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サッカー、早熟の天才と自己分析型努力家   文科系

2020年07月27日 11時37分29秒 | スポーツ
 これは、2015年3月15日に書いた、僕のサッカー選手論の一つ。日本はなぜか、早熟の天才ばかりに目を付け「時の人」とするが、それで大成した選手は意外に少なく、他方世界的名選手になった日本人に「早熟の天才」は少ない(但し、小野伸二は例外)。筆頭は中田英寿だが、高校時代までの彼は当時の天才、財前から「パスが下手、トラップも止まらない」と言われていた。
 今1人の典型がここのところ2回彼のことを書いた、岡崎慎司。その古い拙稿を再掲させていただきます。34歳だったかになった彼が先日、スペイン移籍一年目に所属チームを1部に昇格させたそのチーム得点王という功績を記念して。神戸の高校から清水に入った時の岡崎はFWでは4~5番目の控え選手だったのです。
 この旧稿をサッカーが再開された今、改めてお読みいただければ嬉しい、よろしくお願いします。
 
【 いよいよハリルジャパン誕生ですね。ついては、第1回目(当時の連載で)にある質問(というか批難?)があったことから、それに応える形のエントリーを一つ。またまた、岡崎慎司のことです。題名も長くって「早熟の天才と、自己分析型努力家」。
 宇佐美が天才であることは僕の上記記述でも当然の前提。だから、岡崎と比べる例に使わせて頂いたのです。木崎伸也の宇佐美の近況文章は僕も読んでいます。僕がここでずーっと最も推薦してきたサッカーライターでもあるしね。僕のここに書かれたドルトムントの知識は、ほとんど木崎の労作によったものです。
 さて、岡崎には08年から注目してきました。08年10月8日、このブログの僕の当時のサッカーシリーズ第3回目の文中に、こんな文章があります。
『日本人の有望監督も一人あげておこう。清水エスパルスの長谷川健太である。今季前半は試行錯誤もあってか珍しく下位に付けていたけれど、秋の声を聞くとともに点取り術を一新させたように成果を上げて、上位に食い込んできた。ここでは、岡崎慎司が遠からず日本人FWには珍しいアスリートに育っていくように思う。タイプとしては中山雅史だが、その中山よりもはるかに屈強なうえに、スピードも豊かで、精妙かつ多様なシュート力をも備えている。日本人FW最新版のような点取り屋に育つのではないか』

 この時の岡崎、22歳。このころから南アワールドカップ各大陸予選段階の「世界得点王」になっていきました。おっしゃる通りの「鈍才」岡崎が清水でレギュラーを取って間もなく日本代表に出て、即座に代表レギュラーFWをとっただけではなく、世界的にも頭抜けた得点力を示したわけです。この次第は、以降ここでずっと彼を追ってきたからご覧下さい。

 そう言えば、この頃ちょっと前から、鈍足岡崎が元オリンピック短距離選手の杉本コーチに通いつめて「走り出し」と「身のこなし」などを鍛えていたというのも、ここで書いてきました。賢い人は自分に本当に大事なことをあらかじめ十分に準備していて、チャンスに「間に合う」。これを逃がさない。ヒデも、柴崎もそうです。

 僕は、若くして天才中の天才と言われた選手よりも「賢い自己分析型努力家」を押します。
 ガンバ育成史上最大の天才が宇佐美と言われてきましたが、宇佐美が尊敬してやまなかった先輩天才はご存知ですよね。家長昭博だったかと。家長は同じガンバ育成で落第した本田圭佑が当時全く勝てなかった人物です。この時以降の本田は、家長と比較して自分が落ちた原因になった「力強さ」を、徹底して目指していくことになる。岡崎に似ています。
 若い頃にキツイ挫折経験があって、そこから徹底的に学んだ人間が、若い頃の天才度は多少落ちても、世界的大物になるような気がしています。ヒデはちょっと違うかも知れませんが、俊輔も挫折・自己分析型。本田と同じようにマリノス・ユースを落ちていますから。ユースに上がる時の「身体の完成度」は、晩熟の男子には参考にならぬようです。そう言えば、日本中盤の一方の雄、中村憲剛も晩熟タイプに見えますが。

 ところで皆さん、開幕したばかりのJリーグの優勝予想ですが、あまたの評論家、ライターで唯一グランパスを押しているのが、上記の木崎伸也。こんな大胆な予想しちゃって、彼、大丈夫なんですかね。既に、松本に引き分け、甲府に敗北ですが。カウンター得点から繋ぎ得点に変革中で、迷いがあるようです。

 (当時ドイツ・マインツの)岡崎またも10得点目。得点順位7位になりました。】
 
 
 ちなみに岡崎はこの直後の2015年6月にイングランド・プレミアリーグ、レスターに移って、15~16年シーズンには、あの「レスター奇跡の初優勝」のレギュラーFWを務め仰せています。そして今年2020年のついこの前、1年目のスペインで、2部のウエスカを1部に昇格させた、チーム得点王! とこんな次第だから、2015~6年の僕は、レスターの岡崎をここでもずっと追いかけていくことになりました。その旧稿も明日以降いくつか紹介してみます。

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家長昭博! (文科系)
2020-07-27 17:52:53
 上で、家長昭博の名前が出てきますが、彼には驚きました。川崎での活躍に。あれだけのチームに入って、すぐに川崎選手全員が認める憲剛と並ぶ柱に座ったんです。選手みんなが「何でも出来るが、特に前線でボールを貯めてくれる」と、技術も身体の強さも視野の広さもと、全てを備えた選手と驚いたのですから。
 川崎に来るまでの家長は名選手とは認められていたが、リーグの年間MVPという選手とは認められていなかった。それがどうだ、川崎に来たらそうなった。これはつまりこういうことでしょう。

 それまでのガンバにしろ、大宮にしろ、家長のオールラウンドの才能を十分に使えてはいなかった。ちなみに、大久保もそうです。川崎に来るまでは、あれだけの得点力はなかった。川崎に来た途端に、得点王を13~15年と、3年連続でとり続けた。当時の川崎がいかによいチームだったか分かります。こういう選手を観る「目」がある以上、川崎に強さは続くでしょう。
 サッカーは野球と違って個人プレー中心ではないということ、選手の超能力も、他の選手も優れていて初めて出すことが出来るという特徴があるのでしょう。つまり、個人でホームランを60本も打ったり、相手を0点に抑えたり出来る選手はいないんです。僕にはそこがサッカーの面白さ。
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