東海放送人九条の会より、会報に掲載した文章の紹介をいただきました。
東海放送人九条の会は隔月で会報を発行し、憲法九条をめぐる情勢を掲載しています。
東日本大震災の復旧をめぐる報道について、憲法からみた問題を指摘した大西五郎・東海放送人九条の会代表運営委員の文章をご紹介します。
原発の震災復旧に「戦車」出動
このところ新聞もテレビも東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故のニュースが多くの紙面、時間を占めています。
被害を受けた地方、人々の一日も早い復旧を願わずにはおれません。日本中から、世界から暖かい支援が寄せられていることも心強く、人間の暖かさを感じます。
ところで、震災のニュースにまぎれ込んで気になるニュースもあります。3月21日に各新聞・放送は「福島第一原発の施設内のガレキを除去するために陸上自衛隊の74式戦車が作業に着手する」と報じました(しかし実際にどのように活動したかの報道はありません。)。
この74式戦車は前部に排土板と呼ばれる鉄板を取り付けることができ、ブルドーザー同様の働きができるということです。
防衛庁は自衛隊は軍隊ではないという建前から「戦」の字を避けて「特車」と言っていましたが、いつの間にか(警察が特殊警備車輌を特車と呼ぶようになってから)堂々と「戦車」を名乗っています。
原発から出る放射能で避難地域ななったところで行方不明者の捜索やガレキの処理に当たっている自衛隊の隊員の方の努力には頭が下がりますが、国民の賞賛を受け、これを機に「軍隊」の必要性を認知させようという意図を感じるのはうがち過ぎでしょうか。
4月22日の毎日新聞の震災特集によりますと、事故を起こした原発の現場対策本部は自衛隊の他警察や消防、東電、原子力安全保安院の寄り合い所帯でした。
それぞれの組織の指揮系統が違うため混乱が起きました。そこで菅首相が放水などの実施要領は「自衛隊が中心となり、調整の上決定」し、作業実施も「自衛隊が一元的に管理する」という指令を出したそうです。
自衛隊が警察や消防を指揮するという初めての事態も起きています。これを憲法九条との関係でどう考えたらいいのでしょうか。
「トモダチ作戦」と日米軍事一体化の促進 アメリカは「トモダチ作戦」と称して震災の復旧に協力の手をさしのべています。
アメリカが日本のトモダチであることを示そうということで付けられた作戦名だということです。
大震災発生の直前に、ケビン・メア国務省日本部長が日本を蔑視する発言をしたというので、日本人のアメリカに対する感情は悪化していました。普天間基地の辺野古移転も暗礁に乗り上げた感がありました。
これを和げようとアメリカは大々的に「トモダチ作戦」を展開したとみることができます。
アメリカ兵が行方不明者の捜索や孤島に救援物資を運んでくれるなどの「友情」も示してくれました。
日本政府は「トモダチ作戦」に感謝して、その代償ともいうべき「思いやり予算」年間1880億円を従来の3年から5年に期間を延長して支払うことにしました(国会で予算通過)。「週刊ポスト」はこれを「友情の請求書1880億円×5年」と表現しました。
アメリカは「トモダチ作戦」のシンボルとして海兵隊の放射能等対処専門部隊(CBIRF)の400人を派遣し、横田基地での訓練を報道陣に公開しました。
核戦争を想定した特殊部隊との触れ込みで、原発事故の収拾に力を発揮してくれるのかと期待されましたが、初動対応部隊の指揮官は「我々が行うのは人命救助だ」と述べ、福島には行かないというのです。これでは羊頭狗肉の感があります。
4月7日の朝日新聞は「有事並み作戦調整一体化 横田に米統合部隊■自衛隊幹部も常駐」と報じました。米軍は「トモダチ作戦」を遂行するため、東京都内の横田基地に陸・海・空・海兵の4軍の指揮を一元化する「統合支援部隊」(JSF)を新設しました。
日本の自衛隊も陸上幕僚監部防衛部長をトップとする10人の連絡チームをJSFに派遣しており、トップの防衛部長は横田基地に常駐する体制をとっています。要職の防衛部長が防衛庁を離れ、米軍基地に常駐するのは極めて異例のことです。
朝日新聞によりますと、日米防衛協力のための指針(ガイドライン)などに明記される米軍と自衛隊の共同調整機関は、日米同盟の実効性を高める長年の課題でしたが、震災を機に有事並みの「調整体」が構築されたことになります。
防衛庁の幹部は「日米合同で作戦を立案している感がある」と言っています。
まさに「日米軍事一体化」で、集団的自衛権行使の手順を訓練しているのです。「トモダチ作戦」を手放しで歓迎することはできません。むしろ憲法九条の立場からは警戒すべき行動と言うべきでしょう。
東海放送人九条の会は隔月で会報を発行し、憲法九条をめぐる情勢を掲載しています。
東日本大震災の復旧をめぐる報道について、憲法からみた問題を指摘した大西五郎・東海放送人九条の会代表運営委員の文章をご紹介します。
原発の震災復旧に「戦車」出動
このところ新聞もテレビも東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故のニュースが多くの紙面、時間を占めています。
被害を受けた地方、人々の一日も早い復旧を願わずにはおれません。日本中から、世界から暖かい支援が寄せられていることも心強く、人間の暖かさを感じます。
ところで、震災のニュースにまぎれ込んで気になるニュースもあります。3月21日に各新聞・放送は「福島第一原発の施設内のガレキを除去するために陸上自衛隊の74式戦車が作業に着手する」と報じました(しかし実際にどのように活動したかの報道はありません。)。
この74式戦車は前部に排土板と呼ばれる鉄板を取り付けることができ、ブルドーザー同様の働きができるということです。
防衛庁は自衛隊は軍隊ではないという建前から「戦」の字を避けて「特車」と言っていましたが、いつの間にか(警察が特殊警備車輌を特車と呼ぶようになってから)堂々と「戦車」を名乗っています。
原発から出る放射能で避難地域ななったところで行方不明者の捜索やガレキの処理に当たっている自衛隊の隊員の方の努力には頭が下がりますが、国民の賞賛を受け、これを機に「軍隊」の必要性を認知させようという意図を感じるのはうがち過ぎでしょうか。
4月22日の毎日新聞の震災特集によりますと、事故を起こした原発の現場対策本部は自衛隊の他警察や消防、東電、原子力安全保安院の寄り合い所帯でした。
それぞれの組織の指揮系統が違うため混乱が起きました。そこで菅首相が放水などの実施要領は「自衛隊が中心となり、調整の上決定」し、作業実施も「自衛隊が一元的に管理する」という指令を出したそうです。
自衛隊が警察や消防を指揮するという初めての事態も起きています。これを憲法九条との関係でどう考えたらいいのでしょうか。
「トモダチ作戦」と日米軍事一体化の促進 アメリカは「トモダチ作戦」と称して震災の復旧に協力の手をさしのべています。
アメリカが日本のトモダチであることを示そうということで付けられた作戦名だということです。
大震災発生の直前に、ケビン・メア国務省日本部長が日本を蔑視する発言をしたというので、日本人のアメリカに対する感情は悪化していました。普天間基地の辺野古移転も暗礁に乗り上げた感がありました。
これを和げようとアメリカは大々的に「トモダチ作戦」を展開したとみることができます。
アメリカ兵が行方不明者の捜索や孤島に救援物資を運んでくれるなどの「友情」も示してくれました。
日本政府は「トモダチ作戦」に感謝して、その代償ともいうべき「思いやり予算」年間1880億円を従来の3年から5年に期間を延長して支払うことにしました(国会で予算通過)。「週刊ポスト」はこれを「友情の請求書1880億円×5年」と表現しました。
アメリカは「トモダチ作戦」のシンボルとして海兵隊の放射能等対処専門部隊(CBIRF)の400人を派遣し、横田基地での訓練を報道陣に公開しました。
核戦争を想定した特殊部隊との触れ込みで、原発事故の収拾に力を発揮してくれるのかと期待されましたが、初動対応部隊の指揮官は「我々が行うのは人命救助だ」と述べ、福島には行かないというのです。これでは羊頭狗肉の感があります。
4月7日の朝日新聞は「有事並み作戦調整一体化 横田に米統合部隊■自衛隊幹部も常駐」と報じました。米軍は「トモダチ作戦」を遂行するため、東京都内の横田基地に陸・海・空・海兵の4軍の指揮を一元化する「統合支援部隊」(JSF)を新設しました。
日本の自衛隊も陸上幕僚監部防衛部長をトップとする10人の連絡チームをJSFに派遣しており、トップの防衛部長は横田基地に常駐する体制をとっています。要職の防衛部長が防衛庁を離れ、米軍基地に常駐するのは極めて異例のことです。
朝日新聞によりますと、日米防衛協力のための指針(ガイドライン)などに明記される米軍と自衛隊の共同調整機関は、日米同盟の実効性を高める長年の課題でしたが、震災を機に有事並みの「調整体」が構築されたことになります。
防衛庁の幹部は「日米合同で作戦を立案している感がある」と言っています。
まさに「日米軍事一体化」で、集団的自衛権行使の手順を訓練しているのです。「トモダチ作戦」を手放しで歓迎することはできません。むしろ憲法九条の立場からは警戒すべき行動と言うべきでしょう。
憲法に規定されていないかという
主張があると、NHKが報道していましたが、
そんな憲法が外国にあるのかしら?
また、めずらしく護憲集会での
共産党と社民党の党首の主張を
紹介していました。
世界は、どうして自衛隊に原発事故対策班(専門チーム)が常設されていないのかをいぶかしく思っているそうですよ。
サリン事件の時は危なかった……もしも社会党などが主張していた通り(日本には必要ない!?)、自衛隊に毒ガス専門チームがなかったら……オウムの施設には米軍がカナリアを連れて突入したことでしょう……その映像を見た世界中の人々は「ああ、日本は米国の属国なんだな」との思いを改めて強く持ったことでしょう。
同じ口から出る、「放射能&原発コワイ」も、結局は、差別と風評被害をあおっているだけ。
あれこれあるけど、結局、実力のあるのは誰?て話ですな。
事足れりとされますか?