民主党の枝野幸男幹事長は「テロに屈服すると見られてもいけないが、挑発する必要もなかった」と述べた。毎日新聞は社説で「後藤さんの家族には昨年から身代金要求があり、これを政府も承知していた。にもかかわらず安倍首相が中東を歴訪し、イスラム国と戦う国々に経済支援を表明した狙いは何だったのか」と問い掛けた。
安倍晋三首相の対応が適切だったかどうかに関する検証論も政界で持ち上がった。民主党の岡田克也代表は「こうした事態が再び起きないように、(安倍政権の)対応策には検証作業が必要だ」と述べた。岡田代表が問題視したのは、後藤さんら自国民2人がイスラム国に拉致されているのを安倍政権が昨年末の段階で知っていたにもかかわらず、まともに対応してこなかった点だ。
人質がいるにもかかわらず中東を訪問し、公にテロとの戦争への参加を宣言したことがイスラム国を刺激したとの主張も聞かれる。民主党の枝野幸男幹事長は「テロに屈服すると見られてもいけないが、挑発する必要もなかった」と述べた。毎日新聞は社説で「後藤さんの家族には昨年から身代金要求があり、これを政府も承知していた。にもかかわらず安倍首相が中東を歴訪し、イスラム国と戦う国々に経済支援を表明した狙いは何だったのか」と問い掛けた。
イスラム国側に一定の理解を示すような言動は元官僚からも出ている。
駐イラン大使の経験がある孫崎享氏はツイッターで「安倍発言で殺人の引き金」などと投稿。小泉純一郎政権などで5年近く安全保障・危機管理担当の官房副長官補を務めた柳沢協二氏はインターネット番組で、人質解放のための首相辞任を提案した。
元経済産業省官僚の古賀茂明氏は1月23日のテレビ朝日番組で、「首相は有志連合の仲間に入れてほしいと思っている」「首相は本当は空爆や武器供与を願っている」と根拠不明の持論を展開。外交や危機管理の専門家とは言い難い古賀氏の主張は6分以上続いたが、司会者が逆の立場から発言することはなかった。
『過激主義と戦うアラブの国々へ支援を表明することが極めて重要だ。テロリストに過度な気配りをする必要は全くない』
国民の命がかかっているその瞬間に、「攻めの姿勢を貫いた」と応えているのである。「イスラム国と戦う国への支援」問題も、イスラエルの旗の前で演説したテレビ映像も、実は怖ろしく前のめりの姿勢だったということだろう。あの瞬間にさえもそう振る舞ったということなのだ。後藤さんの命がかかった瞬間も、その「時」を未来に向かって政治的に利用したということと観たが、この見方は古賀氏の指摘に同意するということだ。以下は古賀氏の言葉である
『人命のかかった危機を「政治利用」しようとするとんでもない発言です』
孫崎にしても、天木、古賀にしても、造反官僚の言葉はとても重い場合が多いと僕は観ている。孫崎享についてはここでも著書内容などを紹介してきたが、この3人は今後も大いに注目したいと思う。