松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

日本人より世界が高く評価する「春画」の神髄

2014-01-21 09:20:18 | アート・文化

週刊ポスト1月31日号によると、大英博物館で開催された「大春画展」

に長蛇の列ができ、しかも大手新聞に最高ランクの評価が出たそうだ。

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これはほぼ1年前の、SAPIO2月号に載った記事。

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日本では好色の目で見られるが、世界では高く評価されているぞ、

というわけで、ついに世界最古にして最大級の大英博物館で、

春画をメインに扱った展覧会が開催される、というものだった。

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このプロジェクトが開催されること自体、画期的だったが、高い評価と人気を

呼んだことで、あらためてどんな絵だったか確認してみた。

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やっぱり、スケベだわ。間違いなく。しかしその表現のしかたが芸術なのだ。

浮世絵のすごさは、たいがいの人が知っているでしょう。

しかし浮世絵が幕府に認められた出版物であるのに対し、

春画は非合法の出版物であったのです。だから贅沢な材料の色や紙を

禁じられたスター絵師たちは、純粋に春画の世界で作品の芸術性を

競い合ったのです。つまり絵師にとっては最高の表現手段だったのです。

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その上、フランス大統領のスキャンダルの例を見るまでもなく、

古来、日本の性風俗はとても、おおらかだったことが良く分かるのです。

今あるバリエーションは、すべてこの時すでにあったし、時と場所を選ばず

方法もバラエティに富み、牧歌的と言えるほど奔放かつ寛容だった様子が

良く分かります。

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世界に先駆けて、こういう文化が起こった背景には、安定した社会の

形成がまず、挙げられます。女性でも子育てと仕事の両立が可能だったし

それを支える長屋の連帯感みたいなのがありました。

この頃の思想が今に引き継がれていたら、少子化などという奇妙な現象は

起こらなかったでしょう。

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