10日の中日新聞朝刊二面に「福島第一セシウム濃度上昇」という記事があった。「五日に同じ場所で採取した分に比べて、濃度は九十倍近く」という超絶の高濃度に変わったと。朝刊ではさらに、「今のところ、セシウム濃度が急上昇したのは一本の井戸だけ。他でセシウムはほとんど検出されず、ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質だけが検出され続けている」。
それが夕刊ではこうなったのだ。事態が急で、かつ重大なせいか、今度は一面トップ記事だ。
「規制委は、土が吸着したとされるセシウムの濃度が高い▽3,4号機側でも放射性物質を検出した。▽海水中の汚染も1~4号機の取水口すべてで高い─ことから、東電の説明を疑問視」
さて、濃度が五日から九日にかけて90倍になって、1本の井戸からだけ漏れていると東電が広報したその直後には、規制委が疑問になって調べたら、1~4号機とも漏れている?!! それもこんな高濃度が!
この場のこの光景には、既視感がある。2011年5月にこういう拙稿をここに載せたことを思い出したからだ。この時はまだ、犯罪者達がメルトダウンさえ認めていなかった時であった。
【 原発、酷いニュース二つ 文科系 2011年05月13日
今問題になっている1号機のメルトダウンは、小出裕章氏がずっと繰り返し指摘、警鐘してきたこと。この指摘は、ここでも何回かご紹介した。彼は今でも、1号機について再臨界発生を恐れているはずだ。
ところが、昨日と今日、あと二つの非常に深刻と思われる記事が、中日新聞に載った。一つは昨日のもので、「高濃度汚染水 再び海に 福島第1 3号機立て坑から」。
(中略)
ともあれ今日は、3号機立て坑の高濃度汚染水問題を取り上げたい。漁民たちの遠い将来までがかかった、とても恐ろしい事実が、ここには含まれていると考えるから。
以前2号機が高濃度汚染水を垂れ流しにしていたと、大問題になったことがある。ところが、その2号機の垂れ流し目視点検が、4月20日で打ち切りになったのだという。そして酷いことに、こんなことが書いてあるではないか。
『福島第1原発3号機から11日、高濃度の放射能に汚染された水が海に流出していることが分かり、ほぼ同じ状況で流出した2号機の二の舞となった』
『11日昼に作業員がこの立て坑に水が流れ込んでいるのを見つけた。水位は上がっておらず、近くの海に漏れ出していると判断した』
そして、今回の何よりも唖然とした話が、こうだ。
『3号機の立て坑は開口部にがれきが積み重なった状態で、11日に取り除くまでそもそも目視確認を一度もしていなかったことも分かった』
3号機って、恐ろしいモックス燃料を使ったものではなかったか。だから近寄れなかった、だから目視もできなかったと、そんな疑念さえ湧いてくる。それにしても、漏れ始めたのはいつのこと? 3月からずっと垂れ流しだったのだろうが、大変なことだと思う。こんな重大なこと、なぜロボットを使うかなにかしてでも、至急に確認しなかったのか。半減期が恐ろしく長く、かつ透過力が強い放射性物質だったかで、海、漁民への影響は計り知れないと思うのだが。
東電の事故処理作業はもう、伏魔殿というしかない。今後も何が出てくるか分からなくって、恐ろしい。国民を何だと思っているのか! 】
東電って、一体どういう会社なのだろう。よほど政府・官僚達に甘やかされてきたとしか思えないのである。操業停止になっている漁民の方々のことを、一体どう考えているのだろうか。
それが夕刊ではこうなったのだ。事態が急で、かつ重大なせいか、今度は一面トップ記事だ。
「規制委は、土が吸着したとされるセシウムの濃度が高い▽3,4号機側でも放射性物質を検出した。▽海水中の汚染も1~4号機の取水口すべてで高い─ことから、東電の説明を疑問視」
さて、濃度が五日から九日にかけて90倍になって、1本の井戸からだけ漏れていると東電が広報したその直後には、規制委が疑問になって調べたら、1~4号機とも漏れている?!! それもこんな高濃度が!
この場のこの光景には、既視感がある。2011年5月にこういう拙稿をここに載せたことを思い出したからだ。この時はまだ、犯罪者達がメルトダウンさえ認めていなかった時であった。
【 原発、酷いニュース二つ 文科系 2011年05月13日
今問題になっている1号機のメルトダウンは、小出裕章氏がずっと繰り返し指摘、警鐘してきたこと。この指摘は、ここでも何回かご紹介した。彼は今でも、1号機について再臨界発生を恐れているはずだ。
ところが、昨日と今日、あと二つの非常に深刻と思われる記事が、中日新聞に載った。一つは昨日のもので、「高濃度汚染水 再び海に 福島第1 3号機立て坑から」。
(中略)
ともあれ今日は、3号機立て坑の高濃度汚染水問題を取り上げたい。漁民たちの遠い将来までがかかった、とても恐ろしい事実が、ここには含まれていると考えるから。
以前2号機が高濃度汚染水を垂れ流しにしていたと、大問題になったことがある。ところが、その2号機の垂れ流し目視点検が、4月20日で打ち切りになったのだという。そして酷いことに、こんなことが書いてあるではないか。
『福島第1原発3号機から11日、高濃度の放射能に汚染された水が海に流出していることが分かり、ほぼ同じ状況で流出した2号機の二の舞となった』
『11日昼に作業員がこの立て坑に水が流れ込んでいるのを見つけた。水位は上がっておらず、近くの海に漏れ出していると判断した』
そして、今回の何よりも唖然とした話が、こうだ。
『3号機の立て坑は開口部にがれきが積み重なった状態で、11日に取り除くまでそもそも目視確認を一度もしていなかったことも分かった』
3号機って、恐ろしいモックス燃料を使ったものではなかったか。だから近寄れなかった、だから目視もできなかったと、そんな疑念さえ湧いてくる。それにしても、漏れ始めたのはいつのこと? 3月からずっと垂れ流しだったのだろうが、大変なことだと思う。こんな重大なこと、なぜロボットを使うかなにかしてでも、至急に確認しなかったのか。半減期が恐ろしく長く、かつ透過力が強い放射性物質だったかで、海、漁民への影響は計り知れないと思うのだが。
東電の事故処理作業はもう、伏魔殿というしかない。今後も何が出てくるか分からなくって、恐ろしい。国民を何だと思っているのか! 】
東電って、一体どういう会社なのだろう。よほど政府・官僚達に甘やかされてきたとしか思えないのである。操業停止になっている漁民の方々のことを、一体どう考えているのだろうか。