OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

今年の夏は去りゆくか……?

2012-09-15 15:02:39 | 歌謡曲

渚のうわさ / 弘田三枝子 (日本コロムビア)

本来ならば、ゆく夏を惜しんで……、という決まり文句での掲載が宜しいんでしょうが、今年は何時までも暑いですねぇ。

おまけに東日本は雨も少なく、取水制限が実施されそうなところも!?

しかし、それでも昭和歌謡曲の夏の歌の良さは不滅であって、例えば昭和42(1967)年夏~秋に大ヒットした「渚のうわさ」は、何時聴いても胸キュンソングの決定版でしょう♪♪~♪

それは既にイントロのストリングパートから隠し味のエレピ(?)が絶妙に「せつなさモード」を演出し、橋本淳の綴る詩の世界は「失われた、ひと夏の恋……」という、まさに定番ではありますが、作編曲を担当した筒美京平の珠玉メロディが絶対的にジャストミート!

もう、それだけで、うるっときてしまうんですが、歌っている弘田三枝子が持前の弾んだポップスフィーリングを程好く抑え、サビでは十八番のミコチャン節による絶妙の「力み」を披露するんですから、これがヒットしなかったら、今日に連なる歌謡ポップスの美しき流れは無かったと思います。

と言うのも、実は皆様もご存じのとおり、この歌には岡崎友紀の素晴らしいカバーバージョンが後年に残されていて、そちらは徹頭徹尾、爽やか系の歌い回しが最高!

つまりオリジナルバージョンのサビで弘田三枝子が歌っていた、キメの「力み」が無く、むしろすんなりした節回しの分だけ味わいが異なるセンチメンタルな情感が!?

しかし、これは名曲は誰が歌っても名曲、と言う証では決してありません。

やはり弘田三枝子には弘田三枝子が、岡崎友紀には岡崎友紀が、そこに歌を残した現実こそ、認められるべきと思います。

特に弘田三枝子はデビュー当時から和製ポップス&オールディズ、あるいはジャズっぽいスタンダードをメインに歌っていた頃、この「渚のうわさ」を出した事によって、新しい方向性が提示されたという意味でも、これは忘れられないはずです。

ということで、所謂「夏の歌」でも「去りゆく」という括りの中では、サイケおやじが大好きな1曲として、この「渚のうわさ」は必須♪♪~♪

残暑厳しき日々ではありますが、皆様にも今の時期、お楽しみいただきたい名曲名唱です。

コメント (6)
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