松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

音楽家とワイン

2014-11-04 15:33:04 | 日記・エッセイ・コラム

 西日本では、火の玉が飛んだそうですが、私は今朝暗いうちに、妙な

物音を聞きました。それは私の家の上を「バホ、バホ、バホ」と羽ばたき

ながら、南の方へ飛んでいきました。あれが羽音だとしたら、オオワシより

二回りは大きな、翼長4m以上の何かだと思います。風が強かったので

そのせいかも知れませんが、私には、リズミカルな羽ばたく風切音に聞こえました。

蒸気機関車のシュシュにも、似ていましたが、あの時間、ましてSLは

通るはずもありません。今まで聞いたことのない音でした。

 気を取り直して、そろそろボージョレ・ヌーボーの季節だそうですね。

ワインにかこつけて、ベートーベンのお話です。

                  ベートーベンと少年犯罪の因果な関係

 わたくし、ベートーベンに関してはちょっとうるさいです。レコード持ってます。一枚。ピアノソナタ「熱情」です。それもアシュケナージの演奏で。あと、日本にベートーベン鈴木という作曲家というか歌手というかいます。わたくしの数多いカラオケレパートリーのなかに「日本全国酒飲み音頭」という曲がありますが、たしか彼の作曲だったと思います。
 冗談はこのくらいにしておき、西ドイツのボンで生まれたベートーベンは天才的な作曲家であった割には晩年は悲惨な人生を送ったことで有名です。晩年耳がまったく聞こえなくなって、それでもピアノに頭くっつけて演奏したという逸話もあります。でもそれだけではなかったんですね。25才頃からすでに、難聴をはじめ、刺すような腹部の痛み、激しい関節痛、更にはうつといった神経症状にまで悩まされ続けていました。そして1827年3月自分の病気の真相を知ることのないまま、56才でその生涯を閉じました。あとでその死因は「アルコールの大量摂取による肝硬変」と発表されました。しかしこの症状って何かと似ていませんか。
 ベートーベンはワインに目がありませんでした。それも年代物のワインに。彼は好んで年代物のワインを口にしていたようです。当時、古いワインは酸化が進んでいるので、甘みを増すためにある金属化合物を甘味料として使っていました。それは鉛です。彼の病状は鉛中毒のそれと一致していたのです。それを裏付けることとなったのが、髪の毛です。ベートーベンの髪の毛が最近になって競売に掛けられ、分析する機会が訪れました。案の定、彼の髪の毛からは普通の人では考えられない数値(100倍)が出てきたのです。
 今では180年前と違ってワインに鉛を入れるようなことはありません。安心して飲んで結構です。しかしまったくその危険がなくなったのでしょうか。実はそうではないのです。今でも鉛中毒になる人はいるのです。アメリカではマイホームを自分でリフォームすることは珍しいことではありません。その古い壁に鉛の入った塗料が使われた時期がありました。休日のお天気のいい日、パパが一生懸命古い壁を剥がして新しいペンキを塗ります。子供は知らずに鉛入りの粉を吸い込んで中毒症状に陥るのです。大人の場合は血液脳関門が完成しているため、脳まで入り込むことはありませんが、小さい子供の場合は深刻です。古いペンキは遊び場のすべり台や鉄棒や手すりにも使われている場合があります。日本でも同じことが言えます。その上、鉛を使った水道管が戦後大量に使われ、現在どの程度新しい塩ビ管などに交換が進んでいるかは掴んでいないみたいです。朝いちの水道水はまずいですよね。その中に鉛がとけ込んでいる可能性もないとは言い切れません。
 子供の場合の中毒の怖さはこれだけではありません。脳に鉛が蓄積するために起きる機能障害は犯罪者になる可能性を示しているというのです。「子供の骨に蓄積した鉛の量を測定すれば、この子が将来、犯罪を犯す確率まで予測できる」とまで言い切る学者すらいます。その根拠はなにか。少年犯罪者の脳を過去10年、50例について精神鑑定し、合わせてMRIで形態学的検査を行った福島医師(元上智大学教授の心理学者)によると、殺人者の53%に脳の形態異常が観察されました。その内容は「クモ膜脳症」「孔脳症」「小脳症」などの外「脳質・脳溝の年齢不相応の拡大」そして「左右非対称」などの発達異常です。さらに2名以上を連続して殺した連続殺人者の脳の異常率は87%に達していました。
 これら脳の異常は鉛だけから発生するわけではありません。わずかな量の環境ホルモン(ホルモン攪乱物質)でも胎児期に甲状腺に影響を及ぼし脳発達が阻害されることがあります。
実はこれの方が今問題になっているのです。環境ホルモンの研究で先端を行く世界の18人が集まった「シシリー宣言」では「子宮内でそうした化学物質にさらされた胎児は、発達途上の脳がホルモン攪乱物質に暴露され、脳の構造、機能に恒久的な変化をもたらす」と警鐘を鳴らしています。暴露って言葉、どういう状況か意味わかんないけど、そのまま書きました。   
 つまり、ボクらが考えるに犯罪者は相応な場所に入れればそのうち更正するだろうとか、異常な行動を起こすヤツはヤクにラリった人間なんだろうと漠然と考えていましたが、そうではない、ということです。始めから壊れているのです。しかも直らないのです。そしてそれは大抵の場合、親の育て方ではなく環境ホルモンや重金属の影響だということです。
 ベートーベンの死後175年経ってワインで中毒を起こす人はいなくなりましたが、かわりに環境ホルモンによって知らぬ間に殺人予備軍のキレる若者が生産されているということでしょう。私は子供を大体育て上げつつありますが、これからの若い方、妊娠した奥様はことのほか大事にしましょう。そのほかに、食べ物や与えるおもちゃや身の回りに気を使わなければならないから大変ですね。でも必ず3人以上は作ってね。秋田県のためにではなく、自分のために。楽しい家庭を作るために。私もまだ能力はあるからあきらめてはいませんが。

県職員を相手に書いた、ローカルな部分もありますが、

13年前の文章なので、今と比較すると興味深いです。

最近は、環境ホルモンという言葉を聞かなくなりましたね。代わりに

危険ドラッグが幅を利かせています。これは危なすぎて、マフィアが取扱いを

止めたというシロモノです。すぐに廃人又は死に至るため、長く利用して

もらえないから、従来型のほうが儲かるそうです。

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