昨日のアジア・チャンピオンズ・リーグの東アジア・グループリーグ戦には、日韓両リーグ・チャンピオン同士の対決があって、テレビにかぶりつくことになった。横浜Fマリノスと韓国の全北現代の対戦なのだ。全北ホームに乗り込んだマリノスが2対1で勝ったこの闘いは、今のマリノスらしい「自分らの闘い」を敵地において見事に見せてくれた。マリノスのどこが強いかというのも、一目瞭然。
①選手の視野が広く、予測が早くて、(高い位置のそれも含んで)コンパクト陣形が非常に上手く機能していた。
②トラップのボールの置き所が良く、逆に相手ボールへの予測・アタックが非常に速い。
③こうして、2対1という得点差以上にシュート数でも圧倒して、遙かに大きな差が見えた。後半の後半に、相手が2人も退場者を出したのは、全北選手らが疲れ切っていたということだ。
④評判の仲川は非常に速いし、強い。流石年間mvpというべきで、とにかく目立っている。
この横浜と言い、イニエスタの神戸と言い日本代表クラブの「顔」ががらりと変わったが、その分国としては種々色々に強くなったのだと思う。ACL、アジアチャンピオンズリーグの日本代表クラブが、神戸、横浜、FC東京って、鹿島も川崎、浦和もいないって、近年日本としては隔世の感がある。
今の強豪クラブの監督が、神戸、横浜、FC東京三チームそれぞれ、ドイツ人、ギリシャ生まれのオーストラリア人、日本人というのがまた、面白い。もう、ブラジル人監督の時代ではなくなったのだろう。今のブラジルには、世界的監督が育っていない。たとえば鹿島は、この闘いのプレーオフに参加して敗北って、大丈夫なのかなどと、心配になって来た。
なお、横浜と神戸とある共通性があるのは、観る人は観ているはずだ。横浜の元GK飯倉大樹が、今は神戸にいるのである。しかもこの彼、非常に異色のGKだ。14年ブラジルW杯大会のドイツGKノイアーさながら、フィールドの味方側半分を守るやり方、勢いを横浜で見せていた。昨日横浜のGK梶川も全く同じで、凄く前に出て、積極的・攻撃的な守りを見せる。こういうゴールキーパーは、ドイツのユルゲン・クロップ(現在のイングランドリーグでダントツのリバプールの監督)が生み出した高位コンパクトプレスの代名詞でもあった。なお、神戸の監督は元ドイツ・バイエルン・ミュンヘンの選手で、監督としてはオーストリアなどからのし上がってきたお方である。神戸と横浜のこの共通性! この戦術に通じていないと、日本でももう勝てなくなっているということではないか。
「その時調子のいいチームを推すだけ」
エントリーに何が書いてあるかを読めないのである。横浜と神戸と、そして東京の台頭。これほど日本代表クラブがガラッと変わったその共通性として僕が書いていることが読めていないのが面白い。ポステコグルーも、神戸のドイツ人監督も、ドイツのゲーゲンプレスを取り入れているということを僕が書いているのに。
世界最先端の強くなる戦術の勝利ということなのである。今で言えば、イングランドはリバプールの系統戦術ということになる。