OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ジャッキー・デシャノンに恋をする

2011-07-29 19:15:44 | Singer Song Writer

恋をあなたに / Jackie DeShannon (Imperial / 東芝)

この綺麗なお姉様はジャッキー・デシャノンという、元祖シンガーソングライターのひとりです。

その活動歴の中の最初の成功は1961年、ブレンダ・リーの大ヒット曲「Dum Dum」を作った事で注目されたのですが、歌手としては既に幾つかのグループや自己名義でのレコーディングをやっていながら、泣かず飛ばず……。

ところが1964年頃からのブリティッシュビートの大ブームの最中、彼女が書いた「ピンと針 / Needles And Pins」や「ウォーク・イン・ザ・ルーム / When You Walk In The Room」がサーチャーズによってメガヒット!

もちろん、それらの歌にしても、既に彼女の自作自演バージョンがありながらの現実ですから、些か皮肉な運命というべきでしょうか。率直に言って、なにかそれによって彼女はソングライターとしては一流である反面、歌手としては二流以下というイメージが定着してしまった感さえあります。

しかし実際に残された音源を聴いてみれば、初期の頃は如何にもビートポップスにぴったりのパンチの効いた歌いっぷりが、好き嫌いはあるにしても、なかなか魅力的じゃないでしょうか。

また1960年代中頃からは幾分落ち着いた節回しを用いながら、特有の強い声質を活かす歌唱法を確立したように思います。

それは1965年に出したバート・バカラック&ハル・デイヴィッドの代表作「愛を求めて / What The World  Needs Now Is Love」を自身初の大ヒットにしたことでも証明され、以降は定番ハリウッドポップスから流行のフォークロック、さらにはスワンプロック的な歌までも出していくのですが、彼女の魅力のひとつは、ルックスとはミスマッチするエグ味の強いボーカルかもしれません。

さて、そんなジャッキー・デシャノンにサイケおやじが惹かれたのは、例によって洋楽雑誌のグラビアからの一目惚れというか、恥ずかしながら年上の素敵なお姉様が大好きという、健全な青少年にはあるまじき性癖の表れで、今となっては悪いムシが出たというところです。

そして幸運にもその頃、本日掲載のシングル盤A面曲「恋をあなたに / Put A Little Love In Your Heat」をラジオで聴けた瞬間、ついていくしかないっ!

本当にそう確信させられるインパクトがありましたですねぇ~~♪

なにしろ当時のポップスとしては異例とも思えるヘヴィでソウルフルなバックの演奏はニューソウル的でもあり、ストリングスやブラスの使い方は分厚く、また絶妙のスパイスとなっているパーカッションの存在、そしてコーラスのゴスペルっぽさも格別ですから、これは所謂ブルーアイドソウルの傑作♪♪~♪

もちろん彼女の歌い回しはなかなか黒っぽく、それでいて脂ぎっていないのは流石ではありますが、裏を返せば、白人美女がやってくれたこその魅力があるんじゃないでしょうか。当然ながら曲作りには彼女自らが関わっています。

と言うことで、これが1969年の出来事でありました。

そして以降、ジャッキー・デシャノンという名前と存在を意識するようになり、すると前述したサーチャーズのヒット曲をはじめ、自分のお気に入りの歌の幾つかが彼女の作品という事実を知るようになったのです。

ただし実際にレコードを集めるようになったのは、しばらく後の事であり、それは経済的な理由もありましたが、何を買っていいのか分からなかったのが本当ですし、頼りの中古盤屋にも、ジャッキー・デシャノンのレコードはそれほど出回りませんでしたから、つまりは日本じゃ売れていなかったのでしょう。

今日では、それなりに復刻も進んでいるようですし、特にベスト盤CDの体裁ながら未発表曲&テイクも入った優れ物も出ていますから、機会があればお楽しみ下さいませ。

繰り返しますが、好き嫌いは絶対にあるでしょう。

それゆえに好きになったら命がけという恋愛(?)も出来るというものです。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする