中日新聞本日朝刊第2面に標記の記事が載った。作家らしく、またこの人らしい文章とも思ったりしたので、抜粋してご紹介したい。例によって、全国への発信として。これで全文の6割強だと思う。
『 国会は死んだのかもしれない。「共謀罪」法を成立させた国会を見てつくづく感じました。(中略)
国際組織犯罪防止条約の批准には「共謀罪」法が必要、という政府の入り口の説明からしてうそ。テロ対策というのもうそ。政府が国民に対してうそを吐いた時点でアウトでしょう。「共謀罪」を刑法として詳細に検討するのは、一般国民にはハードルが高いので、国会では一般人も共謀罪の対象になるのか、というところに議論の焦点が絞られましたが、そこまで単純化しても政府はまともに答えませんでした。
(中略)
国民を欺いてまで成立させた共謀罪法の意義について、政府は初めから国民に説明する言葉も持っていません。反体制的な異論や労働運動を封じ込める、警察の介入をしやすくする、それに資する法律があったらいいね、ということでやっただけ。安倍政権の発想の母体となっている保守系団体「日本会議」の空気、もしくは情緒が、必要性さえ明らかにしないまま、既遂処罰という刑法の大原則を変えてしまったのです。
(中略)
安倍首相の憲法改変発言は、悲願と言われる割に軽い。彼には国民に向けて持論を展開するだけの論理はありません。あるのは底の浅い情緒だけです。それを国会も有権者も認めてしまっているのは、日本の社会が情緒で動いている証左です。安倍さんが思いのたけを話したら、恐らく論破されてしまうでしょう。
(中略)
今回の森友、加計学園問題は、政治の私物化としか言いようがありません。それができてしまうのが不思議です。
政治家が育っていない寒々とした荒野です。与野党問わず、人間の幸福とは何かを問う「本職・政治家」が消えてしまった。国連平和維持活動(PKO)で自衛隊を派遣した南スーダンの現地情勢について、「戦闘」を「衝突」と言い換えて、自衛隊員の命を危険にさらすような政治家に、この国のかじ取りをする資格があるのでしょうか。
私たちはいま、国連の関係者が懸念を表明するような切羽詰まった社会状況にあるのです。政治がしていることを、強く疑ってみるときです。軌道修正は、私たち有権者にしかできません。(聞き手は共同通信編集委員 橋爪邦弘)』
『 国会は死んだのかもしれない。「共謀罪」法を成立させた国会を見てつくづく感じました。(中略)
国際組織犯罪防止条約の批准には「共謀罪」法が必要、という政府の入り口の説明からしてうそ。テロ対策というのもうそ。政府が国民に対してうそを吐いた時点でアウトでしょう。「共謀罪」を刑法として詳細に検討するのは、一般国民にはハードルが高いので、国会では一般人も共謀罪の対象になるのか、というところに議論の焦点が絞られましたが、そこまで単純化しても政府はまともに答えませんでした。
(中略)
国民を欺いてまで成立させた共謀罪法の意義について、政府は初めから国民に説明する言葉も持っていません。反体制的な異論や労働運動を封じ込める、警察の介入をしやすくする、それに資する法律があったらいいね、ということでやっただけ。安倍政権の発想の母体となっている保守系団体「日本会議」の空気、もしくは情緒が、必要性さえ明らかにしないまま、既遂処罰という刑法の大原則を変えてしまったのです。
(中略)
安倍首相の憲法改変発言は、悲願と言われる割に軽い。彼には国民に向けて持論を展開するだけの論理はありません。あるのは底の浅い情緒だけです。それを国会も有権者も認めてしまっているのは、日本の社会が情緒で動いている証左です。安倍さんが思いのたけを話したら、恐らく論破されてしまうでしょう。
(中略)
今回の森友、加計学園問題は、政治の私物化としか言いようがありません。それができてしまうのが不思議です。
政治家が育っていない寒々とした荒野です。与野党問わず、人間の幸福とは何かを問う「本職・政治家」が消えてしまった。国連平和維持活動(PKO)で自衛隊を派遣した南スーダンの現地情勢について、「戦闘」を「衝突」と言い換えて、自衛隊員の命を危険にさらすような政治家に、この国のかじ取りをする資格があるのでしょうか。
私たちはいま、国連の関係者が懸念を表明するような切羽詰まった社会状況にあるのです。政治がしていることを、強く疑ってみるときです。軌道修正は、私たち有権者にしかできません。(聞き手は共同通信編集委員 橋爪邦弘)』
徴兵制がぁ・・とか、軍靴の足音がぁ・・とか、
文ちゃんの、「開戦前夜」とか、
オオカミ老人ネタの、一形態ですね。
『「戦闘」を「衝突」と言い換えて、自衛隊員の命を危険にさらすような政治家』とは、昨日今日の拙稿「怪物・ともちん」の答弁。
『国連の関係者が懸念を表明するような切羽詰まった社会状況』とは、ここで何回も紹介したもの。デイビッド・ケイ、ジョセフ・ケナタッチら国連人権委員会の特別報告者による、秘密保護法、共謀罪、山城議長不当拘留、慰安婦問題など日本の人権状況を憂え伝えた報告、発言を巡るもの。
『既遂処罰という刑法の大原則を変えてしまったのです』も、簡潔に要を得た表現。刑罰法定主義とは、既に行った行為を裁くものであって、「行おうとしていた」を裁き始めたらいくらでも冤罪を創作できると述べているのだ。
論理性がない安倍首相の「底の浅い情緒」、情緒主義への洞察もふくめて、広くて深い知性を感じさせる作家だと思います。
ちなみに「今お前はあいつを殺そうと思ったな?」って、どうやって証明するのか。
もちろん、否定証明もできないから、「検察の思い込み捜査」免罪にも繋がるわけだ。「思い込み捜査」って、お上に大変な権限を与えるもの。
お上に大変な権限があると言えば、この日本のお上には、先進国、民主主義国には珍しい極め付きの死刑廃止抵抗勢力性の雰囲気。死刑の本質ってこれだからだ。
「お上が人の命を奪う制度」
世界先進国では非常に珍しくなったこの制度を、裁判員制度までを導入して死守・発展させてきたのが自公政権である。日本という国はそれだけ、主権者国民の命をお上が奪う事を許している国と言える。
このことは、情報化などで世界がどんどん狭くなっているそのことにつれて、大きく問題にされていくことだろう。近くイスラムと日本と独裁国家などだけに、死刑制度が残っていたりして・・・・。