■ビキニスタイルのお嬢さん / Brian Hyland (Kapp / 東芝)
サイケおやじの世代にはお馴染みの洋楽ポップスのひとつが、本日ご紹介のシングル曲だと思います。
と言っても、それは決してブライアン・ハイランドが歌っていたオリジナルバージョンではなく、パライダイス・キングや田代みどり等々が日本語の歌詞で聞かせてくれた所謂和製ポップスの楽しいカパーでありました♪♪~♪
ですから、当時のを知らない皆様にしても、必ずや一度は耳にしたことのあるメロディでしょうし、ついついリアルタイムの日本語詞を歌ってしまわれることは、実に素晴らしいパブロフの犬でしょう。
ちなみにパラダイスキングのバージョンではリードを歌っていたのが石川進という、後には「オバケのQ太郎」の主題歌で永遠の大ヒットを飛ばす人気者でしたが、実はレコードも含めて、一般的には坂本九の十八番と思い込まれている不思議も侮れません。
まあ、それほど日本人ウケした洋楽ポップスとして、夏場には必ず何処かから流れてくる名曲ではありますが、さて、その本家たるブライアン・ハイランドも決して忘れてはならないアイドルシンガーだと思います。
なにしろ「ビキニスタイルのお嬢さん / Itsy Bitsy Teenie Weenie Yellow Polkadot Bikini」を全米で大ヒットさせた1960年が16歳で、その前曲としてブレイクのきっかけとなった「Babyface」を歌っていたこともあり、忽ちベビーフェイスの愛称で人気者になったのですからっ! 翌年の初来日の狂騒はテレビでも報道されたほどです。
こうして夏になると必ずや利用価値の高い歌として、懐メロ番組には欠かせない演目ではありますが、オリジナルの歌詞は結構ヤバイ感じもしますねぇ~♪
彼女は極小水着だから、素敵にちがいない♪♪~♪
的なその内容は、十代の男達が青春ど真ん中で何に興味を抱くのかを端的に表現している感じでしょうか、。
もちろんリアルタイムでは、ちょうどビキニスタイルの水着が世界的な流行になりつつあった過激(?)な時期だったんですけどねぇ。当然ながらサイケおやじもビキニの水着姿には女性であればこその魅力を感じ、平たく言えばギラギラした若い欲望を隠しようも無く……。
ですから、ブライアン・ハイランドがその後に奮闘及ばず、少しずつヒット曲優先の芸能界から遠ざかってしまったのは自然の成り行きでしたし、1970年代に入って妙にガッツが入ったフォークロック中心主義の楽曲を歌ってカムバックしたのも、それほど不自然ではないように思います。
つまり何時までたってもアイドル性が失せない歌の表現力は、実に素直なフィーリングの持ち主という証であり、そのキャリアは様々なレコード会社を転々としているので無理かもしれませんが、願わくば集大成的なアンソロジーが作られ、そのあたりを確認出来ることを切望しています。
ということで、今年の夏はますます節電が必須になるようですから、せめてサイケおやじの職場だけは女性にビキニ姿を義務づけたい目論見を捨てきれず……。それが本日の本音の結論というわけです。