10月に「世界20位台前半」を予測したのだが、今年2月には一気に17位に駆け上がって行った。世界200数カ国・地域の中でなのだから、他スポーツとは、世界の庶民と共有できる意味が違う。スポーツ、スポーツマンに貴賤はないが、世界の庶民が築き上げてきた歴史的・社会的意味が違うと、強く主張したい。テレビにお願いし、これを跪拝せざるを得ないスポーツとは、唯一異なった存在なのだ。官僚よりも強いということだろう、こう考えると面白い。
今回は、今年2月2日、第38回分の再掲である。
【 2日発表の世界サッカーランクで、日本が29位から17位になった。実に、17位!
オーストラリアが21位(先月は26位))で、韓国が32位(同39位)だから、両方とも大幅にアップしたということだ。世界の中で、アジア全体の評価が上がるように見直されたと見るのが妥当だろう。FIFAでは、こういうことが時々あるのだが、日本と韓国がワールドカップで16強に入った事が、大きいのだろう。7月からの南米カップ日本招待がますます楽しみになってきた(なお、ここへの参加は結局流れた)。アジアカップ決勝戦前にここにこう書いた僕としては、モウびっくり。嬉しい悲鳴なのだ。
【「敵守備体制を広げて、縦横から攻める」。何度も言うように、前田遼一か岡崎慎司が2得点すれば、得点王だ。そして次が、7月の「コパ・アメリカ」! パラグァイとアルゼンチンを負かし、南ア大会16強の韓国をも退けたアジアチャンピオンが来るということで、大人気になるだろう! 一次リーグはアルゼンチンとともに是非通過して欲しいものだが、これももう現実的課題だろう。上手くいけばここで、世界20位突破だな。この南米大会前にもと、パラグァイから対戦希望が出ているが、ザックジャパンは今や引く手あまた。こうして日本サッカーがさらに、広い国際友好の日本旗頭になれるというものであーる!】
もう、香川真司も世界3位のドイツを席巻したのだし、長友佑都がインテルに入って大活躍するだろうし、ヨーロッパ崇拝は止めよう。日本の一部には、ヨーロッパ崇拝が多すぎると思っていた。
僕は、日本人サッカーファンの一部に見られる「ヨーロッパ崇拝」が嫌いだった。モウリーニョとか、スペインの何人かの選手とかは、いくら誉めてもを誉めすぎじゃないが、イブラヒモビッチとかエトーとかを化け物のように誇大視する風潮には、苦り切っていたものだ。僕を、決定的にそうさせたある事件が一昨年起こった。日本のオランダとの練習マッチである。
後半20分までは、オランダを圧倒していたあのゲームだ。このゲーム、当ブログでは一昨年9月6日にここに拙稿を書いている。が、ヨーロッパでは話題沸騰だったこのゲームが、話題の主、日本マスコミはこれをどう扱ったか!!? 「やっぱり問題外、後半にあっさりと逆転!」と、だけ。しかしながら僕は、あそこが今回のザックジャパンの原点になっていたのだと、今振り返る思いだ。それほどに「見事なパス回し」だったのである。ただ、防御がちょっと弱かった。厳密に言えば、球際で競らない対人守備が嫌だった。それが、去年南ア大会前のイングランド戦(5月31日、6月2日のブログ参照)、韓国戦(5月27日ブログ参照)などでは修正されてきたものだった。ぼくは、この3戦3連敗はむしろ、この対人守備面での修正が嬉しかったのである。ここのブログでもずーっとそう書いてきた。
そして最後がスイスでの選手会議。「敵とぶつかり合ってボールを奪わないことには、何も始まらない」この(多分)長谷部誠の一言のまとめで(これをまた岡田武史監督が認めた形になったから)アンカーに阿部勇樹を置いたブロック守備体制が固まった。ザックは今、基本的にこれら全てを踏襲している。付け加えたのはここでも述べてきた2点だけである。中央2列に厚くして敵ボールをサイドに追いつめる守備体制と、縦への速い攻撃とである。
サッカー協会に対してはこれからも、大新聞、テレビ界による軽視、敵視は続くだろう。彼らは野球互助会、テレビスポーツタレント作りが目的なのだから。マスコミから自立したサッカー協会の元にまとまった選手は自由にならないのだから。そして、そういうテレビ界の利己的で、狭く、高慢な了見を、日本サッカー界は実績でもってどんどん打ち破っていくことだろう。彼らは、アジアカップ決勝戦の視聴率を発表したっけ? 40%だったかな? 】