OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

真夏のダンスに Heat Wave !

2011-07-25 15:31:17 | Soul

Heat Wave / Martha & The Vandellas (Gordy / 日本ビクター)

これまでも度々述べてきたとおり、サイケおやじはブルースやR&Bといった黒人音楽の素敵な楽曲は、そのほとんどを所謂1960年代ロックから教えられました。

例えば本日ご紹介のシングル曲「Heat Wave」にしても、オリジナルはマーサ&バンデラスが1963年夏から秋にかけて全米はもちろんの事、世界中で大ヒットさせたノーザンピートの傑作というのが歴史ではありますが、これがリアルタイムの日本で流行っていたという認識が、何故か、サイケおやじにはありません。

しかし、この歌が最高に好きになったのは、ザ・フーが「恋のヒートウェーブ」という邦題でカパーしてくれたのが発端で、それを昭和42(1967)年にラジオで聴いたサイケおやじは、一発でシビれましたですねぇ~~♪

そこで急遽、レコード屋へ走ったことは言うまでもありませんが、残念ながらザ・フーのバージョンは我国独自の編集LP「アイム・ア・ボーイ」に収録されていただけということで、泣きの涙……。

いゃ~、本当にその頃、潤沢な小遣いがあったら、今の自分はもっと豊かな感性と余裕の人格を形成出来ていたのではないか? なぁ~んて思うほどですが、まあ、そういう人生の辛苦を少年時代に知ってこそ、年齢を重ねた後の心に味わいが染みてくるのかもしれませんねぇ。

閑話休題。

で、そういう未練を根性の源にして、高校生の頃にようやくゲットした前述のアルバム「アイム・ア・ボーイ」を堪能していた頃、なんと「恋のヒートウェーブ」はザ・フーのオリジナル曲ではなかったという真実に、恥ずかしながら辿りついたのがサイケおやじの未熟さでありました。

そこで、ど~してもマーサ&バンデラスのオリジナルバージョンを聴きたくて、なんとか中古でゲットしたのが掲載したシングル盤というわけですが、これが意外なほどに大当たり!

如何にも調子の良いリズムとキャッチーなリフで構成された楽曲の流れは、当然ながらザ・フーではギターで置き換えられていたパートが、オリジナルバージョンではブラス&ホーンセクションとヘヴィな黒人ビートによって本質的に演じられ、なによりも浮ついたところが魅力だったザ・フーのボーカル&コーラスが、マーサ&バンデラスのパンチの効いた黒っぽさの前では些か色あせてしまう印象さえありました。

実はご存じのとおり、マーサ&バンデラスが放ったオリジナルのヒット曲は英国でもアメリカ同様にウケまくりで、特にモッズ族と呼ばれた連中がやっていたロックバンドではカパー必須の状況があったようです。

それはマーサ&バンデラスが、なかなかロックっぽいアプローチを自然体で表現出来たことによるのかもしれません。

有名なところではミック・ジャガーとデヴィッド・ボウイが共演した「Dancing In The Street」が彼女達のヒット曲カパーだった事でも顕著ですが、基本的にはダンス用の歌と演奏であったとしても、絶妙のコブシを使い分けるマーサ&バンデラスは同じモータウン所属のシュプリームスあたりと比較して、その黒っぽい感覚がロック方面ではウケる秘訣じゃないか?

そんなふうに思っています。

肝心のマーサ&バンデラスは、マーサ・リーヴズ、ロザリンド・アッシュフォード、アネット・スターリングという3人組で、もちろん彼女達は全員が当時のモータウン御膝元だったデトロイト出身という事になっていますが、その結成とデビューについては諸説があるようです。

しかし、その中で一番有力なのが、秘書として雇われながら、実はモータウン系のライターが書いた楽曲のデモを歌うのが仕事というマーサ・リーヴズを正式に売り出すため、コーラスバートをやれる他のふたりが選ばれたという定説も、それが当時最先端の流行だったという証でしょう。

ですから、なかなか器用な面も兼ね備えた彼女達がマーヴィン・ゲイあたりのバックコーラスを担当する事も多かったそうですし、当時の常識として、実際の巡業ステージではマーサ・リーヴズ以外のメンバーが頻繁に代わっていた真相もあるようです。

ということで、サイケおやじは忽ちにしてマーサ&バンデラスのファンになり、このジャンルの黒人女性コーラスグループとしては、真っ先に好きになったのが彼女達でした。

なにしろ、この「Heat Wave」をはじめ、本当に楽しいビートで歌ってくれるダンス曲の素晴らしさは言わずもがな、パラード系の曲にしても、なかなか強いリズム感が侮れませんよ♪♪~♪

当然ながら、実に夏向き真っ盛りの歌ですから、この機会に熱いダンスビートを求めて楽しむのも素敵じゃないか? と思っています。

コメント (2)
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