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サイケおやじの生活と音楽

ドラゴンに燃えていた頃を思い出せっ!

2012-09-28 15:06:48 | Movie

燃えよドラゴン / Lalo Schifrin (Waner Bros. / ワーナーパイオニア)

日中関係が悪い……。

それは現在、紛れも無い事実であって、決定的な要因は例の尖閣問題でしょう。

しかし国家間、あるいは民衆相互が無闇な争いを望んでいるはずもなく、ましてや経済的にも両国が所謂「お得意様」の関係なんですからねぇ。

思えば40年前、日中国交正常化が成って以降、友好の証としてパンダが贈られたり、中国四千年の歴史文化展が開かれたり、何兆円もの円借款が行われてきた結果が、これじゃ~~、情けないですよ。

さて、そこで回想してしまったのが、昭和48(1973)年末に日本で公開された映画「燃えよドラゴン」の爆発的なヒットから続いたドラゴン~カンフーの大ブーム!

もちろん夭折の大スタアとしてブルース・リーが永遠の輝きを焼きつけた香港・アメリカ合作のアクション作品は、とにかくカンフーという打撃系格闘技をメインにした、実にスカッとしたスリルと神秘的なサスペンスが最高でしたし、何よりも細身の東洋人が陰湿な悪役や大柄の白人を一瞬で叩き潰すシーンの爽快感!

全くスクリーンを凝視させられる観客が、すっかり「その気」にさせられたのもムペなるかな、ブルース・リーのアクションを模倣したり、劇中で使っていたヌンチャクがバカ売れしたり、空手&拳法の道場が大盛況になったり……等々、とにかく日本中が、まさに「燃えよ」状態でしたよねぇ~~♪

また当然ながら、これは全世界でも同じ状況であって、それゆえにラロ・シフリンが担当した同映画のサントラから、テーマ曲「燃えよドラゴン / Theme From Enter The Dragon」が大ヒットしたのも必然でした。

あぁ~、これが最高にカッコE~~♪ ファンキージャズのフュージョンサウンドなんですから、今でもこれが流れてくると、グッと身体に力が漲ってくる皆様も大勢いらっしゃると推察するばかりですよっ!

それはイントロから大仰なオーケストラの響きと如何にもカンフーな気合のシャウト(?)がキャッチーの極みつきであり、特有の中華メロディがファンクなベース&ドラムス、そしてワウワウのギターで展開されていく中には、エレピのアドリブが置かれ、さらには流麗なストリングが彩りを添えるんですから、本当に、たまりませんねぇ~~♪

ちなみに、この種のジャズファンクが得意のラロ・シフリンは、これ以前にも例えば映画やテレビの劇伴サントラでは「ブリット」や「ダーティ・ハリー」、ご存じ「スパイ大作戦」等々があまりにも有名でしょうが、本来はアルゼンチンで生まれ育ち、クラシックや現代音楽を基本にアレンジやピアノを習得し、長じてはパリに留学までしていた音楽秀才です。そして我々が本当にラロ・シフリンを知るのは、モダンジャズを創成したトランペッターのディジー・ガレスピーのバンドに雇われ、エスニック風味の作編曲を提供しながら、レギュラーピアニストを務めていた1960年代からでしょう。

ですから、その音楽性にラテンやボサノバ、正統派モダンジャズからジャズロックやソウルジャズの要素が入り乱れて化学変化しているのも当然ではありますが、そんな持ち味が劇伴の仕事では尚更に分かり易く、刺激的なテンションを活かした方向に進化したのも、前述の作品群で明らかだと思います。

そこで以降、世界中で追従的作品が娯楽映画の主流となり、香港や台湾、東南アジアで作られた真性(?)カンフー物ばかりか、千葉真一や倉田保昭、それに「えっちゃ~ん」と呼ばれてアイドルスタアとなった志穂美悦子が主役の和製ドラゴン物、さらには欧州制作の勘違いインチキドラゴンやハリウッドでのブラックドラゴン諸作までもが、玉石混合で封切されたのも今や昔の出来事かもしれませんが、少なくとも、この「燃えよドラゴン」が無かったら、我々は志穂美悦子の最良の登場には出会えなかったはずです。

また同様の事態は世界各国で言わずもがなの真実であり、付け加えれば劇伴サントラにラロ・シフリン調のジャズファンクが増大した事も嬉しい誤算(?)でしょう♪♪~♪

ということで、権力者のメンツや資本家の悪企みは何時の世にも消えることはありません。

ですから今回の領土問題云々も、国際法等々の手段によって判断された後、禍根を残すことは必至だと思っています。

しかし、だからといって、既に「なあなあ」では済まされない話になっている現在、この「燃えよドラゴン」のように、国という囲いを解き放つパワーを持った娯楽映画でも出てくれば、なにかすんなり解決の道筋が見えるような気もするんですよ……。

つまり民衆レベルでの高揚感が、人種や国家体制の壁を超えて、いろんな問題を良い方向に導くんじゃ~ないのか?

と、相変わらず、お気楽な考え方しか出来ないサイケおやじではありますが、40年前の高揚感を回想すれば、不平不満諸々も収まりがつきそうな気配です。

そして最後に一言、尖閣国有化は大正解!

これに揺るぎはございません。

コメント (6)
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