■Silence Is Golden / The Tremeloes (CBS / 日本コロムビア)
昨日が「Sherry」で、今日がこの曲とくれば、既に皆様がご推察のとおり、フォー・シーズンズのネタが続くというわけです。
しかし、サイケおやじは昨日も書いたとおり、決してフォー・シーズンズをリアルタイムで楽しんでいたわけではなく、完全な後追いの中で自らの趣味嗜好と合致する部分を確認してみれば、本日の主役たるトレメローズの歌と演奏にシビれていた過去を思い出したにすぎません。
それは昭和42(1967)年秋からの隠れたロングヒットとして各方面で流れていた「Silence Is Golden」という、実に爽やかなソフトロックメロデイの再認識であり、演じていたのはトレメローズと名乗るイギリスの白人グループでした。
実は後に知ったところによると、トレメローズは最初、ブライアン・プールという看板歌手のバックバンド扱いだったらしく、歴史的にはデッカレコードのオーディションでビートルズが落とされた時の合格者がブライアン・プールだったという逸話もあるようです。
そして所謂リバプールサウンドのブームで幾枚かのヒットシングルを発売し、それは我国でも出ていたらしいのですが、サイケおやじの記憶には残っていません。
ですから、トレメローズが強い印象を残したのは、ブライアン・プールと別れてから以降の話であり、当時のメンバーはリッキー・ウェスト(vo,g)、アラン・ブレイクリー(vo,g)、レン・チップ・ホークス(vo,b)、デイヴ・マンデン(vo,ds) という4人組になっていた頃なのです。
まあ、このあたりについては、リアルタイムでは全く意識していなかったのが本当のところで、そんな事よりも「Silence Is Golden」という曲の良さ、歌と演奏の気持良さに無心で惹きつけられていたというわけです。
なにしろ冒頭からハートウォームなコーラスと素敵な曲メロがナチュラルに融合した展開は、フォー・シーズンズと言うよりもビーチボーイズと似ているなぁ~~♪ 正直、そう思っていたのがサイケおやじの本音だったんですから、今となっては失笑されても反論は……。
しかし時が流れ、この「Silence Is Golden」がフォー・シーズンズのオリジナルヒットであり、メインで曲を書いたのが同グループのボブ・ゴーディオであると知った時、実はビーチボーイズだって突然変異で登場したのではない! そういう真実に触れた気分でした。
それは例えばビーチボーイズの「Don't Worry Baby」あたりに特に顕著であり、このトレメローズが演じた「Silence Is Golden」とは従兄弟関係的な存在感があるんじゃないでしょうか? もちろん高音のファルセットボーカルが大きな比重を占めていることは言うまでもないと思います。
ただしビーチボーイズにしろ、トレメローズにしろ、本家フォー・シーズンズよりは相当にロックっぽい味わいが強く出せる感覚の違いが大きく、そのあたりが如何にもロック時代のコーラスグループという存在の証なのかもしれません。
また当然ながら、そんな真実に触れるほどに、サイケおやじがフォー・シーズンズという凄いグループの魔界に捕らえられていったのは必然でした。
ちなみに、この時期のトレメローズは日本でも人気が本当に高かったらしく、これまた実は昭和45(1970)年に「Silence Is Golden」を中古盤で入手した時には、そういう市場に状態の良いブツがゴロゴロ出ていましたですねぇ~~♪
ということで、本日もホンワカムード優先の和み曲を取り出したのは、酷過ぎる社会状況に対する自然な気持の表れなのでしょうか。
本来ならばガッツ溢れる歌や演奏を聴いて、沸き上がるファイトで何事も前向きにやることが必要なのは自覚しているつもりなんですが……。
まあ、そのあたりも含めて、これからもよろしくお願い致します。