日本マスコミのアメリカ報道はおかしいと思う。というよりも、安倍政権と同じように、アメリカに忖度しすぎなのか、ゆがんでいる。その大きな証拠として、マスコミがきちんと言い及ばない重大点をいくつかあげてみたい。
① 一方的な関税設定やブロック経済へ移行など、既に自由主義経済を投げ捨てた国である。「(新)自由主義」という標語も、どこへ行ったのか。「株主資本主義は誤っていた」とは、米経済団体がこれを自己批判し、修正を表明したようだが。
なお、アメリカは、貿易赤字の相手国が悪いと自明のことのように言い放っているが、この赤字は国連規模で約束し合った範囲の自由(主義)競争で負けた結果に過ぎないのである。悔しかったら、国連の内部で争うとか、自国の製造を頑張るとかの努力をすべきなのだ。
② 国連制止を振り切って行ったイラク戦争や、イラン核合意離脱、地球温暖化対策に背を向けるなど、国際民主主義・多国間主義外交の唯一の場である国連を無視する行動が多すぎる。そのことを日本マスコミはどうして批判的に言及しないのだろう。アメリカの行動を報道する場合に、国連(規則)を対置することは今やもう不可欠な論評になっているはずだ。
③ こういうアメリカはもう、「自由と民主主義」の国とは言えなくなっている。これを「共通の価値観」としている国と名乗る資格もないはずだ。それでいて、他国には「自由がどうの」「民主主義に問題」と断罪するうえに、私刑とも言える経済制裁や戦争脅迫、つまり国連が排除しているはずの暴力に訴えている。
④ 自由と民主主義というのは、アメリカにとって「これで友好国・敵対国を決める基準」として、他のこととは違う国家運営の根本指針であった。ここを踏み外したアメリカを信頼して借りを作るなどは、今のイラン(戦争)有志国募集に見えるように戦争に巻き込まれるなど危ういことはなはだしいのではないか。
ちなみに、これらすべてはすでにもう、トランプ治下だからこそ起こりえたこととは言えない。イラク戦争開戦など国連無視は前からだし、トランプがやった国連無視諸施策などがなくならない限りは。
・・文ちゃんが、自身を「ゆがんでいない」と、思っているなら、それは、勉強不足だよね。