OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

シェリーは笑っちゃうほど素敵な歌

2011-07-04 15:06:49 | Pops

Sherry / The Four Seasons (Vee Jay / 日本ビクター)

説明不要、今やオールディズの代表格というメロディは、誰もが一度は耳にしたことがあろう名曲だと思います。

と言うのも、我国では昭和38(1963)年頃からのロングセラーとして、ダニー飯田とパラダイスキングの日本語バージョンが大ヒットしましたから、そこで実質的なデビュー曲を歌った九重佑三子が今日までも自身の演目にしている事も併せて、広く日本人には知られている証だと思います。

そして実際、サイケおやじもリアルタイムの少年時代から、この歌が大好きでしたねぇ~~♪ なんか、ラテン風味のイントロが流れて来るだけで、ウキウキと素敵な心持にさせられますし、ハイトーンボイスのリードボーカルの魅力は何時聴いても不滅だと思います。

しかし、これがオリジナルを歌ったフォー・シーズンズになると、イマイチ分からないというか、お叱りを覚悟で書かせていただければ、「Sherry」でのハイトーンボイスが裏声にひっくり返るあたりは笑い出しそうになるほど愉快なコミックソングに聞こえてしまうんですねぇ。

実はご存じのとおり、パラダイスキングのバージョンは当時の和製ポップスの典型として、洋楽カバーに独自の日本語詩を付けて歌われたものですから、フォー・シーズンズのオリジナルが当然ながら英語詞なのは、その内容を知る由もなかった頃に、きっとお笑いの曲だったのかっ!?

なぁ~んて、思い込んでいたのがサイケおやじの不見識だったのです。

ちなみにフォー・シーズンズは偉大なるポップスグループとして、特にアメリカでは絶大な存在ですが、我国ではあまり語られることも無かったのが昭和40年代だったと思います。

と言うよりも、あくまでもフォー・シーズンズはシングルヒットがメインのグループであり、ビートルズが登場して以降の所謂ロックのジャンルで取り上げられる事は場違いだったんじゃないでしょうか……。

正直、とても日本で人気があったとは言い難いとまで思っています。

ところが時が流れ、完全な後追いで聴くフォー・シーズンズは実に奥深いグループであり、アメリカの芸能界や音楽産業の縮図を知る過程での極めて代表的な存在のひとつとして、今は驚くばかりです。

もちろん長年の活動歴の中では数回のメンバーチェンジやレコード会社の移籍、また下積み時代からの音源復刻に伴う諸々のエピソード等々、全く底が見えないほどの面白さは本当に不滅だと思います。

で、この「Sherry」はフォー・シーズンズがそのキャリアの中で放った最初の大ヒット曲として、アメリカでは1962年に発売されましたが、その時のメンバーはフランキー・ヴァリ、ニック・マッシ、ボブ・ゴーディオ、トミー・デヴィートという4人組になっていました。

そして当時の写真を見るかぎり、メンバーは楽器も担当していたようですが、基本的にはフランキー・ヴァリの地声(?)によるハイトーンボイスをリードに他のメンバーがコーラスハーモニーを付けるという、その頃に流行っていた白人ドゥーワップ、あるいはフォーフレッシュメン系のポピュラーコーラスグループの形態を基本にしていたと思われます。

ところが時代はR&Rやノーザンピートの黒人R&Bが売れるという状況の中、おそらくはフォー・シーズンズもそうした流れの中でスタイルを変化させていったんじゃないでしょうか?

まあ、このあたりはサイケおやじの完全なる妄想ではありますが、これも後追いで気がついた事ながら、ビーチボーイズのブライアン・ウィルソンが使う裏声コーラスは、案外とフォー・シーズンズのフランキー・ヴァリがネタ元かもしれないと思うほどです。

ということで、掲載した私有のシングル盤は昭和47(1972)年頃に中古で入手したものですが、もちろんオールディズ趣味に染まり始めた事が、そのきっかけです。

あぁ、フォー・シーズンズって、かなり良いんじゃないのぉ~~♪

と、ようやく気がついたのがサイケおやじの真相であり、しかし同時にフォー・シーズンズにある種の「わからなさ」も感じるという、完全な自己矛盾は今も続いています。

そこで一念発起、最初からフォー・シーズンズを聴いてみよう!

決意表明の本日でした。

コメント (2)
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