18日付けAERAdot.の記事に、こんな下りがあった。そこには、黒川氏の政権との接近実情が描かれて鮮やかすぎるほど。
『安倍首相は自民党の二階俊博幹事長と会談後、「国民の理解なしに前に進めることはできない」と検察庁法改正案を先送りする方針を官邸で表明した。
(中略)
法務省キャリア官僚によれば、最初に黒川氏に目をつけたのは、菅義偉官房長官だったという。
「黒川氏は一時期、完全に菅さんの右腕のような存在だった。会議を開くと、まったく関係ない黒川氏が菅さんと一緒に現れる。なぜ、黒川氏が同席するのか、と尋ねると菅さんが『彼はうちの法律のアドバイザー役だからいいんだ』などと説明し、右腕のように面倒をみていた。それで安倍首相の目にも留まった。しかし、法務官僚が関係ない会議に来ていたので、他の省庁の官僚からブーイングがすごかった。その上、黒川氏の定年延長を閣議決定でしょう。そんなえこひいきはあり得ないと思った。安倍政権の検察庁法改正案の断念は、ざまあみろですね」(同前)』
皆さんこれを読んで、誰でもこう思われるだろう。
「検察官って、準司法機関のはず。それが、これだけ政権とズブズブだったって? これじゃ、いざという時に政治家をきちんと起訴などできるわけがない。日本の三権分立は一体どうなっていたのか?」
さて、古い人間には考えつかぬようなこれだけのズブズブが、どうして起こったのか?と、年寄りは考える。そして、結論。これも規制緩和の新自由主義国家「小さな政府」の成れの果てなのだと。公、公正ということがどんどん弱くなり、政府も「政府部門」などと呼ばれて民間と変わらないようになった結果、各官庁も公を捨てて省益に走った。そういう政府、官僚における公正の成れの果て! それにしても検察官って、公益、公正の顔、その代理国家機関だろう。それがこれだけ変わったって?? 政府が社会的公正を捨てたというその最終結末になるのかも知れない。それも、各省庁があまりにも公正を捨てて省益だけになったのが怖くなって、「法律のアドバイザー役」? 内閣の会議内容に違法がないかを、菅氏が黒川氏に見張らせていた? これって笑い話になる。