OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

リトル・ガールは孤高の名曲

2012-09-20 15:06:43 | Beach Boys

リトル・ガール / The Beach Boys (Capitol / 東芝)

ビートルズと同じく、ビーチボーイズにしても、残されたレコーディング曲から「ベスト10」を選ぶ事は困難を極めますが、例えば「ベスト30」であれば、本日ご紹介のシングル曲を選ぶ事に、サイケおやじは躊躇しません。

しかし不覚にも、サイケおやじが「リトル・ガール / The Little Girl I Once Knew」を知ったのは、なんとっ!? 昭和50(1975)年の事で、それは同年初夏に発売された編集アルバム「スピリット・オブ・アメリカ」を聴いた時なんですから、いやはやなんとも……。

と言うのも、実は皆様もご存じのとおり、この「リトル・ガール / The Little Girl I Once Knew」が世に出たのは1965年11月であり、歴史的には「California Girls」に続く新曲でありましたが、同時期には、あの和みのスタジオライヴLP「ビーチボーイズ・パーティ」が出たこともあり、結果的に長い間、アルバム未収録であったという言い訳も、まあ、出来ない事はないでしょう。

そして正直に言えば、ビーチボーイズは当時のサイケおやじの洋楽趣味から些か外れた存在であり、結果的に現在では超名盤アルバムと認定の「ペット・サウンズ」にしても、リアルタイムでは聴いていなかったわけですから、さもありなん……、とご理解願いたいところです。

また、冷静に思い返しても、「リトル・ガール / The Little Girl I Once Knew」が我国で流行っていたという記憶も無いんですが……。

そういうわけですから、実質的にサイケおやじがリアルタイムでビーチボーイズにシビれたのは以前にも書いたとおり、「サンフラワー」以降であり、そこから後追いで聴いていく歌や演奏にしても、とりあえずはアルバム中心であれば、全体の流れは大まかに掴めても、こういう逼塞させられたシングル曲への邂逅は、眩いほどでしたねぇ~~♪

まず、なによりも凄いと思ったのは、1975年になっても全く斬新としか思えないメロディラインと複雑なコーラスワーク!

しかも基本的には4ビートであろう曲展開には、12弦(?)ギターや各種キーボードによる巧みなリフが作り込まれ、しぶとい裏メロ(?)を弾くベースや結果的にオーケストラっぽい響きを持つ演奏パートは、これが1965年のサウンドなんですから、まさにブライアン・ウィルソンという天才の仕業は恐るべき高みに達していたんですねぇ~♪

う~ん、前述「ペット・サウンズ」以前に、これほど激ヤバのレコードが作られていたという、その事実!?!

もちろん、決して難解ではない全体の印象は、マイク・ラブ十八番の低音ボーカルが使われている事によるんでしょうが、それでもリアルタイムのリスナーは、完全に別次元へ転移したかの如く変わってしまったビーチボーイズに得体のしれないものさえ感じたんじゃ~ないでしょうか?

まあ、このあたりはサイケデリックロックへの入り口という位置付けも可能ではありますが、確かにこれは、ビーチボーイズのオリジナルアルバムの何処にも入る事の出来ない、まさに孤高の名曲名唱だと思います。

ちなみにオリジナルのシングルバージョンは、例によってモノラルミックスなんですが、サイケおやじが最初に聴いた「スピリット・オブ・アメリカ」所収の同曲には妙なエコー感があり、それが気になってしまった結果として、掲載された日本盤シングルを中古でゲットしたという経緯を付記致します。

そして聴き比べて驚いた事のひとつとして、前述した演奏パートのエレキベースには、しっかりエコーが効かされているという、思わず唸るサウンドプロダクト!

いゃ~~、流石にビーチボーイズは、深~いですねぇ~♪

ということで、最後になりましたが、ジャケットに写るメンバーの衣装は秋の装いでしょうか、実はこのグループショットに限りなく近いカットが、後に「Sloop John B.」の日本盤シングルのピクチャースリーヴにも使い回しされるのですから、ますます「リトル・ガール / The Little Girl I Once Knew」が日陰の身のような気がするほどです。

ということは、少なくとも当時の我国の発売元だった東芝レコードは、やっぱり「リトル・ガール / The Little Girl I Once Knew」を粗略に扱っていた? という見方も成り立つんでしょうか???

しかし、例え何であろうとも、この「リトル・ガール / The Little Girl I Once Knew」の進歩性と普遍性は圧巻ですよっ!

この時期なればこそ、是非に、お楽しみ下さいませ。

コメント (2)
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