週刊ポスト1月31日号によると、大英博物館で開催された「大春画展」
に長蛇の列ができ、しかも大手新聞に最高ランクの評価が出たそうだ。
日本では好色の目で見られるが、世界では高く評価されているぞ、
というわけで、ついに世界最古にして最大級の大英博物館で、
春画をメインに扱った展覧会が開催される、というものだった。
このプロジェクトが開催されること自体、画期的だったが、高い評価と人気を
呼んだことで、あらためてどんな絵だったか確認してみた。
やっぱり、スケベだわ。間違いなく。しかしその表現のしかたが芸術なのだ。
浮世絵のすごさは、たいがいの人が知っているでしょう。
しかし浮世絵が幕府に認められた出版物であるのに対し、
春画は非合法の出版物であったのです。だから贅沢な材料の色や紙を
禁じられたスター絵師たちは、純粋に春画の世界で作品の芸術性を
競い合ったのです。つまり絵師にとっては最高の表現手段だったのです。
古来、日本の性風俗はとても、おおらかだったことが良く分かるのです。
今あるバリエーションは、すべてこの時すでにあったし、時と場所を選ばず
方法もバラエティに富み、牧歌的と言えるほど奔放かつ寛容だった様子が
良く分かります。
世界に先駆けて、こういう文化が起こった背景には、安定した社会の
形成がまず、挙げられます。女性でも子育てと仕事の両立が可能だったし
それを支える長屋の連帯感みたいなのがありました。
この頃の思想が今に引き継がれていたら、少子化などという奇妙な現象は
起こらなかったでしょう。
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