■泣きぬれて / 園まり (ポリドール / 日本グラモフォン)
また今日も、大好きな人の訃報についてブログを綴らねばならないのは、本当に悲しいです……。
それでも、そうした衝動こそが、愛おしい人への心からの供養になればという思いも拭いきれないという……。
その人こそは、昭和歌謡史の荒野に咲いた可憐な花一輪という園まりです。
サイケおやじが故人の最大の魅力と思っているのは、十八番のムード&フェロモン歌謡においても、決してベタベタせずに哀切の感情表現を滲ませてくれる歌唱力でして、例えば本日掲載のシングル盤A面曲「泣きぬれて」は昭和43(1968)年10月という、芸能界は正にGS歌謡が真っ盛りの時期に出してくれたスローテンポのムード歌謡であり、作詞:山口あかり&作曲:平尾昌晃が企図したところは、悲恋に泣きぬれる女心の哀切ですから、森岡賢一郎が施したアレンジもラウンジ系のジャズっぽさが強く、しかし、それでも園まりは歌謡曲保守本流の節回しを決して外さない「まりちゃんのフェロモン唱法」を聞かせてくれるんですから、たまりません (^^♪
極言すれば、これぞっ!
大人の世界の歌謡曲であり、当時は多感な十代を過ごしていたサイケおやじには本来知り得ない味わいでありながら、テレビ出演時に「泣きぬれて」を歌ってくれる園まりには、ゾクゾクさせられた鮮烈な記憶が残っております。
そして当然ながら、サイケおやじは今でも聴く度にシビレてしまうのが、この「泣きぬれて」ですから、ここに刻まれているギターの味わい深いフレーズを今夜はコピーしてみようかなぁ……。
そんなふうにも思いつめさせられている次第です。
ということで、園まりについては、とてもとても、語りつくせぬものが夥しくあり、サイケおやじの稚拙な筆では書き表せぬほど……。
ですから、せめて皆様には、故人が残してくれた素晴らしいレコードをご紹介するのが、精一杯でございます。
あぁ……、おそらくは様々なメディアで追悼特集が組まれるであろう今後に希望・期待するところは、デビュー当時からの映像の集成であり、また殊更リマスター復刻して欲しいのが昭和42(1967)年新春に封切られた主演映画「夢は夜ひらく(日活・野口晴康監督)」です。
これは奥村チヨ、布施明、ドリフターズ等々のナベプロ組も出演していて、共演の渡哲也や高橋英樹あたりよりも、個人的に強い印象を残してくれた人気作なんですが、ど~なりますか (^^;
あぁ……、園まり、逢いたくて、もう一度……。
合掌。